スカートめくりで「卑わいな言動」

2020-05-03

今回は、路上で女子高生のスカートをめくり、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

大阪府在住のAさんは、大阪府内の路上で通学中の女子高生Vにいたずらをしようと考え、背後からVに接近しスカートをめくってしまいました。
畏怖したVによって警察に通報されてしまい、Aさんは逃亡しました。
現場近くで犯人の容貌と似たAさんが発見されたので、警察官が職務質問をしたところ、上記犯行を認めました。
Aさんは警察署へ任意同行後、大阪府迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました(フィクションです)。

~成立しうる犯罪を解説~

Aさんには、大阪府迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
以下、大阪府迷惑行為防止条例を引用します。

大阪府迷惑行為防止条例
第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
二 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
三 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。

Aさんが行った「Vのスカートをめくる行為」は、上記のうち、第6条1項4号の「卑わいな言動」に該当するものと思われます。
「卑わいな言動」とはどのような行為をいうのでしょうか。

最高裁判所平成20年11月10日決定によれば、「卑わいな言動」とは、「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」を意味します。
女性のスカートをめくる行為は、着用者が人目に触れないようにしたい身体の部分を露わにするものであることからすれば、「卑わいな言動」に該当する可能性が高いと思われます。

したがって、路上でVのスカートをめくったAさんの行為が大阪府迷惑行為防止条例違反の罪を構成する可能性は高いと思われます。

~Aさんは今後どうなるのか?~

逮捕・勾留されると最長23日間もの間、留置場や拘置所の中にいなければなりません。
逮捕後、1~2日程度留置場で過ごし、釈放されるケースもありますが、Aさんは犯行後逃亡を図っています。
一般論としてこのような行為を行うと、逃亡のおそれがあると認められ、身体拘束が長期化する原因になります。
なるべく早い段階で弁護士を依頼し、Aさんに逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがないことを説得的に主張し、身体拘束の長期化を回避する必要があります。

具体的には、
・Aさんが定まった職に就いていること、
・Aさんを監督する身元引受人を用意したこと
・犯行場所から離れた場所(身元引受人宅など)に一時的に引越し、Vと接触する可能性がないこと
を主張するのが効果的でしょう。

~Vと示談をする~

検察官が起訴・不起訴を決定するまでに、V(実際にはその法定代理人)と示談をすることができれば、Aさんにとって有利な事情として考慮されることが期待できます。
ケースの事件が初犯であれば、不起訴処分がなされる見込みもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が大阪府迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.