【事例解説】高校生が電車内の痴漢でトラブルに②
高校生が電車内の痴漢でトラブルになった事例について2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の高校に通うAさんは通学中の電車内で、別の高校に通う女子高校生Bさんに「痴漢しましたよね」と腕をつかまれ、その後に停車した駅で降ろされました。
全く身に覚えのないAさんは、やっていないことを主張してその場から去ろうとしましたが、駅員室に連れていかれ、そのまま警察に引き渡されることになりました。
(フィクションです)
【不同意わいせつ罪で逮捕された場合の弁護活動】
今回の事例においては、まず早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
またこれらの身柄解放活動の後は、2通りの弁護活動が考えられます。
①痴漢の事実を認める場合
痴漢の事実を認める場合は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、少年審判が開始されない可能性や少年審判を経ても比較的軽微な処分を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され少年審判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、軽微な処分の獲得を目指します。
②痴漢の事実を認めない場合
痴漢の事実を認めない場合は、弁護士との打ち合わせを通じて、最大限の防御活動を展開します。
具体的には、自白調書を作られないように取り調べへのアドバイスを行い、さらに嫌疑不十分での少年審判の回避を目指します。
また、少年審判に付された場合であっても、証拠調べや証人への反対尋問等を請求し、不処分決定の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。