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【事例解説】ライブハウス内での痴漢で大学生が逮捕 

2024-07-15

ライブハウス内での痴漢で大学生が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

ライブハウス

【事例】

大阪市内の大学に通うAさん(21歳男性)は、友人と参加したライブハウス内での、ライブ中にステージ前に人が密集するのをいいことに、近くにいた女性Vさんの臀部や胸を触りました
その後、Aさんらがステージ前の密集から抜け出したところ、Vさんから「さっき触りましたよね」と言われ、その後現場に駆け付けた警官によって逮捕されました。
その翌日になっても、Aさんが戻らないことを心配したAさんの両親は、警察に相談したところ、Aさんが被疑者として逮捕されていることがわかりました
そこでAさんの両親は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)

【痴漢をした場合は何罪に?】

痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも事件化した場合、不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。

【痴漢で前科が付くことを回避するには】

今回の事例では、弁護士が初回接見に行っています。
この初回接見では、具体的には、弁護士が取り調べについてのアドバイスを行います。
逮捕中には、捜査機関から取り調べをうけ、その内容が供述調書というかたちでまとめられ、それが裁判の証拠となります。
もしも自身に不利な供述調書が作成された場合、裁判で覆すことは非常に困難といえます。それゆえにそのような供述調書が作成されないように、取り調べに対してどのように対応するかを考えておく必要があります。
もっとも、どのような供述をすればよいかの判断を、法律の専門家でない方が行うことは非常に困難であるため、初回接見を利用することで弁護士からアドバイスをもらうことが得策です。
また、初回接見後に正式に弁護人として選任された場合、まずは早期の身体解放を目指します。逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこで、これを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また、その後は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指し、職を追われるリスクを少しでも軽減できるように努めます。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください

【まずは弁護士に相談を】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含む豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
なるべく早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

【事例解説】高校生が電車内の痴漢でトラブルに②

2024-06-22

高校生が電車内の痴漢でトラブルになった事例について2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

【事例】

愛知県内の高校に通うAさんは通学中の電車内で、別の高校に通う女子高校生Bさんに「痴漢しましたよね」と腕をつかまれ、その後に停車した駅で降ろされました

全く身に覚えのないAさんは、やっていないことを主張してその場から去ろうとしましたが、駅員室に連れていかれ、そのまま警察に引き渡されることになりました。
(フィクションです)

【不同意わいせつ罪で逮捕された場合の弁護活動】

今回の事例においては、まず早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
またこれらの身柄解放活動の後は、2通りの弁護活動が考えられます。

①痴漢の事実を認める場合
痴漢の事実を認める場合は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、少年審判が開始されない可能性や少年審判を経ても比較的軽微な処分を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され少年審判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、軽微な処分の獲得を目指します。

②痴漢の事実を認めない場合
痴漢の事実を認めない場合は、弁護士との打ち合わせを通じて、最大限の防御活動を展開します。
具体的には、自白調書を作られないように取り調べへのアドバイスを行い、さらに嫌疑不十分での少年審判の回避を目指します。
また、少年審判に付された場合であっても、証拠調べや証人への反対尋問等を請求し、不処分決定の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
痴漢の疑いで捜査を受けている方、ご家族が逮捕されてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】医師が電車内で痴漢をしたとして逮捕(前編)

2024-06-01

医師が電車内で痴漢をしたとして逮捕された事例について前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

痴漢される女性

【事例】

愛知県内の病院に医師として勤務するAさんは通勤途中の電車内で、10代の女性に「痴漢をしましたよね」と腕をつかまれ電車を降ろされました。
しかし、Aさんには痴漢をした覚えはなかったため、痴漢はしていないと否定してその場から逃走しました。
後日防犯カメラの映像からAさんが特定され、後日逮捕されてしまいました。

Aさんが逮捕されて困惑したAさんの妻は、状況を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。

【痴漢をした場合は何罪に?】

電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも事件化した場合、不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。

