痴漢と不起訴
痴漢と不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
東京都内に住むAさんは、満員電車内で、突然、Vさんから「この人痴漢です」と言われ腕を捕まれました。そして、駆け付けた警察官に逮捕されてしまいました。その後、Aさんは釈放されましたが、今後のことが不安です。Aさんは不起訴獲得のため、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
~痴漢と罰則~
痴漢は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例(以下、条例)の「卑わいな行為の禁止」の罪に当たります。
条例では、「公共の場所」あるいは「公共の乗物」における「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法」による「他人の身体に触れ、又は衣服の上から触れる」行為を禁止しており、これが一般的にいわれる痴漢行為の規定です。
罰則は、通常痴漢の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習痴漢の場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
また、痴漢態様によっては条例ではなく、刑法の強制わいせつ罪(刑法176条、6月以上10年以下の懲役)が適用されることもあります。
この場合、条例と異なり懲役刑しかないことに注意が必要です。
~不起訴とは~
Aさんが獲得を目指している不起訴とは、検察官が下す終局処分(その事件について起訴・不起訴を終局的に決める処分)の一種で、その意味は文字通り、起訴されないということです。
不起訴の理由は様々ありますが、実務上は起訴猶予と嫌疑不十分が多いです。
起訴猶予は犯罪の成立が明らかであるものの情状に鑑みて不起訴とするもの、嫌疑不十分は犯罪を立証するに足りるだけの証拠が集まらず不起訴とするものです。
起訴猶予での不起訴処分獲得を目指すのか、嫌疑不十分での不起訴処分獲得を目指すのかは、痴漢に対する認否の状況によります。
つまり、痴漢を認める場合は起訴猶予による不起訴処分獲得を目指しますし、認めない場合は嫌疑不十分による不起訴処分獲得を目指します。
不起訴を獲得できれば、
●刑事裁判にかけられること
●刑罰を受けること
●前科が付くこと
がなくなります。
したがって、裁判所や検察からの呼び出しに応じる負担もなくなります。また、不起訴獲得によって職場の雇用や資格取得の場面でもよい影響が出るでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。