路上で12歳男児の陰部を弄び逮捕

2020-08-08

今回は、自宅付近の路上で、12歳小学生男児の陰部を弄び、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

横浜市西区に住むAさんは、自宅近くの路上において、12歳の小学生男児Vに対し、「大人の遊びをしよう」などと持ち掛け、Vの陰部を弄んでしまいました。
後日、Aさんの自宅に神奈川県戸部警察署の警察官が現れ、逮捕状を見せられた後、強制わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~強制わいせつ罪とは?~

よくある痴漢事件(電車内や路上で被害者の臀部や太もも、腰を触るなど)は、通常、各都道府県が定める迷惑防止条例違反の罪に問われます。
しかし、ケースのAさんは強制わいせつ罪に問われています。
通常の痴漢事件よりも悪質な事件として取り扱われることになるでしょう。

(強制わいせつ罪について解説)
刑法第176条は、「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする」としています。
12歳の小学生男児の陰部を弄ぶ行為は、「わいせつな行為」と認定される可能性が高いでしょう。
したがって、Vに対し「大人の遊びをしよう」などと持ち掛け、Vの陰部を弄ぶ行為は、強制わいせつ罪を構成する可能性が高い、という結論に至ることになります。

強制わいせつ罪について有罪が確定すると、6月以上10年以下の懲役に処せられます。
迷惑防止条例違反の罪と比べれば、法定刑がかなり重いことが特徴です。
特に、迷惑防止条例違反の罪と異なり、罰金刑が予定されていません。
すると、有罪判決を受けてしまった場合、刑の執行が猶予されなければ、刑務所に行かなければならなくなります。
そのため、事件の初期から適切な弁護活動を尽くすことが大切です。

~想定される弁護活動~

(身体拘束の長期化を阻止する)
逮捕・勾留されると、捜査段階において、最長23日間もの間身体拘束を受けることになります。
勾留されたまま起訴されると、自動的に起訴後勾留に移行し、保釈されなければ、さらに身体拘束が長期化することになります。
そのため、逮捕されてしまった場合においては、勾留がつかないように行動する必要があります。

もっとも、Aさんは自宅近くの路上で事件を起こしているため、釈放後、Vと接触する可能性が十分あります。
この点は、Aさんの身柄解放を実現するにあたり不利な事情といえます。
この場合は、Vの生活圏から離れた場所に住む親族などに身元引受人となってもらった上で、検察官や裁判官と交渉する必要があるでしょう。
現在の住所から引っ越すことも検討する必要があるかもしれません。

(Vと示談をする)
V(実際にはその法定代理人)と示談をする必要があります。
示談をすることにより、
・Aさんになされる処分を軽くすることが期待できる(不起訴処分の獲得や、より軽い量刑による判決の獲得)
・示談により、早期に釈放されることが期待できる
・民事訴訟(Vから慰謝料などを請求される)を提起されるのを回避することが期待できる
といったメリットがあります。

(起訴される可能性)
ただし、ケースの事件は、12歳の児童を性の対象、性的満足の手段とする、特に卑劣な事件として取り扱われる可能性が高く、示談をしても起訴される可能性が十分あります。
起訴されてしまった場合は、公開の法廷で裁判を受けなければなりません。
執行猶予付き判決を獲得できるよう、Vに対して真摯に反省をし、2度と犯罪に手を染めないこと、Vに2度と関わらないことを表明する必要があります。

ただし、口頭で反省の弁を述べ、再犯防止を誓うことは簡単です。
肝心なのは、裁判官にその旨を納得してもらうことにあります。
カウンセリングに通うなど、再犯防止の取組みを実際に行い、その経過を裁判官に示すことが重要になります。
弁護士のサポートを受けながら、有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が強制わいせつ事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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