【医師免許を持つ者に前科が付いてしまうと】

医師免許等について定める医師法の第7条1項3号および第4条3号は、「罰金以上の刑に処せられた者」について、厚生労働大臣が医師免許の取消しをすることができる旨を定めています。
これは「することができる」と定められていることから、罰金以上の前科が付いた場合でも、医師免許の取消しがなされない可能性もあります
しかし、医師免許を失う可能性も否定できないため、できる限りの予防策を講ずるべきであるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで捜査を受けている方、逮捕されてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
無料法律相談のご予約、初回接見の依頼は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。

【事例解説】女子高校生に対する痴漢で後日逮捕 

2024-05-11

女子高校生に対する痴漢で後日逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

事例

会社員のAさんは、通勤時の混雑した電車内で前に立っていた女子高校生のスカート内に手を入れて下着の上から臀部に触れたりふとももに直接触れたりしました。
被害者の女子高校生が恐怖のあまり声を上げることができなかったこともあり、その場では周りの乗客などに気付かれることなく、目的の駅で電車を降りたAさんは通常どおり会社に出勤しました。 
しかし、電車を降りた後に被害者の女子高校生が駅員に相談し、駅員の通報により駆け付けた警察にも相談し被害届を提出するに至りました。
被害者の女子高校生が覚えていた被疑者の人相や着衣、電車内の防犯カメラの映像をもとにした捜査の結果、Aさんが特定され、後日Aさんは不同意わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。 
夫のAさんが逮捕された妻は、事件の詳細を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(5月8日ヤフーニュース掲載のRKBオンラインの記事を参考にしたフィクションです。)

痴漢事件での後日逮捕 

痴漢というと現行犯逮捕のイメージが強いかもしれませんが、後日逮捕に至る可能性も十分あり得る犯罪になります。
最近では、電車内に防犯カメラが設置されている車両が多くなってきています。 
電車内の防犯カメラに、被疑者の犯行の様子が写っており、被疑者の顔や着衣の特徴が被害者の目撃証言と一致するなど被疑者が特定できる場合は、後日逮捕される可能性が十分考えられます。 

痴漢で逮捕されると 

痴漢による不同意わいせつ罪で逮捕されると、警察官から被疑事実につき取調べを受けることになります。 
そして、さらに留置の必要があると判断されると身体を拘束された時から48時間以内に検察官に事件が送致されることになります。
そこで、検察官からも取調べを受けて、そこでもさらに引き続き留置の必要性があると判断されると被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判所に勾留請求がされます。 
最終的に、裁判官が勾留を認めると10日間の勾留が決定され、留置場での身体拘束が続くことになります。
警察官や検察官での取調べで、精神的な負担や辛さから、やってもいないことまでやったと言わされてしまうと供述調書という形になり、後々の裁判で不利な証拠となってしまう可能性もあります。
このようなことは絶対に避けなければ行けませんので、逮捕されたできるだけ早いタイミングで、弁護士に接見に来てもらい取調べの対応についてアドバイスを受けることが重要です。
また、不起訴や処分の軽減を目指す上で重要になる被害者との示談身体拘束からの解放に向けた活動も同時並行で行っていくことで、社会生活上の負担を最小限にすることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめ年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
ご相談のご予約はフリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。

【報道解説】電車内で女子高生の体を触った疑いで逮捕された事例

2024-03-23

電車内で15分間にわたり女子高生の体を触った疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

痴漢される女性

【事例】

電車内で15分間にわたり女子高校生の身体を触るなどした疑いで、45歳の男が逮捕された。
男は朝の通学・通勤時間帯に、電車内で女子高校生(10代)の下半身を触るなどのわいせつな行為をした疑いが持たれていて、約15分間にわたって犯行に及んでいたといいます。
男は調べに対し、黙秘しているとのことです。

また男は、前にも別件で、別の女性を触ったとして現行犯逮捕されていて、警察は朝の混雑した電車を狙って同様の犯行を繰り返していたとみて、余罪を調べてます。
(参照事例https://news.yahoo.co.jp/articles/a11d7c2cf79ca78507228d140706b8c0f33ba76f)

 

【痴漢には何罪が成立するのか】

痴漢行為は、被害者の尊厳を侵害し、社会的な不安を引き起こすため、法的に厳しく取り締まられています。
この取締に関しては、行為態様によって3パターンの犯罪が成立する可能性があります。

