痴漢事件を起こした場合に依頼できる弁護士は?
痴漢事件を起こした場合に依頼できる弁護士は?
痴漢事件と弁護士の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ケース~
Aさんは、出勤途中、福岡県小郡市内を走る電車において、目の前にいた女性Vの臀部を、着衣越しに触ってしまいました。
この様子を見ていた隣のWが「何をしているんだ」と叫び、Aさんの腕をつかみました。
Aさんはそのまま駅員に引き渡され、駆け付けた警察官により福岡県小郡警察署へ連行されることになりました。
Aは、警察官から「福岡県迷惑防止条例違反だ」と聞かされました。(フィクションです)
~福岡県内の電車で女性の臀部を触るとどのような罪が成立するか?~
福岡県迷惑行為防止条例違反の罪、または、強制わいせつ罪(刑法第176条)が成立する可能性が高いと思われます。
法律上、「痴漢罪」という罪名の犯罪類型はありません。
一般に、「痴漢」と呼ばれる行為を行うと、上記の犯罪の嫌疑をかけられ、捜査されることになります。
福岡県迷惑行為防止条例第6条1項1号は、
①公共の場所又は公共の乗物において、
②正当な理由がないのに、
③人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
④他人の身体に直接触れ、又は衣服その他の身に着ける物の上から触れること
を禁止しています。
この規定に違反し、有罪が確定すると、6か月(1年)以下の懲役又は50万円(100万円)以下の罰金に処せられます(福岡県迷惑行為防止条例第11条。かっこ内は常習の場合)。
~警察署に引致されたAさんはこれからどうなるか?~
明らかではありませんが、Aさんは既に「現行犯逮捕」された状態かもしれません。
ケースの場合は、犯行を現認したW、または、駆けつけた鉄道警察隊の警察官が現行犯逮捕したと考えられます。
現行犯逮捕されてしまっている場合は、警察署に連れて行かれた後、犯罪事実の要旨を告げられ、弁護人選任権があることを伝えられた後、弁解を録取されます。
その後、取調べが行われます。
逮捕されてしまった場合は、今後自分はどうなるのか、また、どうするべきであるのか、大変不安に感じると思います。
その場合は、弁護士のアドバイスを受けることにより、ある程度不安を和らげることができるのではないでしょうか。
~Aさんが依頼できる弁護士~
Aさんが依頼できる弁護士には、①当番弁護士、②国選弁護人、③私選弁護人があります。
順を追って解説していきたいと思います。
(当番弁護士)
逮捕されてしまった場合に、1回だけ無料で接見にやってくる弁護士です。
これから進行する手続、Aさんになされる処分の見込み、取調べではどう対応すべきか、といった点について、アドバイスを受けることができます。
ただし、2回目以降の接見や、被害者との示談交渉や身柄解放活動などの弁護活動を行うことはできません。
(国選弁護人)
Aさんが勾留され、さらに貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときに、Aさんの請求によって国が付する弁護士です。
Aさんの現金や預貯金等が50万円以下の場合に選任することができます。
当番弁護士と異なり、2回目以降の接見を行うことができますし、刑事事件の弁護活動として重要な「被害者との示談交渉」、「身柄解放活動」などを行うことができます。
原則として費用がかからない(執行猶予がつくなどして、被疑者・被告人が再就職できる場合には、費用の負担を命じられることがあります)ことが最大のメリットとして挙げられます。
反面、気に入った弁護士を選ぶことができず、「あまり事件解決に熱心でない」、「接見に来てくれない」などといった不満を聞くこともあります。
弁護活動を開始するタイミングが勾留以降、つまり早くとも逮捕から2~3日後になる点も不利益になる場合があるでしょう。
(私選弁護人)
被疑者側で弁護士費用を負担し、選任する弁護士です。
国選弁護人と異なり、勾留決定がなされる前から選任できるので、「逮捕を防ぐ活動」や「勾留を阻止する活動」なども行うことができます。
また、弁護士の方から事件解決を見越した報酬額を提示するため、熱心に活動してもらえることが期待できます。
上記のメリット・デメリットを踏まえた上で弁護士を依頼し、事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、痴漢事件の解決実績も豊富です。
有利に事件を解決するためには、なるべく早い段階で弁護士を用意することが重要です。
ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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