痴漢と自首

2021-04-02

痴漢と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさん(20代男性)は、ショッピングモール内の多くの通行人に紛れて、通行人女性の身体を触る痴漢行為をしました。その後、被害者女性が近くの店員に助けを求めたことで、Aさんは店員から呼び止められましたが、何とかその場を切り抜けました。しかし、Aさんは自分のしたことを酷く後悔し、「警察に自首したい」と考えるようになりました。Aさんは、刑事事件に強い弁護士に無料法律相談を申し込み、警察に自首する際のアドバイスを受けることにしました。
(フィクションです)

~自首~

Aさんは自首を検討しているようです。そこで,以下では,自首とはいかなる場合に成立し,どんなメリット,デメリットがあるのかご紹介いたします。

自首とは,①捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に,②犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し,③その処分を委ねる意思表示のことをいうとされています。
 
「捜査機関」とは,主に検察官,警察官のことをいいます。また,「犯罪事実又は犯人」とあるように,犯罪事実は発覚していても,まだ犯人が誰であるか発覚していない段階でも①の要件を満たします。

他人を介して自己の犯罪事実を申告させることもできます。また,書面による自首も有効と解されています。ただし,両者の場合,犯人がいつでも捜査機関の支配下にいることが条件となると考えられます。書面のみを提出して所在不明となった場合,氏名を秘匿している場合などは,処分を委ねる意思がないものとみなされるでしょう。

~自首のメリット~

刑の減軽を受けることがあります(ただし,あくまでも裁判官の判断)。また、逮捕を回避できる可能性があります。逮捕を回避できれば,付随的効果として,通常通り日常生活を送ることができますし,会社や学校などに児童買春をしたことをばれなくて済むかもしれません。

加えて,ずっと児童買春を秘密にしておくよりも精神的に楽になるでしょう。
なお,仮に,逮捕されても,自首したことがのちのち有利な事情(情状)として考慮され,不起訴処分や懲役刑ではなく罰金刑などの有利な結果に繋がりやすくなります。

~自首のデメリット~
 
捜査機関に痴漢をしたことが発覚します。発覚したことで逮捕される可能性も否定はできません。逮捕されたら,上で述べた効果とは真逆の効果が生じ得ます。また,自首したからといって必ず不起訴になるわけではありません。起訴され,裁判を受ける必要が生じてくるかもしれませんし,裁判の結果,懲役刑,罰金刑に処せられる可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門の法律事務所です。上記のように自首にはメリット,デメリットがありますから,自首しようか迷われている方は,ぜひ一度,弊所の無料相談をご利用ください。

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