1つ目は、迷惑行為防止条例です。
この条例は、公共の場での不適切な行為を防ぐ目的で各都道府県ごとに制定されています。痴漢行為もその対象となり、服の上から体に軽く触れた等の比較的軽微な痴漢行為は、この条例によって処罰されることが多いです。
この条例によって科される刑罰も都道府県ごとに異なり、例えば、「愛知県迷惑防止防止条例」に違反して痴漢行為をした場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となり(愛知県迷惑防止条例 第15条1項)、常習として繰り返し違反行為をした場合には、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」となります(第15条2項)。
他方、「岐阜県迷惑防止条例」に違反して痴漢行為をした場合は、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(岐阜県迷惑防止条例 第13条1項1号)となり、「常習」として繰り返し違反行為をした場合には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります(第13条8項)。

2つ目は、刑法第176条(出典/e-GOV法令検索)に定められる不同意わいせつ罪です。
衣服やスカートの中に手を入れて直接体を触るなど、軽微とはいえないような痴漢の場合は、迷惑行為防止条例違反ではなく刑法に定められている「不同意わいせつ」で処罰される可能性があります。
刑法176条は刑罰として、「六月以上十年以下の拘禁刑(改正刑法施行までは「懲役刑)」が定められています。

3つ目は、刑法177条(出典/e-GOV法令検索)に定められている不同意性交等罪です。 
不同意性交等罪では、膣若しくは肛門に身体の一部を挿入する行為も処罰の対象となっています。
そのため、痴漢行為といえども膣若しくは肛門に指を挿入したような事案の場合には不同意性交等罪が成立する可能性があります。 
不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑(改正刑法施行までは「懲役刑」)」となっいます。

行為態様によって成立する犯罪が変わり、法定刑も後に記載するにつれ重くなっていきます。
そのため、何罪の疑いで捜査が進められていくかは被疑者にとって重要になってきます。

【痴漢行為で逮捕されてしまったら】

痴漢行為で逮捕されてしまったらすぐに弁護士に接見に来てもらい、取調べの対応方法などのアドバイスをもらうことが重要です。
また弁護士が事件に関与することで、逮捕・勾留による長期間の身体拘束を回避するための手続きを講じ、早期の釈放を実現できる可能性が高まります。
加えて、今回の事例のような痴漢事件では、被害者方との示談を締結することが処分軽減の点で肝要になります。示談交渉を円滑に進め、不起訴もしくはより軽微な処分の獲得を目指すためにも、いち早く弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめ年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件を中心に扱う法律事務所です。

ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】商業施設での痴漢行為 不同意わいせつの疑いで逮捕 

2024-03-09

商業施設での痴漢行為で不同意わいせつの疑いにより逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

路上痴漢

事例 

A(30代・会社員)さんは、買い物のため商業施設にいたところ、親とはぐれてしまった小学生くらいの女児Vを見つけました。 
Aさんは女児Vに近づき一緒にお母さんを見つけようと言って、人が少ないところに連れ込み、体を触るなどのわいせつな行為をしました。
女児Vが泣き出したため、周りに気付かれると思ったAさんはあわててその場を後にしました
最終的に母親と合流できた女児Vさんは、母親にはぐれていたときにあった出来事を説明しました。
女児Vから知らない男に体を触られたと聞いた母親は警察に相談し被害届を提出しました。
警察の捜査で、商業施設の防犯カメラの映像からAさんが特定され、Aさんは不同意わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。 

小学生女児に対するわいせつ行為

未成年に対するわいせつの場合、年齢により不同意わいせつ罪が成立する用件が異なるため注意が必要です。(刑法176条1項から3項/出典e-GOV法令検索)

16歳以上の者が被害者に当たる場合に、不同意わいせつ罪が成立するのは暴行・脅迫を含む8パターンの行為又は事由によって、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつな行為をしたといえる場合です。 

被害者が13歳以上16歳未満の者であれば、わいせつをした者が5歳以上年長であれば同意の有無に関わりなく不同意わいせつ罪が成立します。 

被害者が13歳未満の者になると、同意の有無に関わりなくわいせつ行為があった場合には不同意わいせつ罪が成立することになります。

もっとも、被害者の同意があり、かつ年齢が13歳以上16歳未満の者である場合には、わいせつ行為をした者が5歳以上年長であったとしても被害者が16歳未満の者である認識が犯罪の成立に必要になります。 
この認識は、未必的な認識で足りるため「もしかしたら16歳未満かもしれない」という認識があった場合には故意が認められてしまいますが、確定的に16歳以上だと認識して同意の上でわいせつ行為を行っていた場合は故意が認められず、不同意わいせつは成立しません。

