【事例解説】自転車で追い抜きざまに女性の体を触ったとして逮捕
自転車で追い抜きざまに女性の体を触ったとして、不同意わいせつの疑いで男が逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
会社員のAさんは、暗い住宅街を一人で歩く女性を狙い自転車で追い抜きざまに女性の胸やお尻を触る痴漢行為を繰り返していました。
Aさんから、体を触られた複数人の被害者が警察に相談したため捜査が始まりました。
住宅街に設置されている防犯カメラの映像に、自転車で追い抜きざまに女性の体を触って立ち去るAさんの姿が映っており、これが証拠となりAさんは不同意わいせつの疑いで逮捕されてしまいました。
警察からAさんを逮捕した旨の知らせを受けたAさんの両親は、事件の詳細を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
ワンタッチ痴漢とは
自転車に乗った男が、追い抜きざまに女性の体を触る事件が、東京都中野区の西武新宿線沿いで相次いで発生しているようです。
警視庁では、自転車に乗って追い抜きざまに女性の体を触る痴漢行為のことを「ワンタッチ痴漢」と呼んで捜査しており近隣住民に注意を呼びかけているようです。
(時事通信ニュース参照/https://sp.m.jiji.com/article/show/3330797)
ワンタッチ痴漢は何罪に?
比較的軽微な痴漢行為は、各都道府県で定められている迷惑防止条例で処罰される場合が多いようですが、ワンタッチ痴漢はニュースを見る限り多くは不同意わいせつ罪で捜査・逮捕されているようです。
不同意わいせつは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に規定されています。
不同意わいせつ罪は、176条1項各号に定められている行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ(略)わいせつな行為をした場合に成立します。
そして、5号には「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと」と規定されています。
自転車で追い抜きざまに体を触ることは、被害者の女性が同意しない意思を形成するいとまがない状態にさせ、わいせつ行為をしている状態になる可能性が高いため、ワンタッチ痴漢は5号の事由に該当し、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高いでしょう。