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【事例解説】公務員が起こした痴漢事件(中編)

2025-03-29

前回に引き続き、痴漢事件を起こしてしまった公務員の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

満員電車

事例

Aさんは、地方公務員として働いており、名古屋市内を走る電車内において、目の前の女性Vさんの臀部を触った疑い現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは以前にも地方公務員になる前に1度だけ痴漢事件を起こし、罰金刑を受けた過去があります。
今回の事件での犯行を認めていますが、職を失うことを非常におそれています
(事例はフィクションです。)

身柄解放活動について

一刻も早い身柄解放を実現することも重要です。
地方公務員ではない、民間のサラリーマンの場合においても当てはまることですが、無断欠勤を続けると勤務先から不利益な処分を言い渡される可能性があります
逮捕後、勾留決定がなされなければ、1日~3日程度で外に出ることができます
1日~3日間、無断欠勤をすることは避けられませんが、勾留され、何十日も無断欠勤を続けるのに比べれば事態として良いということができるでしょう。

職を失ってしまうと、Aさんの社会復帰に多大な悪影響が生じます
弁護活動を尽くし、早期の身柄解放の実現懲役刑の回避を目指して行動する必要があります

具体的にはどうすればよいのか
起訴猶予処分
略式手続により罰金刑の言渡しを受ける
ことにより事件を終了させることができれば、地方公務員法第28条4項により失職する可能性はなくなります
(事例の事件に関係して、何らかの不利益な処分を受ける可能性は否定しきれません。)

不起訴処分がなされれば、裁判にかけられることがないので、刑罰を受けることもありません。

早い段階で弁護士に相談することで、自身に不利な供述を避けることができたり、被害者との示談交渉を円滑に進めることができたりと不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるかもしれません

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】公務員が起こした痴漢事件(前編)

2025-03-22

今回は、痴漢事件を起こしてしまった公務員の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

満員電車

事例

Aさんは、地方公務員として働いており、名古屋市内を走る電車内において、目の前の女性Vさんの臀部を触った疑い現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは以前にも地方公務員になる前に1度だけ痴漢事件を起こし、罰金刑を受けた過去があります。
今回の事件での犯行を認めていますが、職を失うことを非常におそれています
(事例はフィクションです。)

Aさんに成立する犯罪

Aさんの痴漢行為には下記のいずれかの犯罪が成立する可能性があります。
1つ目は、迷惑行為防止条例です。この条例は、公共の場での不適切な行為を防ぐ目的で各都道府県ごとに制定されています。痴漢行為もその対象となり、服の上から体に軽く触れた等の比較的軽微な場合は、この条例によって処罰されることが多いです。

2つ目は、刑法第176条に定められる不同意わいせつ罪の規定です。
衣服やスカートの中に手を入れて直接体を触るなど、軽微とはいえないような痴漢の場合は、迷惑行為防止条例違反ではなく刑法に定められている「不同意わいせつ」で処罰される可能性があります。
刑法176条は刑罰として、「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
上記のように迷惑行為防止条例違反よりも不同意わいせつのほうが法定刑が重く、どちらで捜査されて事件が進行していくかは、被疑者にとって重要といえます。

Aさんが特に注意すべきことは何か

Aさんは地方公務員です。
地方公務員法第28条4項によると、「職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う」と規定されています。
地方公務員法第16条各号のうち、第2号には「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」が挙げられています。
懲役刑の言渡しを受け、その執行を猶予されている者も上記に該当します。

Aさんが有罪判決を受ける場合において、懲役刑が選択されてしまうと、地方公務員法第28条4項により、条例に特別の定めがある場合を除く外、失職してしまうことになります

早期に弁護士に相談
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ご家族が痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】電車内で女子高校生への痴漢で逮捕(前編) 

