【事例解説】公務員の痴漢事件➁

2025-07-02

前回に引き続き、地方公務員として勤務する者が通勤中に痴漢事件を起こしてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

満員電車

事例

Aさんは地方公務員として勤務している男性です。
Aさんは、普段から職場まで電車で通勤していますが、朝の混雑する電車内で女性客と身体が密着することが多く、この状況であれば触ってもバレないのではないかと考えるようになりました。
ある日、Aさんはいつもと同じように電車で通勤中、電車内で女性Vさんと密着した際、今なら触ってもバレないだろうと考えて、Vさんの臀部を着衣越しに手で触る痴漢行為を行ってしまいました
VさんはすぐにAさんの行為に気が付いたため、Aさんの手を掴みながら痴漢行為を咎めました
その後、Aさんは駆け付けた駅員によって110番通報されることとなり、警察官に任意同行を求められて警察署で取調べを受けることになってしまいました
(事例はフィクションです。)

各都道府県の迷惑行為防止条例について

各都道府県において、それぞれ個別に制定されているのものですが、基本的にな部分は同じと言えるでしょう。
ここでは愛知県が制定している条例を見てみましょう

愛知県迷惑行為防止条例
(卑わいな行為の禁止)
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は、人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物の上から触れること
四 前各号に掲げるもののほか、人に対し、卑猥な言動をすること
(愛知県迷惑行為防止条例第2条の2) 
第2条の2の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2項  常習として前項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
と制定されています。
(愛知県迷惑行為防止条例第15条)
  
愛知県迷惑行為防止条例で有罪判決となった場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとされ、さらに常習として前項の違反行為をした場合、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処するとされています。

※2025年6月1日から懲役と禁錮は、拘禁刑として施行されています。

不同意わいせつ罪について

事例の行為が条例ではなく、不同意わいせつ罪となってしまうと、6ヵ月以上10年以下の拘禁刑に処するとされています。
刑法176条

不同意わいせつ罪では、13歳未満の被害者に対して、わいせつ行為を行うと、同意があっても不同意わいせつ罪が成立することになります。
さらに、被害者が13歳以上16歳未満の場合は、わいせつ行為をした者が5歳以上年長の場合に限り、不同意わいせつ罪が成立することになります。

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