小学生女児へのわいせつ行為が発覚したら 

小学生女児へのわいせつ行為が発覚した場合、逮捕されてしまうことも十分に考えられます。 
もし、逮捕されてしまったらすぐに弁護士に接見に来てもらい、取調べの対応方法などのアドバイスをもらうことが重要です。 
16歳以上だと認識していた場合など、実際の年齢と認識が異なる場合は取調べへの対応が重要になりますので弁護士の必要性はより一層高まると考えられます。 
また、16歳未満という認識があり、わいせつ行為についても認めている場合は処分の軽減を図る上で未成年の被害者の親との示談が重要になります。

もし、小学生女児へのわいせつ行為が発覚した場合は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
痴漢の被害者の方と示談をしたいとお考えになっている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】痴漢事件において不同意性交の疑いで男が逮捕②

2023-09-15

痴漢事件で不同意性交の疑いで男が逮捕された事例を参考に、痴漢行為に不同意性交が成立する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

通勤のため満員電車に乗っていたAさんは、前に立っている女性のスカート内に手を入れ陰部に指を入れる痴漢行為をしてしまいました。被害を受けた女性が声を上げたことで、近くの乗客にAさんは取り押さえられました。
次の駅でAさんは電車から降ろされ、通報により駆けつけた警察官に不同意性交の疑いで逮捕されてしまいました。

不同意性交等罪が成立する場合について

不同意性交等罪の成立要件は、以下の①から⑧の行為又は事由によって、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものをすることです。
暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること
睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

痴漢行為に不同意性交等罪が成立する場合

性交だけでなく、膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為についても不同意性交等罪が成立する可能性のある行為になります。
痴漢という行為の態様として、被害者にとっては、いきなりわいせつな行為を受けるものであるため、同意しない意思を形成するいとまがなかった予想と異なる事態に直面して恐怖したなどとして上記事由のうち⑤や⑥に当たる可能性もあります。
前回の記事で解説したように、強制性交等罪で有罪判決になると、5年以上の有期懲役刑という重い刑が科される可能性があります。
もし、警察官や検察官から、あらぬ疑いをかけられ強制性交等罪で捜査が進行している場合は、法律の専門家である弁護士にアドバイスを受けることをオススメします。

痴漢事件に強い弁護士 
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、痴漢事件で不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
痴漢行為による不同意性交等罪でご家族やご友人が事件を起こし逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事例解説】12歳の中学生による痴漢事件

2023-08-21

12歳の中学1年生が電車内で痴漢をした事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

12歳の中学1年生のAさんは、通学途中の電車内で隣に同級生のVさんが立っていることに気が付きました。
Aさんは、以前からVさんに対して好意を持っていたことから混雑した車内の状況を利用して手の甲でVさんのお尻を制服の上から触りました。
AさんとVさんは、同じ電車を利用していたことから、AさんはVさんに対する痴漢行為を定期的に繰り返していました。
ある日、AさんがVさんに痴漢行為をしたところVさんに手を掴まれて「痴漢したよね」と言われて、次の停車駅で一緒に下車しました。
Vさんが駅のホームで駅員に事情を話したところ、駅員が警察に通報して現場に警察官が駆けつけました。
(この事例はフィクションです)

12歳の中学生が痴漢事件を起こした場合は逮捕される?

電車の中で服の上からお尻を手で触れるといった痴漢行為をした場合、そのような痴漢行為は各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反になる可能性が高いです。
もし大阪府の電車内で、そのような痴漢行為をしてしまった場合は、大阪府迷惑行為防止条例6条2項1号に違反して、同条例17条1項2号によって、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。

事例のAさんも、Vさんのお尻を服の上から手の甲で撫でるといった迷惑行為防止条例に違反する痴漢行為をしているのですが、刑法41条が「14歳に満たない者の行為は、罰しない。」と規定していますので、12歳のAさんは迷惑行為防止条例によって刑罰が科されることはありません。
Aさんのように14歳未満の少年が本来であれば刑罰の対象になる行為をした場合、そのような少年のことを触法少年と言います。
繰り返しになりますが、触法少年は刑法41条によって罪に問われることがありませんので、警察に逮捕されることはありません。

12歳の中学生のお子さんが痴漢事件を起こしてしまったら?

触法少年痴漢事件を起こすと逮捕されることはありませんが、痴漢事件を警察に通報された場合は、警察による調査の実施が「必要であるとき」は、触法調査と呼ばれる調査が開始される場合があります(少年法6条の2第1項)。
触法調査は、「少年の情操の保護に配慮しつつ、事案の真相を明らかにし、もって少年の健全な育成のための措置に資することを目的」として行われます(少年法6条の2第2項)。
そして、触法調査の結果、「家庭裁判所の審判に付することが適当である」と判断されると、痴漢事件が警察から児童相談所長に送致されることになります(少年法6条の6第1項2号)。
児童相談所でも調査が行われて、そこでも、「家庭裁判所の審判に付することが適当である」と認められると、痴漢事件が家庭裁判所へと送致されることになります(児童福祉法27条1項4号)。
事件の送致を受けた家庭裁判所で調査をし、触法少年の最終的な処遇を決定することになります。

このように触法少年の場合は、罪に問われることはなくても、以上のような流れで痴漢事件が処理されることもあり得ますので、12歳の中学生が痴漢事件を起こした場合は、まずは弁護士に相談して、今後についてご相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
12歳の中学生のお子さんが痴漢事件を起こしお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】電車内での痴漢行為 被害者女性が男を現行犯逮捕

2023-08-14

電車内での痴漢事件で、被害者の方が痴漢の容疑をかけられている方を現行犯逮捕したという報道について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

報道紹介

JR神戸線の電車内で隣に座っている20歳の女性わいせつな行為をしたとして大阪府藤井寺市の無職のが2日、現行犯逮捕されました。
不同意わいせつの疑いで逮捕されたのは大阪府藤井寺市に住む無職の56歳の男です。
警察によりますと男は2日午後11時40分ごろ、JR三ノ宮駅からJR元町駅の間を走行中の電車内で、隣に座っていた20歳の女性のふともも触った疑いが持たれています。
被害に遭った女性がJR須磨駅で男に声を掛け、現行犯逮捕し、110番通報を受けて駆け付けた警察官に引き渡したということです。
調べに対し男は容疑を認めているということで、警察が調べを進めています。
(2023年8月3日サンテレビで配信された報道より引用)

電車内での痴漢行為が不同意わいせつ罪に当たる場合

報道の男性は、電車内で女性の太ももを触ったとして不同意わいせつ罪の疑いで逮捕されています。
刑法176条に規定されている不同意わいせつ罪というのは、2023年7月13日から新しく規定されている罪で、これまで強制わいせつ罪、準強制わいせつ罪と呼ばれていた犯罪が改正されたものになります。

刑法176条1項では、不同意わいせつ罪が成立する場合として、大きく次の3つの要件を満たす必要があります。

(1)下記①~⑧に掲げる行為又は、①~⑧に類する行為・事由があること
(2)(1)によって同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせるか、又はその状態にあることに乗じること
(3)わいせつな行為をしたこと

そして、(1)の要件である①から⑧に掲げる行為・事由は、具体的には次の8つです。
①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
②心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

これらの(1)~(3)の要件を満たした場合には、不同意わいせつ罪として、6か月以上10年以下の拘禁刑が科される可能性があります。

なお、不同意わいせつ罪が規定されている刑法176条には、2項と3項も規定されています。
刑法176条2項では、「行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じてわいせつな行為をした」場合も、不同意わいせつ罪が成立するとしています。
刑法176条3項では、「16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした」場合も不同意わいせつ罪が成立すると規定していますが、わいせつ行為の被害者の方の年齢が13歳以上16歳未満である場合には、わいせつ行為をした人と被害者の方との年齢差が5歳以上離れている場合のみ不同意わいせつ罪による処罰の対象になります。

現行犯逮捕は警察以外にもできる?