2025-03-15

通勤途中の電車内で女子高校生に痴漢をしたとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

痴漢される女性

事例

会社員のAさんは、通勤途中の電車内で女子高校生の後ろからスカート内に手を差し入れて臀部を触るなどの痴漢行為をしました。
被害を受けた女子高校生が声を上げたことで痴漢行為に気付いた周りの乗客にAさんは取り押さえられ駆け付けた警察に引き渡されることになりました。
Aさんは、警察に連れていかれる間際に「痴漢と間違われて連れていかれそうになっている」と会社に電話した後、逮捕されるに至りました。
会社の人たちもAさんと連絡が取れなくなったので緊急連絡先に指定されていたAさんの妻に連絡をとって事情を話しました。 
会社から事情を聞いたAさんの妻は、事件の詳細を知るために弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)

痴漢行為により成立する犯罪について

痴漢行為は、主に各都道府県で定められている迷惑防止条例又は、刑法に定められている不同意わいせつ罪が成立します。 
着衣の上からの痴漢行為であれば迷惑防止違反が成立し、着衣の下に手を入れた痴漢行為については不同意わいせつが成立するという解説が多くありますが、実際の状況により、着衣の上からの痴漢行為であっても不同意わいせつとして捜査が進められる事件も多くあります

迷惑防止条例違反について

東京都迷惑行為防止条例5条1項の柱書では
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
と規定し、次に続く同項の1号で、
公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
と規定していますので、Aさんの痴漢行為は、この東京都迷惑行為防止条例5条1項1号に違反することになると考えられます。
そして、東京都迷惑行為防止条例5条1項1号に違反した場合、同条例8条1項2号によって、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が不同意わいせつ事件で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】少年による不同意わいせつ事件(後編)

2025-03-08

前回に引き続き、少年による不同意わいせつ事件を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

わいせつ行為

事例

Aくん(16歳)は、同級生の女子生徒Vさん自宅に誘い、テレビゲーム等をして遊んでいましたが、劣情を抱いたAくんは、Vさんをソファーに押し倒し陰部を直接弄ぶなどし、わいせつな行為を行いました。
後日、Aくんの自宅に警察官が現れ、「先日のAくんの自宅で起きたことについて聞きたいことがある。」と言われました。
(事例はフィクションです。)

警察の捜査が始まればAくんはどうなるのでしょうか。

最終的に、事件が家庭裁判所に送致され、審判を受けることになる可能性が高いと思われます。
審判では、Aくんに認められる犯罪傾向家庭環境を考慮し少年院送致保護観察処分などの処分が言い渡されます。
少年院送致を言い渡されると、施設に収容され、特別の場合以外は外出できませんので、Aくんやその家族にとっても、負担の重い処分となります。
Aくんの学業、進路に対しても、悪影響をもたらす可能性が懸念されます。
在宅で改善更正を図る保護観察処分ですめば、Aくんの将来への悪影響が最小限で済みます。
そのためには、事例の事件について、Aくんに真摯な反省を促し、性に対する認識を改めさせることと同時に、Aくんの交友関係、家庭環境を見直す必要があります。
弁護士の助言を受けながら、環境調整を行っていきましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が不同意わいせつ事件を起こした等でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】少年による不同意わいせつ事件(中編)

2025-03-01

16歳の少年が同級生の女子にわいせつな行為を行った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

わいせつ行為

事例

Aくん(16歳)は、同級生の女子生徒Vさん自宅に誘い、テレビゲーム等をして遊んでいましたが、劣情を抱いたAくんは、Vさんをソファーに押し倒し陰部を直接弄ぶなどし、わいせつな行為を行いました。
後日、Aくんの自宅に警察官が現れ、「先日のAくんの自宅で起きたことについて聞きたいことがある。」と言われました。
(事例はフィクションです。)

前回に引き続き、少年による不同意わいせつ事件を解説いたします。

不同意わいせつにおける、「暴行」「わいせつな行為」とは
暴行」とは、身体に対する不法な有形力の行使をいい、被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度の暴行であれば足ります。
つまりAくんが行った、Vをソファーに押し倒す行為は、上記の「暴行」に該当すると考えられます。
わいせつな行為」の具体例として、陰部に手を触れたり、手指で弄んだり、自己の陰部を押し当てることや、女性の乳房を弄ぶことをいいます。
事例における「陰部を直接弄ぶ」行為は、「わいせつな行為」の典型例ということができるでしょう。
Aくんは、暴行を用い、Vさんにわいせつな行為を行ったということから、Aくんに不同意わいせつ罪が成立すると判断される可能性が極めて高いと思われます。

