痴漢事件で誤認逮捕

2019-11-30

痴漢事件で誤認逮捕

痴漢事件誤認逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ ケース ~

埼玉県羽生市に住むAさんは、満員電車内で、突然、Vさんから「この人痴漢です」と言われ腕を捕まれました。
Aさんは全く身に覚えがありませんでしたが連行された駅室で駅員などから追及されました。また、その後、Aさんは通報を受け駆け付けた埼玉県羽生警察署の警察官にも「痴漢をやってない。」と否認しましたが、「被害者があなたから触られたと言っている。」などと言われ、埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。
逮捕の通知を受けたAさんの母親は、痴漢事件に精通している弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ 痴漢はどんな罪に当たるの?罰則は? ~

痴漢行為は、通常、各都道府県が定める迷惑防止条例(名称は、各都道府県により異なる)により規制されています。

たとえば、埼玉県迷惑行為防止条例5条4項には次の規定が設けられています。

 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

これが痴漢規制の規定です。

罰則は、通常は

6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(条例12条2項1号)

ですが、常習性が認められる場合は

1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(条例12条4項)

です。

~ 痴漢事件では被害者の供述が重要視される ~

痴漢事件では被害者の供述が重要視されます。
その理由の一つに、

痴漢事件では客観(物的)証拠が乏しい

ということが挙げられます。
客観証拠とは、その名のとおり、主観(先入観、偏見など)が排除された証拠、つまり、純粋に事実のみを映し出した証拠のことをいいます。たとえば、防犯ビデオカメラ映像などがその代表格です。
しかし、痴漢行為の場所として多い電車内には防犯ビデオカメラが設置されているわけではありません。また、被害者や目撃者が痴漢行為を予想してスマートフォンなどのカメラ録画機能を作動しているわけでもありません。これからすると、痴漢事件は客観証拠に乏しい事件といえます。
そうすると、痴漢行為を立証するためには、捜査機関はどうしても被害者、目撃者の供述などの主観(供述)証拠に頼らざるをえません。

しかし、主観証拠は、先入観、偏見、誤導・誘導、あるいはときの経過によって虚偽が含まれている可能性があります。そして、虚偽供述が含まれているにも関わらず、主観証拠に基づいて事実認定すると冤罪を生み出すおそれもあるのです。痴漢事件冤罪が比較的多いのはこのためです。

したがって、被害者供述は、

・他の客観的証拠と整合するのか、矛盾するのか
・供述に至る経緯は合理的か、取調べ官による誘導や威迫はされなかったか
・供述内容は一貫しているか、合理性を疑われる部分はないのか、変遷しているか、また、変遷は合理的に説明できるのか
・虚偽供述の動機のあるか

などの観点から虚偽供述が含まれていないかどうか慎重に見極める必要があります。

~ もし、誤認逮捕されたら? ~

誤認逮捕は、簡単にいえば、白であることが明らかである人を、犯罪の関わった疑いがあるとして逮捕すること、をいいます。
本来逮捕される理由はありませんから、誤認逮捕された場合は直ちに釈放に向けて動き出す必要があります。
誤認逮捕でお困りの方は、弊所までご連絡ください。

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