【事例解説】痴漢後に電車から線路に逃走し現行犯逮捕(後編)

2024-07-29

痴漢をして線路に逃走した後に不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

逮捕とは

事例 

東京都在住の会社員のAさんは、通勤時の混雑した電車内で前に立っていた女性のスカート内に手を入れてお尻を触る等の痴漢行為をしました。 
次の駅についた際に、女性に手をつかまれて声を上げられたため、Aさんは電車のドアが開いたタイミングで逃走しました。 
周囲の乗客の数名にAさんは追いかけられたため、逃げ切るために線路内に逃走しました。
最終的に、Aさんは駅員と警察に取り押さえられ、不同意わいせつ威力業務妨害の容疑で逮捕されました。 
Aさんが逮捕されたことをニュースで知ったAさんの妻は、弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。 
(フィクションです。)

業務妨害罪

業務妨害罪に関しては、刑法第233条234条(出典/e-GOV法令検索)に規定されています。
まず第233条では「偽計業務妨害罪」が、そして第234条では「威力業務妨害罪」が規定されているのですが、「他人の業務を妨害する」という点に関しては「偽計業務妨害罪」も「威力業務妨害罪」も同じです。
それでは、「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」は、何が違うのでしょうか?
それは、業務妨害をする方法(手段)です。
偽計業務妨害罪が、虚偽の風説を流布したり偽計を用いて業務を妨害するのに対して、威力業務妨害罪は、威力を用いて業務を妨害することによって成立します。

威力業務妨害罪

それでは「威力業務妨害罪」についてよく見ていきましょう。
刑法第234条には「威力を用いて人の業務を妨害(以下省略)」と威力業務妨害罪について規定されています。
ここでいう「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる一切の勢力です。
代表的なのは暴行や脅迫行為でしょうが、物を壊したり、隠したりする行為や、大勢で詰めかける行為、騒ぎを起こす行為なども威力業務妨害罪でいうところの威力に当たり、今回のように線路内に立ち入るという行為も、威力業務妨害罪でいうところの「威力」に該当します。

威力業務妨害罪の罰則

威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

まずは弁護士に相談を

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逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
なるべく早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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