【事例解説】電車内の痴漢で逮捕 無罪を主張 

2024-02-28

電車内での痴漢の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

痴漢される女性

事例

会社員のAさんは、通勤の電車に乗っていたところ、前に立っていた20代くらいの女性Vから、いきなり「痴漢です」と声を上げられ、次の駅で降りるように求められました。
Aさんは、まったく身に覚えのないことを言われたため困惑しましたが、身の潔白を明らかにするため次の駅で女性と一緒に降りました
通報により駆けつけた警察官に、Aさんは触っていないことをしきりに伝えましたが受け入れらず、不同意わいせつの容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

痴漢で冤罪を主張する場合 

痴漢事件の場合、被害者から痴漢の疑いをかけられると、周りの乗客に取り押さえられ、警察に引き渡された後に、冤罪の主張をほとんどすることができないまま逮捕されてしまうことがあります。
何もわからないまま連日捜査を受け、釈放されるのであれば認めてしまっても良いのではないかと考え、やってもいないのに痴漢行為を認めてしまうことは避けなければいけません。
もし、逮捕された場合には、弁護士に接見に来てもらい、ご自身が置かれている状況今後の見通しについて説明を受けることが大切です。 
また、取調べへのアドバイスなどを受けることで、安心して自らの冤罪の主張をすることができるでしょう。

痴漢事件で無罪となった裁判例

電車内の痴漢事件において、被害者の供述が信用できるかが問題になった裁判例のひとつに千葉地方裁判所平成27年1月14日判決があります。

この裁判例では、足の踏み場の無いほど混雑した電車内で、女性の服の上から左胸を手で揉んだという痴漢事件の犯人が、被害に遭った女性の正面で左向きに立っていた被告人であるのかが問題になりました。
被告人が犯人であると立証するための証拠が被害女性の供述しかなかったことから、裁判所は被害女性の供述に信用性があるかを検討しました。
裁判所は、検討の結果、被害女性の供述は信用性が乏しいと判断しました。
そのような判断の理由として、被害女性の犯人が被告人であると判断した供述についてはその判断過程に飛躍があったこと痴漢行為時の被告人の体勢に関する供述が被害女性の憶測に基づいてなされた可能性があること犯行内容に関わる重要な事実について被害女性が一貫した供述をしていないかった等の点を挙げることが出来ます。

他方で、裁判所は、被告人の供述は逮捕当初から一貫して犯行を否認しており供述内容にも特に不自然・不合理な点はないと裁判所は判断しました。

以上を踏まえて、裁判所は、犯人が被告人であるということを証明することができないため、被告人は無罪であるという判決を下しました。

このように、供述の信用性が問題になる場合には、供述内容自体に不自然・不合理な点がないか、供述が捜査過程から一貫しているか、争いのない事実や客観的証拠によって立証される事実と供述内容を比較した際に、両者に整合性があるかという点が信用性判断のポイントになるでしょう。

刑事事件の解決のために

やってもいない痴漢を疑われて警察の捜査を受けてお困りの方は、刑事弁護の経験が豊富な弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士から取調べなどの警察の捜査に関してアドバイスを貰うことで、捜査過程において一貫した供述をしておくことが期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、痴漢の否認事件をはじめとした刑事事件に精通した弁護士が在籍しております。

痴漢冤罪でお困りの方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
痴漢の疑いで警察に逮捕されたご家族様をいち早く釈放させてあげたいとお考えになっている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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