北海道札幌市の痴漢事件で現行犯逮捕

2019-10-31

北海道札幌市の痴漢事件で現行犯逮捕

北海道札幌市痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

Aさんは、北海道札幌市内を走る満員電車の車内において、女性Vの臀部をズボン越しに触ってしまいました。
Vは満員電車だからたまたま何かが触れているのだろうと思い過ごしていましたが、あまりにも不自然なので、臀部の方に手を伸ばすと、Aさんが触っていることに気付きました。
Aさんは、Vに臀部を触っていた手を掴まれ、痴漢として駅員室に連れて行かれました。
まもなく駆け付けた鉄道警察隊により、Aさんは北海道警察東警察署に引致されることになりました。(フィクションです)

~札幌市内で痴漢事件を起こすとどうなるか?~

一般的に、公共の乗物や、公共の場所において、他人の臀部などに触れることを「痴漢」といいますが、法律上、「痴漢罪」という犯罪類型はありません。
実際には、強制わいせつ罪か、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反の罪に問われることになります。
両者は、犯行の態様により区別され、臀部を着衣越しに触った程度であれば、多くの場合、条例違反の罪に問われることが多いです。

Aさんは、札幌市内を走る電車の中で犯行を行ったので、「北海道迷惑行為防止条例」の適用が検討されることになります。
北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号アは、

①正当な理由がないのに
②公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、
③著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、
④衣服等の上から、又は直接身体に触れること

を禁止しています。
これに違反し、有罪が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(常習の場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)に処せられます。

「汽車」、「電車」は「公共の乗物」に含まれます。
Aさんは公共の乗物において、Vの衣服の上から臀部を触ったものであり、もしVにおいて、自身がAに臀部を触られていることを知ったのであれば、著しく羞恥し、又は不安を覚えるものと考えられます。
したがって、Aさんに北海道迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性は極めて高いでしょう。

~痴漢で逮捕された事件の流れ~

AさんはすでにVによって、「現行犯逮捕」されたものと扱われる可能性があります。
「現行犯人」とは、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者」を意味します。
さらに、現行犯人は、誰でも(市民でも)、令状なくこれを逮捕することができます。
したがって、法律上、警察官などでないVもAさんを逮捕することができる、ということになります。

警察署に引致され、取調べを受けたあと、釈放されない場合は、逮捕時から48時間以内にAさんの身柄が検察に送致されます。
検察官もAさんを取調べた後、身柄を受け取ったときから24時間以内に、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいはAさんを起訴するかを決定します。

検察官から勾留請求を受けた裁判官が、勾留決定を出すと、Aさんは10日間勾留されることになります。
なお、よく勘違いしている方もおられるのですが、逮捕後、勾留決定が出るまでは、逮捕の効力として身体拘束を受けているのであり、「勾留」されているわけではありません。
さらに、やむを得ない事由があると認められるときは、最長10日間勾留を延長されることになります。
捜査の最終段階において、検察官は、Aさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めることになります。

~示談により釈放や不起訴を目指す~

身体拘束が長引くと、会社を解雇される事態などが生じ、Aさんの社会復帰後の生活にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
最近では軽度の痴漢事件で比較的早めに釈放される傾向にありますが、捜査機関と裁判所の判断次第である以上、それが実現するか不確実であることはなお否定できません。
また、ケースの事件につき起訴された場合は、無罪判決を獲得するのは極めて困難であることが見込まれ、有罪判決を受けると罰金刑でも前科となります。
そこで、痴漢の被害者であるVと迅速に示談を行うことが考えられます。
Vと示談をすることにより、早期の身柄解放、不起訴処分を実現できる可能性が高まります。
接見にやってきた弁護士とよく相談し、早期の身柄解放、不起訴処分の獲得を含む有利な事件解決に向けて弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、ケースのような痴漢事件の解決実績も豊富です。
ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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