奈良市の痴漢事件 おとり捜査を非難する弁護士

2016-03-08

奈良市の痴漢事件 おとり捜査を非難する弁護士

奈良県警五條警察署の警察官は、痴漢の常習者であるAさんを逮捕しようとしていました。
しかし、なかなか決定的な証拠や被害者からの通報がなく、逮捕に踏み切れない状態でした。
そこで、女性警察官が一般人のフリをして地下鉄に乗り込みました。
Aさんは警察官だとは気付かずに痴漢をし、その場で現行犯逮捕されてしまいました。
取調べでAさんは「こんな捜査は違法だ」と主張しているようです。
そこで、Aさんの親族から連絡を受けた痴漢に強い弁護士が立ち上がりました。
(フィクションです)

~おとり捜査~

今回のように、警察官が被害者を装って犯人を逮捕する捜査を「おとり捜査」と呼びます。
おとり捜査には様々な問題もあります。
今回であれば、警察官がAさんに対して痴漢をするように仕向けたと考えることができます。
警察がわざわざ犯罪を作り出し、そこを逮捕する。
このような捜査が許されるのか、これは非常に難しい問題です。

さて、そんな中、札幌地裁で先日、画期的な決定が出されました。
18年前の銃刀法違反事件について、再審決定が出されたのです。
再審とは、裁判のやり直しのことです。

札幌地裁は決定文の中で
・もともと犯罪を行う意図のない者に対して、犯意を誘発するような強い働きかけをする必要性は到底認められない
と断じています。
そして、違法な捜査で得られた証拠は裁判で使えないので、もう1度裁判をやり直すと判断したのです。
このように、おとり捜査については裁判所も厳しい姿勢で臨んでいるとも考えることができます。

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(奈良県警五條警察署 初回接見費用:11万6880円)

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