髪の毛の匂いをかぐ痴漢

2021-11-19

髪の毛の匂いをかぐ痴漢について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

東京都在住の会社員のAさんは、通勤中の電車内において、前に立っていた女性Vさんの髪の毛を匂いをかいでいたところ、不審に思った男性から声をかけられ、次の駅で降車した逃走したため、追いかけてきた目撃者や駅員に取り押さえられてしまいました。その後、Aさんは駆け付けた警察官に事情を聴かれ、女性Vさんの髪の毛の匂いをかいだことは認めたことから、東京迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~東京都迷惑行為防止条例~

Aさんは東京都迷惑行為防止条例違反で処罰される可能性があります。条例には「卑わいな言動」を禁止しているところ、Aさんが女性Vさんの髪の毛の匂いをかぐという行為は「卑わいな言動」にあたり、違反者には罰則を科す規定が設けられているからです。

東京都迷惑防止条例
第5条 何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であつて,次に掲げるものをしてはならない。
(1)公共の場所又は公共の乗物において,衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(2)略(盗撮行為)
(3)前2号に掲げるもののほか,人に対し,公共の場所又は公共の乗物において,卑わいな言動をすること。

罰則は6月以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、常習性が認められる場合は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

~現行犯逮捕と弁護活動~

現行犯逮捕とは,現に罪を行い,又は現に罪を行い終わった者を逮捕することを言います。現行犯逮捕の事案では,犯罪が目の前で行われているわけですから誤認逮捕の恐れがなく,ただちに犯人を逮捕する必要性が高いです。そこで,現行犯逮捕は「誰でも」,「令状なし」に逮捕することができるのが特徴です。
逮捕後は,警察官から事情を聴かれ、警察官が引き続き身柄拘束する必要がないと判断した場合は釈放されますが、必要があると判断した場合は逮捕から48時間以内に検察庁へ送致されます。検察庁でも検察官から事情を聴かれ、検察官が引き続き身柄拘束する必要がないと判断した場合は釈放されますが、必要があると判断した場合は送致から24時間以内に、裁判官に勾留の請求をします。
検察官から勾留請求を受けた裁判官も同様に事情を聴き、身柄拘束する必要があると判断した場合は請求を許可し、必要がないと判断した場合は請求を却下します。
このように、勾留前でも釈放されることはお分かりいただけたかと思います。そこで弁護士としては警察官、検察官、裁判官に釈放に向けた働きかけを行っていきます。
具体的には意見書を提出したり、直接面談したりします。これらの活動は弁護士しかできませんから、早期釈放を希望される場合は弁護士に弁護活動をご依頼ください。

~示談交渉は弁護士~

身柄拘束された場合に示談を成立させると早期釈放、不起訴などの効果を期待できます。
もっとも、示談は弁護士に任せましょう。そもそも弁護士でなければ、痴漢の被害者とコンタクトをとることができません。
ただ、弁護士ですらコンタクトをできない場合は示談交渉をはじめることができず示談不成立となってしまいます。
また、仮に示談交渉できたとしても、示談が成立するか否かは弁護士の交渉能力や被害者の態度にかかっています。
弁護士がいくら説得したとしても、被害者の処罰感情が強く示談を拒否した場合ややはり示談不成立です。  

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。

 

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