痴漢事件で逮捕・供述の信用性を争う弁護士

2021-02-13

痴漢事件で逮捕されてしまったものの容疑を否認している事例を題材に、供述の信用性を争う弁護活動等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

千葉県佐倉市に済むAは、電車内で、衣服の上からVの下半身に手の甲を押し付けたとして、V自身によって鉄道警察に引き渡された。
千葉県佐倉警察署の警察官は、Aを迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。
なお、逮捕後もAは一貫して容疑を否認している。
Aが逮捕されたとの知らせを受けた家族は、痴漢事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~痴漢事件における被害者供述~

本件でAは、迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで逮捕されてしまっています。
各都道府県において制定されているいわゆる迷惑防止条例では、(人を著しく羞恥させ又は人に不安を覚えさせるような方法で)公共の乗物において衣服の上から人の身体に触れる行為を痴漢行為として処罰していることから、Aはこの条例に違反した疑いがかけられていると考えられます。
迷惑防止条例違反等の痴漢事件では、物証等の客観的証拠が乏しいことから、被害者の供述が犯罪を証明するための重要な証拠となるケースも少なくありません。
特に本件ではAは犯行を一貫して否認しており、Vの被害主張と真っ向から対立していることから、かかる供述の信用性が争点となる場面といえるでしょう。

いわゆる供述証拠は、人の知覚・記憶・叙述の過程を経るものであり、これらの各過程には人の認知能力等の限界から過誤が混入しやすいといわれています。
供述者本人が虚偽を述べるつもりがなくても、人の知覚や記憶には自ずと誤りが生じてしまう性質があるということに十分に注意を払う必要があります。
したがって、供述証拠の信用性を検討するにあたっては、他の客観的な証拠との符号や整合性が重要なポイントとされているのです。
しかし、その比較対象となる客観的証拠が乏しい場合には、この知覚や記憶の条件などを十分に吟味する必要があります。
否認している被疑者の弁護人(弁護士)としては、事件時の客観的状況を正確に把握した上で、これらの正確性を検証することになります。
また、他の目撃者はいないか、Vが犯人の取り違えをしていないか等を含め、多面的な検証作業が重要となるといえるでしょう。

~逮捕後の勾留を阻止する弁護活動~

逮捕されてしまった場合、まず捜査段階の弁護活動として留意すべき最重要事項の一つが勾留を阻止することです。
勾留とは、逮捕に引き続く身体拘束であり、その拘束期間は原則10日間(刑事訴訟法208条1項)ですが、勾留延長(同条2項)が認められれば最長20日間にも及ぶことになります。
このように勾留は比較的長期間となるため、勾留されてしまった場合には社会生活に事実上大きな支障を生じさせてしまいます。
典型的には、解雇等によって職を失ってしまうことが考えられます。
仮に逮捕の事実が知られていなくても、勾留段階に移行し、数日以上連絡が取れない状態になれば、職場等への欠勤に対する合理的な弁解は極めて困難になります。
したがって、弁護士としては、一刻も早く身柄を解放し社会生活への影響を最小限化するための弁護活動を行っていく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、迷惑防止条例違反事件などの痴漢事件も多数扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
否認事件に関する弁護活動も豊富な弁護士が、身柄解放活動を含め迅速に対応いたします。
痴漢事件で逮捕されてしまった少年のご家族等は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

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