バス内痴漢の弁護活動

2020-08-29

バス内痴漢の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

~事例~

Aは福岡県粕屋町を走るバス車内において,女性Ⅴに対し胸や臀部を服の上から執拗に触るなどの痴漢行為を行った。
Ⅴの付近にいた乗客の通報により,Aは取り押さえられた。
その後,AはⅤに対する痴漢を被疑事実として,福岡県粕屋警察署にて取調べを受けた。
前科が付くことをおそれたAは,刑事事件を専門的に取り扱う弁護士に相談することにした。
(フィクションです。)

~痴漢とは~

痴漢とは,人に対して性的な言動や卑猥な行為等の性的嫌がらせをすることをいうとされています。
例えば,背後から執拗に密着し,身体や下半身を押し付ける行為等がそれに当たります。
また,身体に直接触れることはもちろん,衣服の上から下半身や尻,太もも,胸などを触ることも痴漢行為に当たります。
上の事例で,AはⅤに対し胸や臀部を服の上から触るなどの行為を行っており,Ⅴに対する性的な嫌がらせであることは言うまでもなく,痴漢に当たります。

~強制わいせつ罪と迷惑防止条例違反~

痴漢を行った場合に成立し得る主要なものとして,刑法176条に定められている強制わいせつ罪と,各都道府県において定められている迷惑防止条例違反が考えられます。
そして,強制わいせつ罪の刑事処分は「六月以上十年以下の懲役」であり,他方,条例違反の刑事処分は各都道府県により異なりますが,福岡県では「六月以下の懲役または五十万円以下の罰金」です。
このように,強制わいせつ罪は条例違反の場合と異なり,罰金刑がなく,懲役刑しかないことが特徴です。
つまり,刑事処分としては強制わいせつ罪の方が重いということになります。

~強制わいせつ罪と迷惑防止条例違反の境目~

では,いかなる場合に強制わいせつ罪が成立し,他方どのような場合に迷惑防止条例違反が成立するのでしょうか。
両者の境目として,衣服の上から被害者の身体を触った場合には迷惑防止条例違反となり,衣服の中に手を入れて触った場合には強制わいせつ罪が成立する場合が多いです。
ただし、衣服の上から触った場合でも、執拗に触った場合などは強制わいせつ罪になることがあります。
上の事例についてみると,AはⅤに対し服の上からではありますが,執拗に胸や臀部を触っているため、福岡県の迷惑防止条例違反にとどまらず強制わいせつ罪となる可能性がないわけではありません。

~強制わいせつ罪が非親告罪へ~

強制わいせつ罪は刑法第22章わいせつ,強制性交等及び重婚の罪に規定されている犯罪です。
従前,強制わいせつ罪は親告罪でした。
これは,強制わいせつ罪にあたる痴漢があったとしても,被害女性が告訴しなければ検察官が起訴することが出来ないということを意味していました。
しかし,この章に規定されている罪は昨年(2017年)以降,非親告罪となりました。
被害者等から告訴がなくても検察官が公訴提起することができるようになったということです,

~痴漢事件については刑事事件に強い弁護士に相談~

痴漢事件をはじめ,刑事事件は早期解決が大事です。
痴漢をしてしまって取調べを受けている,ご家族が痴漢逮捕されたという方は,早めに弁護士に相談することをお勧めします。

ドラマや映画などでも取り上げられているように,世の中には悪質な痴漢冤罪事件というものも存在します。
本当に痴漢をしていないにも関わらず,被害を訴えられたという方はすぐに刑事事件を専門に取り扱う弁護士に相談することをお勧めいたします。

また,痴漢をしてしまったという場合であっても,刑事事件に強い弁護士に依頼し,被害者に謝罪し示談を成立させることで,不起訴となり,前科が付かなくて済む場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が初回法律相談を無料でおこなっております。
無料法律相談のご予約は0120-631-881にて24時間受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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