ところで、報道を読むと、今回の痴漢事件では、痴漢の被害者の方が痴漢の容疑がある男性を現行犯逮捕していますが、この部分を読んで、逮捕は警察しかできないのではないのかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、事前に逮捕状の発付を受けて行う通常逮捕の場合には、「検察官」、「検察事務官」、「司法警察職員」のみに逮捕する権限が認められています(刑事訴訟法199条1項参照)。
ただし、今回取り上げた報道では、通常逮捕ではなく現行犯逮捕がなされています。
現行犯逮捕の場合には、通常逮捕と異なって「何人でも」逮捕することができます(刑事訴訟法213条参照)。
「何人でも」現行犯逮捕できるということは、誰でも現行犯逮捕出来るということを意味していますので、例えば、警察ではない一般の人である被害者の方はもちろん、事件を目撃していた方でも、適法に現行犯人逮捕を行うことができます。

ご家族が電車内での痴漢行為を理由に逮捕されたら

突然、ご家族が痴漢の疑いで警察に逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見によって、どのような嫌疑で逮捕されたのか、逮捕された方が罪を認めているのか、今後どのような手続きで事件が処理されるのかといったことについて知ることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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【事例紹介】電車内の痴漢で不同意わいせつ罪が適用

2023-07-24

電車内での痴漢行為で不同意わいせつ罪の疑いにより男が逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

 

事例

電車内で女性に痴漢をしたとして、大阪府警は14日、大阪市建設局職員の男(23)を不同意わいせつの疑いで逮捕し、発表した。「太ももは触っていないが、ふくらはぎは触った」と容疑を一部否認しているという。
府警によると、性犯罪の規定を見直した改正刑法の施行後、同容疑での逮捕は府内で初めて
枚方署によると、男は13日午後、大阪市から大阪府枚方市へ走る京阪電車で、2人用座席の隣に座った20代女性の太ももやふくらはぎをなでた疑いがある。男は他の乗客らに促されて次の停車駅で降り、駅員が110番通報したという。
不同意わいせつ罪は、13日施行の改正刑法で定められた。暴行・脅迫や恐怖・驚愕(きょうがく)、地位利用など8項目の要因で同意しない意思を示すのが困難な状態にさせ、わいせつな行為をした場合に成立するとされる。
府警は8項目のうち、「予想と異なる事態に起因する恐怖・驚愕(きょうがく)」によって被害者が不同意の意思を示せなかったと判断し、逮捕に踏み切ったという。不同意わいせつ罪の法定刑は6カ月以上10年以下の懲役。
大阪市は「誠に遺憾。事実関係を確認の上、厳正に対処する」とのコメントを出した。(甲斐江里子)
(7月14日に配信された朝日新聞デジタルの記事を引用しています。)

不同意わいせつ罪の成立要件

不同意わいせつ罪は刑法176条1項の場合は、次の①から⑧のいずれかを原因として、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ、あるいは相手方がそのような状態にあることに乗じて、わいせつな行為をすると成立します。
①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
②心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕(がく)させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること
⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

不同意わいせつ罪の適用について

痴漢行為の多くは、これまで各都道府県の迷惑防止条例で処罰されていました。
しかし、7月13日の改正刑法の施行により、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪が統合され不同意わいせつ罪になり、暴行・脅迫が必ずしも必要な要件ではなくなったため痴漢行為への不同意わいせつ罪の適用可能性が取り沙汰されていました。
本事件は、電車内での痴漢行為が⑥の「予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させる」ことによって同意しない意思を形成することが困難な状態にさせ、わいせつな行為をしたといえるとして逮捕されています。
このように、今後は痴漢行為について不同意わいせつ罪が適用される場面が増えてくることが予想されます。
大阪府の迷惑防止条例では、痴漢行為の法定刑は「6月以下の懲役又は50万円以下」と定められています。もっとも、不同意わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」となっており、不同意わいせつ罪と認められた場合、非常に重たい刑罰をかせられるおそれがあります。

痴漢事件に強い弁護士 
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、痴漢事件での示談成立による不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
迷惑行為防止条例違反(痴漢)や不同意わいせつ罪で自身やご家族が事件を起こし不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

 

 

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