痴漢事件を示談で不起訴に
痴漢事件での示談について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ケース~
大阪府枚方市在住のAさんは会社に行く通勤電車で後ろ姿が好みのVさんに痴漢をしてしまった。
AさんはVさんおよび痴漢に気づいた周りの乗客に取り押さえられ,次の駅で駅員に引き渡された。
Aさんは大阪府枚方警察署で取り調べを受けたのちに解放された。
Aさんの勤める会社の就業規則では,罰金以上の刑に処された場合,昇進に影響が出る事になっていた。
出世を考えているAさんはなんとか事件を不起訴にできないかと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談した。
(フィクションです)
~痴漢~
痴漢行為の処罰については刑法ではなく各都道府県の制定する条例に定められています。
痴漢行為は原則として,
「公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること」
を禁止しています。
罰則は都道府県によって若干異なり,大阪府迷惑行為防止条例では100万円以下の罰金または1年以下の懲役となっています。
~不起訴処分のための弁護活動~
痴漢は窃盗罪などと違い微罪処分(軽微な場合に,事件を検察に送致せず警察で終わらせる処分)が存在しないため,原則として検察官に送致されます。
送致をうけた検察官は諸般の事情を考慮し事件を起訴するかどうかを判断します。
送致を受けた後に犯人でないと判明した場合等には不起訴処分となります。
また,犯行後の情状などからあえて刑罰を科す必要はないと判断された場合には起訴猶予という不起訴処分となります。
検察官が起訴猶予とする判断をする情状としては基本的に被害者の方との示談の成立が挙げられます。
痴漢の場合,被害者の方と示談が成立し,「加害者を許し,処罰を求めない」という宥恕条項を頂ければ起訴猶予となる可能性が高くなります。
一方で,示談交渉が出来なかった場合には,起訴され,略式手続き(簡易な認め事件などで,正式な裁判をせず簡易な手続きで事件を終了させる手続き)によって罰金刑となる場合が多いでしょう。
痴漢事件の場合,被害者の方は偶然見かけた人という事も多く,連絡先などもわからないことがほとんどでしょう。
そのため,起訴猶予となるために示談交渉をしようとしても連絡を取る事すらできないでしょう。
その点,依頼を受けた弁護士であれば警察や検察官から被害者の同意の下,連絡先を取り次いで貰える場合もあります。
連絡先を取り次いで貰えた場合には,まず謝罪をし慰謝料の支払いや被害弁償といった具体的な示談交渉を進めていきます。
その際に,先ほど述べた「加害者を許し,処罰を求めない」という宥恕条項を頂けるように交渉することが重要です。
示談が成立しましたら,検察官に示談書を提出します。
検察官は示談内容などを吟味し,被害者が許している,あえて国家が刑罰を科す必要はないと判断した場合には起訴猶予となるでしょう。
痴漢事件を起こしてしまい,示談などをお考えの場合には早めに弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢事件を起こしてしまいお困りの方,ご家族の方が痴漢事件を起こしてしまったという方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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