痴漢と後日逮捕の回避

2021-03-12

痴漢と後日逮捕の回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

会社員のAさん(35歳)は勤務先の最寄り駅に向かう満員電車内において、前に立っていた女子高生Vさんの臀部付近をスカートの上から触りました。Aさんは、駅で降りるとVさんに呼び止められ、「さっき触りましたよね?」「痴漢しましたよね?」と言われました。Aさんはこのまま相手と押し問答しても埒が明かないと思い、その場から立ち去りましたが、警察に逮捕されないか不安な日々を過ごしています。
(フィクションです。)

~痴漢行為に当たる罪とは?罰則は?~

いわゆる痴漢行為を疑われた場合は、各都道府県が定めている迷惑行為防止条例(以下、条例)の「卑わいな行為の禁止」の罪に当たるかと思います。概ね、どの都道府県でも「公共の場所」あるいは「公共の乗物」において「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法」で「他人の身体に触れ、又は衣服の上から触れる」行為を禁止しています。罰則も、通常は、「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習の場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いかと思います。

~Aさんの今後は? ~

AさんはVさんに顔を見られている上、駅構内に防犯ビデオカメラが設置されている場合は、カメラにもAさんの容貌等が記録されている可能性があります。また、AさんはVさんとのやり取りで、痴漢を否認するかのようなやり取りをしており、痴漢の被疑者と特定された上で逮捕される可能性も否定はできません。
逮捕されると日常生活に様々な支障が生じますから、何とかして逮捕を回避しなければなりません。

逮捕を回避する確実な方法はありませんが、逮捕される可能性を大きく下げる方法はあります。

まずは、被害者と示談することです。
被害者と示談することができれば、被害者が警察に被害届を提出しない可能性が高まります。また、可能であれば、示談書に「被害届」を提出しない旨の条項を盛り込みましょう。なお、示談交渉を円滑に進めるためには刑事事件における示談交渉に慣れた弁護士に任せましょう。

次に、警察に出頭することです。
警察に出頭すれば、捜査機関側から「捜査に協力的な人間だ」と思われ、事件は在宅のまま、つまり逮捕されないまま捜査が進められる可能性が高まります。出頭の際には、身元引受人等の上申書を提出するなどして逮捕回避に努めなければなりません。また、出頭するといっても様々な不安が出てきますから、そのような場合は弁護士からアドバイスをもらい、不安であれば弁護士に付き添ってもらいましょう。

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