【事例解説】公務員が起こした痴漢事件(中編)
前回に引き続き、痴漢事件を起こしてしまった公務員の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aさんは、地方公務員として働いており、名古屋市内を走る電車内において、目の前の女性Vさんの臀部を触った疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは以前にも地方公務員になる前に1度だけ痴漢事件を起こし、罰金刑を受けた過去があります。
今回の事件での犯行を認めていますが、職を失うことを非常におそれています。
(事例はフィクションです。)
身柄解放活動について
一刻も早い身柄解放を実現することも重要です。
地方公務員ではない、民間のサラリーマンの場合においても当てはまることですが、無断欠勤を続けると勤務先から不利益な処分を言い渡される可能性があります。
逮捕後、勾留決定がなされなければ、1日~3日程度で外に出ることができます。
1日~3日間、無断欠勤をすることは避けられませんが、勾留され、何十日も無断欠勤を続けるのに比べれば事態として良いということができるでしょう。
職を失ってしまうと、Aさんの社会復帰に多大な悪影響が生じます。
弁護活動を尽くし、早期の身柄解放の実現、懲役刑の回避を目指して行動する必要があります。
具体的にはどうすればよいのか
・起訴猶予処分
・略式手続により罰金刑の言渡しを受ける
ことにより事件を終了させることができれば、地方公務員法第28条4項により失職する可能性はなくなります。
(事例の事件に関係して、何らかの不利益な処分を受ける可能性は否定しきれません。)
不起訴処分がなされれば、裁判にかけられることがないので、刑罰を受けることもありません。
早い段階で弁護士に相談することで、自身に不利な供述を避けることができたり、被害者との示談交渉を円滑に進めることができたりと不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるかもしれません。