初犯の痴漢事件で不起訴処分を目指す

2020-02-13

今回は、痴漢の疑いで逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

Aさんは、鶴見線の車内において、目の前にいた女性Vの臀部を着衣越しに触ってしまいました。
Aさんは、犯行に気付いたVや目撃者に腕を掴まれ、鉄道警察隊に引き渡されてしまいました。
現在、警察署で取調べを受けており、警察官からは、「2~3日以上泊ってもらうことになるだろう」と告げられました。(フィクションです)

~痴漢事件の弁護活動~

電車内で痴漢事件を起こすと、多くの場合、犯行を行った場所の自治体が制定する迷惑行為防止条例違反の嫌疑をかけられることになります。
痴漢行為の態様が悪質な場合(胸部や陰部を直接弄ぶなど)は、迷惑行為防止条例違反の疑いではなく、強制わいせつ罪(刑法第176条)の疑いをかけられる場合もあります。

(ケースの場合はどうするべきか)
まずは、なるべく早期に弁護士を依頼することをおすすめします。
逮捕直後にAさんが頼める弁護士には、①当番弁護士、②私選弁護人といった種類があります。
当番弁護士は、逮捕された場合に、無料で1回だけ、接見にやってくる弁護士です。
当番弁護士からは、今後の手続の流れ、処分の見込みを聞くことができます。
ただし、2回目以降の接見、身柄解放活動を行うことはできません(当番弁護士を私選弁護人として選任した場合はこの限りではありません)

私選弁護人は、被疑者サイドで弁護士費用を負担し選任する弁護士です。
通常、接見はもちろん、身柄解放活動不起訴処分を目指した活動を外で行ってもらうことができます。

国選弁護人という制度もありますが、ケースの段階では付けられません。
Aさんが勾留された場合において、資力要件を満たしている場合に、Aさんの請求により、はじめて国により付けられることになります。

いずれの種類の弁護士にも、メリット・デメリットがあります。
自身の経済的状況を踏まえながら、どの弁護人を選ぶかを決めると良いでしょう。

(なるべく早く留置場の外に出るために)
ケースの段階ではわかりませんが、警察官が「2~3日以上泊ってもらうことになるだろう」と言っていることから、留置される可能性が高いのではないでしょうか。
逮捕後、留置されると、逮捕時から48時間以内にAさんを検察へ送致しなければなりません。

送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいは裁判にかけるかを決めなければなりません。

一旦勾留されてしまうと、10日間留置場や拘置所から出られなくなります。
また、勾留が延長されると、最長10日間、身体拘束の期間が延びることになります。

できるだけ、勾留が付くことは回避しなければなりません。
そのために、なるべく早い段階で弁護士を依頼する必要があります。
勾留決定までに、弁護活動を尽くすことにより、勾留が付くことを回避できる場合もあります。
勾留されてしまった場合でも、「準抗告」や「勾留取消請求」などの制度により、勾留の取消を求めて活動することが可能です。

(不起訴処分を目指す)
検察官は、捜査の最終段階において、Aさんを裁判にかけるか否かを決めなければなりません。
検察官は、Aさんの反省の態度や、犯罪後の情況などを考慮し、裁量によって、不起訴処分を行うことができます。
被害者と示談を成立させ、謝罪し、生じさせた損害を賠償することにより、不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
初犯であれば、不起訴処分を獲得できる見込みが十分あると言えるでしょう。

まずは、弁護士と相談し、有利な事件解決を目指して行動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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