【事例解説】路上での痴漢の疑いで逮捕(前編)
今回は、痴漢の疑いで逮捕された被疑者が解放されるタイミングについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aさんは、名古屋市内の繁華街において、酒に酔った勢いで通行人のVさんの臀部を触った疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
留置場の中でAさんは、事件を起こしてしまったことを非常に後悔していますが、家庭や職場のこともあり、一刻も早く社会復帰できればと考えています。
Aさんはいつ外へ出られるのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
愛知県内で痴漢事件を起こした場合
愛知県内の繁華街(路上)において女性の臀部に触れる行為は、愛知県迷惑行為防止条例に違反する可能性が高いと考えられます。
愛知県迷惑行為防止条例
(卑わいな行為の禁止)
第2条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は、人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物の上から触れること
四 前各号に掲げるもののほか、人に対し、卑猥な言動をすること
第15条 第2条の2の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2項 常習として前項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
とされています。
Aさんはいつ外に出られるのか
Aさんは現行犯逮捕された後、留置されているため、当然ながら自由に外へ出ることはできません。
ケースの場合は、逮捕時から48時間以内にAさんの身柄が検察へ送致され、検察官の取調べを受けることになります。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんについて「勾留請求」をするか、Aさんを釈放するかを判断しなければなりません。
勾留請求がなされた場合は、裁判官が勾留の可否を判断します。
裁判官が勾留の要件を満たしていると判断すれば、10日間勾留されることになります。
また、やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間、勾留が延長されることになります。