路上痴漢事件で示談不起訴の弁護士
示談による不起訴処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
京都市南区在住のAさん(40代男性)は、酒に酔った勢いで、夜間の繁華街で通行人の女性に抱きついて、警察に通報された。
京都府南警察署で取調べを受けたAさんは、被害者女性と示談交渉をしたいと考えたが、警察からは被害者との直接の交渉は許されず、被害者の連絡先を教えてもらえなかった。
Aさんは、刑事事件に強い弁護士との法律相談に行って、今後の弁護方針を弁護士とともに検討した上で、弁護士に被害者との示談交渉を依頼した。
依頼を受けた弁護士は、被害者の連絡先を弁護士だけに教えてもらう形で、被害者との示談交渉を開始して、刑事処罰の軽減に向けた弁護活動を行うこととなった。
(事実を基にしたフィクションです)
~強制わいせつ罪と痴漢の条例違反~
路上で被害者の身体を触るような痴漢事件を起こした場合には、その痴漢の行為態様に応じて、刑法の「強制わいせつ罪」や、各都道府県の定める「迷惑防止条例違反の痴漢罪」によって、刑事処罰を受けることが考えられます。
・刑法176条 (強制わいせつ)
「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」
痴漢事件を起こして、警察が刑事事件の捜査を開始した場合には、逮捕されて取調べを受けるか、あるいは逮捕されない在宅捜査のケースでは、まず取調べの呼び出しを受けて、警察署での取調べが何度かあった上で、警察官が調書を作るなどの証拠収集活動を行います。
そして、警察での取調べ終了後に書類送検され、検察官が、警察官の集めた証拠をもとに、痴漢事件の刑事処罰や、起訴不起訴をどうするかを判断するという刑事手続きの流れになります。
検察官による起訴不起訴の判断があるまでの間に、警察での取調べ途中の段階で、弁護士を介して、被害者との示談交渉を進めることで、「被害者が加害者側を許す意思を含む示談」の締結や、被害者への被害弁償をすることが、刑事処罰軽減のためには重要となります。
~検察官による起訴不起訴の判断~
痴漢事件が、警察での取調べを終えて書類送検された場合、検察官による起訴不起訴の判断により、次のいずれかの処分がとられることになります。
・起訴
・訴訟条件を欠くことによる不起訴 (被疑者の死亡など)
・責任能力を欠くことによる不起訴 (少年犯罪、精神疾患など)
・犯罪の嫌疑が無く不起訴
・犯罪の証拠が不十分で不起訴
・被疑者の情状考慮により起訴猶予
~情状による起訴猶予とは~
刑事訴訟法248条には、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」との規定があります。
実務上、事件を起訴するかどうかの判断は、検察官が担っています。
犯罪の嫌疑が十分にあって、立証に必要な証拠もそろっており、事件を起訴することが可能な場合でも、検察官が「訴追の必要がない」と判断すれば、「起訴猶予」と判断されて、刑事処罰を受けることはありません。
検察官の起訴不起訴の判断(あるいは、起訴された際に、どの程度の求刑となるかの判断)に対しては、被疑者本人と弁護士とで綿密な打ち合わせを行い、弁護士から検察官へ刑事処罰軽減に当たる事情を主張するなど、被疑者の有利となるように弁護士が働きかけを行うことができます。
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