【事例解説】強制わいせつ罪と迷惑行為防止条例違反(痴漢)

2023-04-13

【事例解説】強制わいせつ罪と迷惑行為防止条例違反(痴漢)

強制わいせつ罪迷惑行為防止条例違反痴漢)が成立する事例とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

<事例1>

福岡市在住の会社員男性A1は、深夜の路上で帰宅中の会社員女性V1の背後から腕をまわし、着衣の上から胸を複数回揉んだ。

<事例2>

福岡市在住の会社員男性A2は、深夜の路上で帰宅中の会社員女性V2の背後から追い抜きざまに、着衣の上からお尻を揉んだ。

(上記いずれの事例も登場人物はすべて成人で、すべてフィクションです。)

【強制わいせつ罪】

刑法176条で、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する、と定めています。

わいせつな行為」とは、「相手の意に反して性的羞恥心を害する行為」とされており、唇にキスしたり、胸や陰部を触る行為などが該当します。

また、「暴行又は脅迫を用いて」とありますが、暴行又は脅迫により被害者を抵抗不能の状態に陥れた後にわいせつ行為をする場合のみならず、わいせつ行為自体が「暴行」と評価される場合も成立します。
胸に触れるのみならず、複数回揉むような場合は、その行為自体が暴行と評価されます。

よって、事例1のA1は、暴行を用いてわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪が成立します。

【迷惑行為防止条例違反(痴漢)】

福岡県の迷惑行為防止条例(第6条、第11条)では、(1)公共の場所で、(2)正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、(3)他人の身体に衣服の上から触れた場合、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する、と痴漢行為の罪と罰を定めています。

事例2でのA2の行為は、上記要件(1)から(3)を満たすとして、福岡県迷惑行為防止条例違反痴漢)が成立することは明らかですが、お尻を揉んだ行為の態様次第では、その行為自体が暴行と評価されて強制わいせつ罪が成立する可能性も否定できません。

なお、被害者を押し倒したりや抱きしめた上で行為を行った場合は、暴行を手段としてわいせつ行為をしているため、強制わいせつ罪が明らかに成立します。

【強制わいせつ罪と迷惑行為防止条例違反(痴漢)の弁護活動】

迷惑行為防止条例違反痴漢)にとどまる場合は罰金刑もあり得ますが、強制わいせつ罪の場合は、起訴されると執行猶予付きの判決とならなければ懲役刑となります。
そのため、不起訴処分を得るためには、起訴される前に、被害者との示談を早期に成立させることが重要です。

特に性犯罪刑事事件では、加害者が被害者から連絡先を教えてもらい自ら示談交渉を行うことは事実上不可能です。
弁護士であれば被害者も話を聞いてもよいと連絡を教えてくれる余地があり、特に刑事事件示談交渉に経験豊富な弁護士であれば、条件の良い示談がまとまる可能性が見込まれます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、強制わいせつ罪迷惑行為防止条例違反痴漢)での示談成立による不起訴処分を獲得した実績が多数あります。

強制わいせつ罪迷惑行為防止条例違反痴漢)で自身やご家族が事件を起こし不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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