【事例解説】電車内での同性に対する痴漢事件
電車内での同性に対する痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
会社員である男性のAさんは、通勤のために利用している電車内でスーツ姿の男性のVさんを見つけて、混雑している社内の状況を利用して、Vさんに痴漢行為をしました。
Vさんは痴漢されていることに気がついて、痴漢行為をしているAさんの手を掴んで、そのままAさんと一緒にそのまま次の停車駅のホームに降りました。
Vさんは駅員に事情を説明して、Aさんは駅員からの通報によって駆け付けた警察官に署まで連れていかれることになりました。
Aさんは素直に痴漢行為を認めたことで、逮捕されることはなく、その日の夜に自宅に帰ることができました。
Aさんは、被害者の方との示談交渉のために、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
同性に対する痴漢事件
事例のAさんは自身と同性の男性に対する痴漢行為を行っていますが、具体的にどのような痴漢行為をしたのかによって、問われる罪が異なってきます。
AさんがVさんのスーツ越しに軽く手でお尻を触ったという痴漢行為であれば、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反に該当する可能性が高いですし、また、AさんがVさんのスラックスのチャックを降ろして、Vさんの性器を直接手で触った、揉んだという痴漢行為の場合には、刑法176条が定める不同意わいせつ罪に問われる可能性があります。
迷惑行為防止条例違反の場合の法定刑については、東京都の場合は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっていて(東京都迷惑行為防止条例違反8条1項2号)、不同意わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の懲役刑(改正法施行後は「拘禁刑」)となっています。
痴漢の被害者の方との示談交渉をお考えの方は
事例のAさんは警察に連れていかれた後、逮捕されることなく自宅に帰ることができていますが、だからといって、痴漢事件が終了したという訳ではありません。
今後は在宅事件といった形で捜査が進められることになりますので、痴漢事件で前科を付くことを回避したいとお考えになっている場合は、弁護士に相談して被害者の方との示談交渉を依頼されることをお勧めします。