痴漢の否認
痴漢の否認について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ 事例 ~
横浜市栄区に住む会社員のAさん(35歳)は勤務先の最寄り駅に向かう満員電車内において、前に立っていた女子高生Vさんの臀部付近をスカートの上から触りました。Aさんは、駅で降りるとVさんに呼び止められ、「さっき触りましたよね?」「痴漢しましたよね?」と言われました。辺りが騒然となったことから、Aさんは、駆け付けた駅員に事情を聴かれることになりました。その後、神奈川県栄警察署の警察官も駆け付け事情を聴かれました。Aさんは警察官に対し「故意に触っていない」「電車が揺れたのでたまたま当たっただけだ」などと言ったところ、神奈川県迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。逮捕の連絡を受けたAさんの妻が弁護士にAさんとの接見を依頼しました。(フィクションです。)
~ 痴漢行為に当たる罪とは?罰則は? ~
いわゆる痴漢行為を疑われた場合は、各都道府県が定めている迷惑行為防止条例(以下、条例)の「卑わいな行為の禁止」の罪に当たるかと思います。概ね、どの都道府県でも「公共の場所」あるいは「公共の乗物」において「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法」で「他人の身体に触れ、又は衣服の上から触れる」行為を禁止しています。罰則も、通常は、「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習の場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いかと思います。
~ 否認すると逮捕される?Aさんの今後は? ~
Aさんは神奈川県迷惑行為防止条例違反で逮捕されています。逮捕は「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」があると認められる場合にできるものです。ところで、Aさんは痴漢行為の故意を否認しています。通常、犯罪事実を否認すると「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」が高いと判断され、逮捕される可能性は高くなると考えた方がいいでしょう。
ここで、本当に「冤罪だ!」とお考えになる場合は、絶対に痴漢行為を認めてはいけません。警察官は「認めれば釈放されるぞ」「早く家へ帰れるぞ」などと甘い言葉をかけて痴漢行為を認めさせようとします。しかし、身柄拘束という大変な状況に置かれていることは分かりますが、ここで痴漢行為を認めてしまうと後でその供述を覆すことに大変な時間と労力を要します。絶対に認めてはいけません。
他方で、「いきなり逮捕されてしまってとっさに否認してしまった」「本当は認めたいんだけど、どうすればいいか分からない」という方もおられるかと思います。そんなときは、以下でご紹介する接見等で弁護士にご相談いただければと思います。
~ 逮捕された後は? ~
警察官の下で釈放するかしないか判断され、釈放されない場合は、逮捕時から48時間以内に検察官のもとに送致されます。そして、今度は、検察官のもとで釈放するかしないか判断され、釈放されない場合は、送致されたときから24時間以内に勾留請求の手続が取られます。勾留請求されたら、今度は、裁判官の下で、釈放するかしないか判断されます。釈放されない場合は「勾留状」という令状が発布され、その令状に基づき勾留されます。最初の勾留期間は10日間で、その後「やむを得ない事由」がある場合は最長10日間期間が延長されます。
~ 弁護人による初回接見 ~
逮捕直後は,弁護人以外の者(ご家族等)との接見は法的には認められていません。しかし、弁護士であれば,曜日,時間に関係なく,立会人なしに,無制限に接見できます。
弁護士との接見では,逮捕された方から何をしたのか,容疑を認めるのか,認めないのかなど十分にお聴き取りをした上で,今後の見通しや容疑,認否に応じたアドバイスをさせていただくことができます。特に、Aさんのように痴漢行為を認めない場合、認めるかどうかあやふやな場合は弁護人からアドバイスを受けることが非常に重要です。弁護人の接見後は,ご家族様など接見を依頼された方に接見で得た内容をご報告させていただきますのでご安心ください。接見前に,ご家族様からご伝言をお預かりすることもできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。痴漢事件をはじめその他の刑事事件、少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。