大阪府大阪市東成区の痴漢事件

2019-09-01

大阪府大阪市東成区の痴漢事件

~ケース~
Aさんは、大阪府大阪市東成区内を走る地下鉄の車内で、女性の臀部を着衣越しに触ってしまいました。
その様子を見ていた他の乗客に「お前痴漢しただろう」と腕を掴まれ、駅員室に連れて行かれました。
まもなく駆け付けた鉄道警察隊により、大阪府東成警察署へ連れて行かれ、取調べを受けています。(フィクションです)

~Aさんによる痴漢行為は何罪?~

大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下、「大阪府迷惑防止条例」)違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
ケースの場合においては、第6条1項1号の適用の可否が問題となります。

これによれば、

①人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
②公共の場所又は公共の乗物において、
③衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること

が禁止されていることになります。
これに違反し、有罪が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(常習であれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金)に処せられます(第17条1項2号、2項)。

上記事例のAさんは、電車という「公共の乗物」において、女性の臀部を着衣越しに触っています。
そして、こうした痴漢行為により、被害者である女性は少なくとも「著しく羞恥」したと考えられます。
そうすると、Aさんに大阪府迷惑防止条例違反の罪が成立する可能性は高いでしょう。

~逮捕後の流れ~

警察署での取調べを受けたあと、留置の必要があると認められるときは、逮捕時から48時間以内に検察庁に身柄が送致されます。
検察庁では、検察官から警察署と同様に取調べを受け、検察官が身柄を受け取ったときから24時間以内に、かつ、Aさんの逮捕から72時間以内に、①勾留の請求、②釈放、③起訴(裁判)のいずれかを決めます。
勾留請求は裁判官に対して行うものであり、裁判官が勾留の妥当性を認めて勾留を決定すると、勾留により10日間拘束が続くことになります。
さらに、やむを得ない事由があると認められるときは、さらに最長10日間勾留が延長されます。
検察官は勾留の満期日までにAさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放します。
以上から、逮捕されると、捜査段階で最長23日間もの間身体拘束を受けることになります。

~釈放に向けた活動~

身体拘束が長引くと、Aさんの社会生活に様々な悪影響が及ぶことが懸念されます。
当然ながら早期の身柄解放を実現すべきですが、具体的に弁護士が行う身柄解放活動とはどのようなものでしょうか。
以下は身柄解放に至る事情の例です。

(勾留をさせない活動)
検察官や裁判官に対し、勾留の要件を満たさないことを主張し、勾留請求、勾留決定をしないよう働きかけることが考えられます。

(被害者との示談)
迅速に示談交渉を行い、被害者と示談を成立させることが考えられます。
示談が成立すれば、当事者間で事件が解決したものとして、勾留されない、あるいは勾留中に釈放される可能性が高まります。
場合によっては、示談が成立したことを検察官や裁判官に伝え、釈放のための職権発動を促します。

~痴漢で起訴されたら~

Aさんが過去に痴漢などの性犯罪で捜査や裁判を受けたことがなく、ケースの件のみが起訴された場合には、罰金刑に処せられる可能性が高いと思われます。
その場合、被疑者の同意を得たうえで、略式手続という簡易・迅速な手続によって刑を下すのが通常です(刑事訴訟法461条参照)。
略式手続が開始されると、検察官のみの証拠により、書類審査の上、略式命令が出されます。
この場合は法廷という公の場で裁判が行われませんし、罰金や科料を納付すればすぐに釈放されますので、略式手続を選択することも選択肢の一つといえます。
ただし、基本的に事実認定は検察官の証拠に従うことから、犯罪事実の認定や自身に有利な事情の存否を争う機会はありません。
ほぼ確実に有罪判決を受けることになりますので、無罪を争う場合に略式手続を選択するのは適切ではないでしょう。

上記の点から、略式手続を選択すべきか、公判を選択すべきかは極めて重要な事項となります。
弁護士とよく相談した上で選択することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢事件を起こしお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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