【事例解説】痴漢の疑いをかけられ逃走(前編)

2024-09-02

痴漢の疑いをかけられ逃走した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

【事例】

愛知県内に住む会社員のAさんは、通勤途中の電車で女性Vさんから「今触りましたよね」と言われ、次の停車駅で電車から降ろされました。
Aさんとしては全く身に覚えもなく、会社の始業時間に遅刻しそうなこともあいまって、その場から走って逃走しました。
後日、不安になったAさんは弁護士に相談して今後の対応を検討することにしました。
(フィクションです)

【痴漢には何罪が成立するのか】

痴漢行為は、被害者の尊厳を侵害し、社会的な不安を引き起こすため、法的に厳しく取り締まられています
この取締に関しては、大きく分けて二つの法規が関連します。
1つ目は、迷惑行為防止条例です。この条例は、公共の場での不適切な行為を防ぐ目的で各都道府県ごとに制定されています。痴漢行為もその対象となり、服の上から体に軽く触れた等の比較的軽微な場合は、この条例によって処罰されることが多いです。
この条例によって科される刑罰も都道府県ごとに異なり、例えば、「愛知県迷惑防止防止条例」に違反して痴漢行為をした場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となり(愛知県迷惑防止条例 第15条1項)、常習として繰り返し違反行為をした場合には、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」となります(第15条2項)。
他方、「岐阜県迷惑防止条例」に違反して痴漢行為をした場合は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(岐阜県迷惑防止条例 第13条1項1号)となり、「常習」として繰り返し違反行為をした場合には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります(第13条8項)。

2つ目は、刑法第176条(出典/e-GOV法令検索)に定められる不同意わいせつ罪の規定です。
衣服やスカートの中に手を入れて直接体を触るなど、軽微とはいえないような痴漢の場合は、迷惑行為防止条例違反ではなく刑法に定められている「不同意わいせつ」で処罰される可能性があります。
刑法176条は刑罰として、「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
上記のように迷惑行為防止条例違反よりも不同意わいせつのほうが法定刑が重く、どちらで捜査されて事件が進行していくかは、被疑者にとって重要といえます。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含む豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
なるべく早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.