痴漢再犯事件で保釈

2019-07-03

痴漢再犯事件で保釈

京都府京都市山科区在住のAさん(30代男性)は、路上での痴漢事件を起こして、京都府山科警察署逮捕された。
Aさんには、過去に痴漢前科が複数あり、起訴されて裁判になる可能性が高いと聞かされたAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に法律相談して、早期釈放や起訴後の保釈に向けて、弁護活動を依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~釈放と保釈の違いとは~

痴漢事件などの刑事犯罪を起こして逮捕された場合には、被疑者は身柄を拘束された上で厳しい取調べを受けて、捜査機関側が被疑者の供述等も含めた証拠集めをした上で、事件を起訴するか不起訴にするかの判断をします。
起訴される前までの期間の逮捕勾留中に身柄解放されることを「(起訴前の)釈放」といい、起訴された後の勾留中に身柄解放されることを「保釈」といいます。
起訴前の「釈放」と、起訴後の「保釈」は、それぞれの制度が異なります。

~起訴前の釈放~

逮捕された直後には、72時間以内勾留の判断がされて、基本的には10日間(最長20日間)の勾留(身柄拘束)がなされます。
逮捕直後の段階で勾留決定が出る前のタイミングや、勾留中のタイミングで、身柄解放されることを「(起訴前の)釈放」といいます。

もし起訴前に釈放された場合でも、警察署からの取調べの呼出しがあるたびに、自宅から警察署に通う形で取調べは続き、取調べ供述などの証拠集めが終わった時点で、検察官による事件の起訴・不起訴の判断が行われます。

~起訴後の保釈~

逮捕されて身柄拘束のまま取調べが続き、起訴されて裁判が行われることになった場合、起訴前に行われていた勾留が最低でも2か月は延長されてしまいます。
このとき、裁判所に保釈保証金として一定額の金銭を納付することで、裁判前や裁判中に一時的に身柄解放されることを「保釈」といいます。
弁護士等が保釈請求をすること、②裁判所が請求を認めること、③指定された保釈保証金を裁判所に納付すること、を全て満たした場合に保釈されます。

弁護士や、直系の親族、兄弟姉妹らは、起訴後に身柄拘束(勾留)の続く被疑者の保釈を請求することができます。
保釈の請求がなされた場合には、下記の条文に挙げられた保釈不許可事由に当たらない限り、裁判所は保釈を許可しなければなりません。
これを「必要的保釈」(または「権利保釈」)といいます。

・刑事訴訟法 89条
「保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。」

他方で、保釈不許可事由があって必要的保釈が認められない場合であっても、裁判所が適当と認めれば、保釈が許されることがあります。
これを「職権保釈」(または「裁量保釈」)といいます。

・刑事訴訟法 90条
「裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。」

保釈が裁判所によって認められれば、保釈保証金を納付することで、ただちに被疑者の身柄は解放されます。
痴漢再犯事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、まずは被害者との示談交渉を行い、示談成立による不起訴処分の獲得を目指します。
他方で、示談交渉の働きかけとともに、弁護士の側から積極的に早期釈放保釈のための弁護活動を行います。

京都府京都市市山科区痴漢再犯事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

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