【事例解説】電車内で故意に女性の首筋や耳に息を吹きかけた事例

2024-04-25

電車内で故意に女性の首筋や耳に息を吹きかけた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

 

【事例】

愛知県内に住むAさんは、自らの性的欲求を満たすために通勤時間帯の満員電車に乗車し、電車に乗っていた30代の女性Bさんの首筋や耳に息を吹きかけました。
そうしたところ不審に思ったBさんに次の停車駅で「痴漢ですよね」と腕を掴まれ、降車させられました。AさんはBさんの腕を振り払い、その場から立ち去ろうとしましたが、Bさんに誰何されたため、Aさんはその場から逃走しました。
後日不安になってAさんは弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

【触らない痴漢とは】

触らない痴漢とは最近増えている新たな痴漢の手口で、過剰に匂いを嗅ごうとする、携帯の写真送信機能を用いて不特定多数の人にわいせつな画像を送りつける、故意に息を吹きかけるなど、相手の身体に触れない点に特徴があります。この触らない痴漢は、痴漢か否かの線引きが非常にあいまいである点が問題であるとされています。
今回の事例のAさんの行為はまさしく触らない痴漢に該当するものですが、この行為が罪に問われるか否かについては見解が分かれる点であるといえるでしょう。

【触らない痴漢は何罪になる?】

今回の事例のような触らない痴漢行為は、不同意わいせつ罪か迷惑行為防止条例違反に問われる可能性があるといえます。

不同意わいせつ罪とは刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
触らない痴漢が、刑法176条の「わいせつな行為」に該当する場合は、不同意わいせつ罪で捜査が進むことになるでしょう。

他方、「わいせつな行為」に該当しないと判断された場合には、迷惑行為防止条例違反を検討することになります。
迷惑行為防止条例違反とは、各都道府県が制定する迷惑行為防止条例に違反する罪で、愛知県迷惑行為防止条例2条の2は卑わいな行為の禁止を定めています。またこれに違反した場合の刑罰として、同15条1項により「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」が定められています。
触らない痴漢が、同2条の2・4号の「卑わいな言動」に該当する場合は迷惑行為防止条例違反で捜査が進むことになるでしょう。

 

【触らない痴漢における対応】

今回の事例では、まずAさんの行為自体が犯罪の構成要件に該当するのかという点で事件化しない可能性もありますが、後日警察に逮捕される可能性も否定できないため、不安が強い場合は、弁護士に対応を依頼することをおすすめします。
事件化された際には、逮捕・勾留からの早期の身柄解放を目指します。
また、このような痴漢事件の場合、被害者との示談締結は、不起訴処分や執行猶予判決を獲得する可能性を高めます。そこで被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
また起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめ年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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