【事例解説】痴漢で医師の男が現行犯逮捕 

2024-04-03

痴漢の疑いで、医師の男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

逮捕とは

事例 

医師のAさんは、通勤途中の混雑している電車内で前に立っていた成人女性Vの下半身をスカート内に手をいれて直接触るなどの痴漢行為をしました。
被害を受けたVが「痴漢です」と声を上げたことで、周囲の乗客にAさんは取り押さえられ、次の駅で降ろされました。 
Aさんは、電車から降ろされた後も暴れていたため、駅に臨場した警察官不同意わいせつの疑いで現行犯逮捕されてしまいました。 
警察から、Aさんを逮捕したと連絡を受けたAさんの妻は、すぐに釈放に動いてもらうため弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。 

(フィクションです。)

電車内での痴漢行為 

電車内での痴漢行為については行為態様により、迷惑防止条例違反不同意わいせつのどちらかが成立する可能性があります。 
刑法改正により、不同意わいせつ罪が新設されるまでは痴漢行為は「迷惑防止条例違反」に問われるのがほとんどでした。 
しかし、不同意わいせつ罪が新設され、これまでの強制わいせつで処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象となったことから不同意わいせつ罪で捜査が進むことが多くなってきています。

不同意わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以下の拘禁刑」(改正刑法施行までは「懲役刑」)ですので、各都道府県で定められている迷惑防止条例違反よりは刑が重くなっています。

医師免許への影響 

これから、医師免許を取得しようとする医学部生などが不同意わいせつ罪で前科がついてしまうと医師免許が取得できない可能性があります。
医師法4条(出典/e-GOV法令検索)において相対的欠格事由として以下のことが定めれています。

「第4条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある
一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者」

痴漢行為により、罰金以上の刑を受けると医師法4条3号の相対的欠格事由に該当することになります。
また、医師免許をもっている医師が第4条各号のいずれかに該当した場合は、厚生労働大臣から、戒告3年以内の医業の停止免許の取消しのいずれかの処分を受ける可能性があるため注意が必要です(医師法7条1号から3号)。

医師免許を守るために

医師免許をこれから取得しようとする方や医師の方が、痴漢行為で警察に逮捕された場合は、弁護士に依頼して初回接見に来てもらうことをお勧めします。
今後の刑事手続きの流れ取調べに対するアドバイスを聞くことで、精神的な負担が軽減されるだけでなく、不利な供述調書が作られることを防ぐことが出来ます。
また、痴漢による迷惑防止条例違反や不同意わいせつ罪は、被害者がいる犯罪になるため、犯罪行為を認めている場合は示談の締結早期の釈放処分の軽減にとって重要になります。
示談は、被疑者の方でもすることはできますが、逮捕されている間は連絡をとることが不可能ですし、釈放後であっても被疑者からの交渉だと拒絶されてしまう場合が少なくありません。 
そのため、刑事事件における示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼して示談交渉に動いてもらうことが重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件をはじめ年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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