【刑事手続解説】3度目の痴漢事件を起こし逮捕(後編)
今回は、3度目に起こしてしまった痴漢事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aさんは名古屋市内の電車に乗車中、目の前の女性Vの臀部を着衣越しに触った疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんには2つ、痴漢の前科があります。
1つ目は起訴猶予処分、2つ目は罰金刑を受けて解決しています。
警察署では、「犯行時のスリルが忘れられなかった」などと供述しています。
Aさんの親は、Aさんの逮捕を知り、今回も何とかしたいと考えています。
どうすればよいのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
起訴、不起訴を決める
検察官は勾留の満期日までに、Aさんを裁判にかけるか否かを決めなければなりません。
勾留された状態で起訴された場合は、自動的に起訴後勾留に移行します。
特に処分を決めずにAさんを釈放し、在宅事件に移行する場合もあります。
逮捕・勾留された事件であっても、在宅事件であっても、最終的に起訴・不起訴処分がなされることに変わりはありません。
起訴後について
3回目の痴漢事件となれば、起訴猶予処分の獲得は難しいかもしれません。
さらに、Aさんには同種前科で罰金刑を受けていることから、懲役刑の実刑判決を受ける可能性もありえます。
早期に弁護活動を開始し、執行猶予付き判決の獲得に向けて行動する必要があります。
被害者との示談
被害者と示談ができれば、有罪判決を受ける場合においても有利な処分が期待できます。
精神科などで治療を受ける
Aさんが度々痴漢を繰り返す原因には、医学や心理学などによって説明されるべき、根深いものがあるように思われます。
精神科などで治療を受けることにより、再犯防止に努めていることを裁判官にアピールすることができます。
ただし、勾留された状態でこのような専門的治療を受けることはできないでしょう。
したがって、身柄解放を事前に実現することが重要です。
弁護士に、釈放・保釈に向けた活動を依頼しましょう。