【刑事手続解説】3度目の痴漢事件を起こし逮捕(前編)
今回は、3度目に起こしてしまった痴漢事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aさんは名古屋市内の電車に乗車中、目の前の女性Vの臀部を着衣越しに触った疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんには2つ、痴漢の前科があります。
1つ目は起訴猶予処分、2つ目は罰金刑を受けて解決しています。
警察署では、「犯行時のスリルが忘れられなかった」などと供述しています。
Aさんの親は、Aさんの逮捕を知り、今回も何とかしたいと考えています。
どうすればよいのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
Aさんの今後について
警察段階での手続
警察署に引致された後、犯罪事実の要旨、弁護人選任権について説明を受け、弁解を尋ねられます。
写真撮影などもこのタイミングで行われます。
取調べでは、ケースの犯行に至った動機、経緯などについて、詳しく尋ねられます。
また、Aさんが供述した内容が調書としてまとめられることになるでしょう。
Aさんを留置する必要がある場合は、逮捕時から48時間以内に、Aさんを検察へ送致しなければなりません。
検察段階
送致され、検察庁に到着した後は、検察官の取調べを受けることになります。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決定しなければなりません。
勾留請求をされた場合
勾留請求をされると、「勾留質問」のため、裁判所に連れて行かれます。
勾留質問は、裁判官が、Aさんを勾留するかどうかを判断するために行われる手続です。
法廷におけるような、特別な雰囲気の中で行われるわけではありませんので、勾留質問を受けたことや、裁判官に会ったということを知らずに過ごしてしまうこともあるかもしれません。
勾留決定がなされた場合
勾留決定が出ると、10日間留置場や拘置所に入らなければなりません。
さらにやむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されます。
※勾留請求をされなかった場合や、勾留決定が出なかった場合
この場合は釈放され、在宅事件として事件が進行することになります。
警察や検察からの呼び出しに応じ、取調べを受けることになります。