【事例解説】会社の取締役が通勤中の電車内で痴漢

2024-05-25

会社の取締役が通勤中の電車内で痴漢を行った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

【事例】

愛知県内の会社で取締役として勤務するAさんは帰宅途中の列車内で、30代の女性に痴漢をしたことで逮捕されました。
AさんのであるBさんは、Aさんの帰りが遅く、電話も繋がらないことを心配して、警察にAさんの捜索を依頼しました。
そうしたところ、Aさんが警察に逮捕されていることを知ることができましたが、それ以上、Aさんが現在どのような状況なのか、今後どうなるのかといったことまでは警察からは教えてもらえませんでした。
そこで、Bさんは弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)

【痴漢行為は何罪にあたる?】

電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。

【会社役員に前科が付くと】

取締役等の会社役員に前科が付いてしまうと、会社法の定める欠格事由に該当し、職を追われる可能性があります。
会社法331条1項4号は、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)」について、取締役になることができないと定めています。
そのため、今回の事例でAさんが実刑判決になり、禁固以上の刑が科された場合には、代表取締役の職を辞さなければなりません

 

【痴漢で前科が付くことを回避するには】

今回の事例において、まずは早期の身体解放を目指します。逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこで、これを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また、その後は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指し、職を追われるリスクを少しでも軽減できるように努めます。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで捜査を受けている方、逮捕されてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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