神戸市の痴漢事件で逮捕 犯罪の不成立を目指す弁護士

2016-03-04

神戸市の痴漢事件で逮捕 犯罪の不成立を目指す弁護士

神戸市須磨区在住のAさんは、JR神戸線須磨駅構内で友人たちと騒いでいると、Vさん(女性)に注意されました。
後日、AさんがJR神戸線に乗車していると、Vさんも同乗していることに気づきました。
Aさんは、Vさんに注意されたことを思い出して無性に腹が立ち、報復目的でVさんに痴漢してしまいました。
すぐにAさんは兵庫県警須磨警察署に条例違反の痴漢の容疑で逮捕されてしまいました。
依頼を受けた刑事事件に強い弁護士は、Aさんは性的な目的は有していなかったと主張しようとしています。
(フィクションです)

~報復目的の痴漢行為~

今回のAさんに条例違反として痴漢が成立するのは明らかのようにも思えます。
しかし、Aさんは報復目的しか有しておらず、性的欲求を解消する目的は有していなかったようです。
このような場合にも、痴漢は成立するのでしょうか。

「目的がどうであれ、痴漢は痴漢だ」
これも1つの考え方としてあり得るでしょう。
しかし、強制わいせつ罪に関する判例で、興味深いものがあります。
報復目的で女性を裸にし、撮影をしたという事件です。

この事件で最高裁は
・強制わいせつ罪は性的意図のもとに行われる必要がある
・報復、侮辱、虐待目的の場合には強制わいせつ罪は成立しない
と判断したのです(昭和45年1月29日判決)。

痴漢も強制わいせつ罪と同様に考えることができれば、この判例によりAさんには痴漢が成立しない可能性が出てきます。
しかし、強制わいせつ罪は、個人の性的自由や感情を守るために規定されています。
一方で、痴漢を含む迷惑防止条例は一般的な善良な風俗や県民生活の平穏を守るものであると考えることができます。
そうすると、どんな目的であろうと、平穏が害されれば痴漢は成立すると考えることもできます。
条例が何を守るために制定されているのか、その考え方によって痴漢の成否は変り得るのです。
とても難しい問題です。

あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強制わいせつ罪痴漢の関係について、専門の弁護士がお答えいたします。
事件内容によっては、「痴漢は成立しない」という方針を立てる事も可能です。
無料相談とともに、初回接見サービスも用意しております。
(兵庫県警須磨警察署 初回接見費用:3万8900円)

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