痴漢・わいせつ事件で前科を避けたい
1 ちかんで懲役、罰金.... 前科がつく?
痴漢(ちかん)行為は、不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)(刑法176条)や 各都道府県の迷惑防止条例違反となる犯罪です。 両者の違いは、痴漢の手段、内容等による違いです。 一般的に、衣服の上からお尻などを触ったという場合には、迷惑防止条例違反として捜査されることが多いと思われます。 不同意わいせつ罪(刑法176条)の刑罰は、6月以上10年以下の懲役です。 刑罰に、罰金は規定されていません。 したがって、検察官に起訴された場合、無罪あるいは執行猶予にならない限り、刑務所に入ることとなります。 また、懲役刑が確定すると、原則として前科がつきます。迷惑防止条例違反の痴漢についても刑罰があります。 各都道府県の定める条例による法定刑の差はありますが、おおむね6月~2年以下の懲役又は50万円~100万円以下の罰金 が刑罰として定められています。 罰金でも、前科がつきます。 例えば、愛知県の場合には、 愛知県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(迷惑防止条例) において、 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(15条1項)の刑罰が定められています。 また、常習の場合 2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(15条2項)と刑罰が定められています。ここで、「前科」とは、法律上の明確な定義はありません。 しかし、一般に有罪判決が言い渡された事実のことを指します。 したがって、痴漢事件でも、懲役刑や罰金刑等が言い渡されることで前科がつきます。
2 前科がつくと
前科は、検察庁で「前科・前歴」の犯罪歴として管理されるとともに、各市区町村の「犯罪人名簿」に記載されます。 前科がつくと、 ① 公務員や医者、会社役員など一定の職業に就けない ② 国家試験の受験資格がない ③ 職場で懲戒事由となる ④ 海外への渡航が制限される ⑤ 禁錮刑以上の前科だと選挙権が制限されます など、様々な面で制約・デメリットを受けることとなります。
3 痴漢・わいせつ事件で前科を避けるための弁護活動
①早期の釈放を求める弁護活動
痴漢(ちかん)で逮捕されている場合には、早期の釈放を求める弁護活動をします。 逮捕されている被疑者は、外部から遮断された状況で、連日捜査官からの過酷な取調べを受けます。 これは、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。 これに対し、早期に身柄解放されると、弁護士との十分な打合せや準備もできます。
②起訴を避ける弁護活動
不起訴処分になると、前科はつきません。 また、身柄拘束されている被疑者も釈放されます。 不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)事件でも、迷惑防止条例違反の場合でも、被害者の方との示談がまとまれば、起訴される可能性が低くなります。 示談は当事者間での事件の解決ですので、痴漢の事実そのものが無くなるものではありません。 しかし、検察官は、被害者の意向をも考慮し起訴するかどうかを判断しますので、示談できている事件では、被疑者に不起訴処分をすることも多くあります。
4 痴漢・わいせつ事件で前科を避けるには、弁護士に相談・依頼することが有効
通常、痴漢(ちかん)行為の相手方を知っている被疑者は多くありません。 捜査機関が、被疑者に対して、被害者の情報を教えてくれることもありません。 しかし、弁護士が捜査機関に働きかけることで、捜査機関は、被害者の意向も確認したうえ、被害者の方に取り次いでくれることも多いです。 弁護士が代理人として被害者の方と示談交渉を行い、円満な解決を目指します。 刑事事件、特に性犯罪に関する事件においては、警察・検察などの捜査機関は、被害者の方の意向を考慮します。 刑事事件として起訴する場合、警察や検察官は、被害者の方に事件のことを詳しく確認しなければなりませんし、裁判所で事件について被害者の方が証言する必要もあり得るためです。 弁護士を通じて、当事者間で示談をすることは、被疑者にとって前科をつけない有効な方法となります。 また、被害者の方にとっても、何度も事件のことを思い出すことを避け、裁判所の判決では解決できない部分を示談の中で取り入れることで、迅速に確実な賠償を受けることにもなります。 弁護士法人 あいち刑事事件法律事務所 では、痴漢・強制わいせつ事件の捜査弁護も数多く手がけてきました。 所属弁護士は、痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士です。 痴漢・不同意わいせつ(旧 強制わいせつ)事件で前科を避けたい場合には、逮捕直後のご相談、早期の弁護のご依頼をしてください。 すぐに 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)までお問い合わせください。