痴漢事件で不起訴処分を目指す

2020-08-15

今回は、札幌市内を走る電車内で痴漢をしてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

Aさんは、札幌市内を走る電車内において、隣に座って睡眠していた女性Vの臀部にふれてしまいました。
乗客のWに上記行為を目撃され、次の停車駅でV、Wと共に降車することになりました。
Aさんは駅員に引き渡され、駆け付けた警察官により札幌手稲警察署へ連れて行かれてしまいました。
Aさんは取調べのあと、警察官に「少なくとも2~3日泊ってもらう」と告げられ驚いています。
これからどうなるのでしょうか。(フィクションです)

~Aさんに成立しうる犯罪~

以下、北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号を引用します。

北海道迷惑行為防止条例
第2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
ア 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
イ 衣服等で覆われている身体若しくは下着をのぞき見し、又は映像面に衣服等を透かして身体若しくは下着の映像を表示する機能を有する機器を使用して当該映像を見ること。
ウ ア及びイに掲げるもののほか、卑わいな言動をすること(次号に掲げる行為を除く。)。

Aさんの行為は、北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号アに該当する可能性が高いと思われます。
上記規定に違反し、有罪判決が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(北海道迷惑行為防止条例第11条1項)。

~Aさんはどうするべきか?~

一刻も早く弁護士を依頼し、接見を受け、弁護活動を依頼しましょう。
ケースの警察官は、「少なくとも2~3日泊ってもらう」と告げていますが、これに加えて「勾留」されると、捜査段階で最長23日もの間、留置場や拘置所に入らなければならなくなります。
その間は、当然、勤務先に出勤することはできませんし、学生であれば、登校することができません。
無断欠勤が続くとクビになる可能性が飛躍的に高まります。
学校を無断欠席する場合においても、留年するなどの不利益を被る場合があります。
長期間、社会から隔絶された場所で身体拘束を受け続けること自体、相当の負担がかかります。
そのため、身柄事件の初期においては、一刻も早く外に出る必要があります。

逮捕されても、勾留されなければ、1日~3日程度で外に出られます。
1日~3日程度、無断欠勤・欠席をすることにはなってしまいますが、何日も出勤・出席できないよりは事態として良いということができるでしょう。
そのため、逮捕直後においては、勾留を阻止する活動が重要といえます。

~身柄解放を実現した後~

よく勘違いされる方がおられますが、釈放されたからといって、無罪放免とされたわけではありません。
釈放後も、在宅事件として捜査は続きます。
 
釈放された後は何を目指せば良いのでしょうか。
それは、「不起訴処分」の獲得です。
検察官は、捜査の最終段階において、Aさんを起訴するか、不起訴にするかを決める裁量を有しています。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることはありませんので、絶対に前科が付くことはありません。
無罪とは異なりますが、Aさんが刑を受けなくてもよい、という点は同じです。
ケースのAさんが初犯であれば、Vと示談することにより、不起訴処分を獲得できる可能性が見込めます。
示談交渉を弁護士に依頼し、より有利な条件で、かつ、法律的に意味のある示談の成立を目指しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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