不同意性交等未遂について

Aくんは、Vさんと強制的に性交しようとしたが、何らかの理由で性交する前に止めた、という見方も考えられるところです。
この場合は、不同意性交等罪の未遂の成否が検討されることになります。
不同意性交等罪不同意わいせつ罪と同じように前回記載の8つの類型に該当し
同意しない意思を形成し、表明し、全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあることに乗じて、性交等をしたもの」が成立要件となります。
もし、AくんがVさんと強制的に性交することを目的としてVさんをソファーに押し倒したのであれば、不同意性交等未遂の罪が成立する可能性が高いということになります。

取調べにはどう対応すればよいか?

取調べにおけるAくんの供述は、Vさんと強制的に性交する目的の有無を左右する重要な証拠になります。
取調べで「Vさんを押し倒したとき、Vさんと性交することも少しは考えた。」旨の調書がとられると、Aくんの嫌疑が不同意性交等未遂罪に固定される可能性が高まります
不同意わいせつ罪よりも、不同意性交等未遂の方が重大な犯罪であるため、Aくんにより重い処分がなされる可能性が高まります
取調べ前に、Aくんの認識を前提に、どのように供述すればAくんにとって不利にならずに済むかについて、弁護士から助言を受けることをおすすめします

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が不同意わいせつ事件を起こした等でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】少年による不同意わいせつ事件(前編)

2025-02-22

16歳の少年が同級生の女子にわいせつな行為を行った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

わいせつ行為

事例

Aくん(16歳)は、同級生の女子生徒Vさん自宅に誘い、テレビゲーム等をして遊んでいましたが、劣情を抱いたAくんは、Vさんをソファーに押し倒し陰部を直接弄ぶなどし、わいせつな行為を行いました。
後日、Aくんの自宅に警察官が現れ、「先日のAくんの自宅で起きたことについて聞きたいことがある。」と言われました。
(事例はフィクションです。)

不同意わいせつ罪について

Aくんが行った行為は、「不同意わいせつ罪」(刑法第176条)、場合によっては、「不同意性交等罪」(刑法第177条)の未遂として扱われる可能性があります。

事例の事件が刑事事件化した理由として、帰宅したVさんが親に相談した、あるいは自ら警察に相談したということが考えられます。
その場では何も起きなかったとしても、後日被害届や告訴状を提出されることにより、刑事事件化することは珍しくありません

不同意わいせつ罪について

不同意わいせつ罪は、「同意しない意思を形成し、表明し、全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」場合に成立するとされています。
(刑法第176条1項)
不同意わいせつ罪の成立要件となるためには一定の原因が必要とされています。
(同条項1号~8号)。
暴行もしくは脅迫を用いる、または被害者がそれらを受けたこと
心身の障害を生じさせる、または被害者にそれがあること
アルコールもしくは薬物を摂取させる、または被害者にそれらの影響があること
睡眠やその他意識が不明瞭な状態にさせる、または被害者がその状態にあること
同意しない意思を形成し、表明し、または全うするいとまがない
予想と異なる事態に直面させて、恐怖または驚愕(きょうがく)させる、または被害者がその状態に直面していること
虐待に起因する心理的反応を生じさせる、または被害者がその状態にあること
経済的または社会的の地位に基づく影響力による不利益を憂慮させる、または被害者が憂慮していること
が一定の要件となります。

事例においては、Aくんは、暴行を用い、Vさんにわいせつな行為を行ったということから、Aくんに強制わいせつ罪が成立すると判断される可能性が極めて高いと思われます。

まずは早期に弁護士に相談することをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が不同意わいせつ事件を起こした等でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】路上での痴漢の疑いで逮捕(後編)

2025-02-08

今回は、痴漢の疑いで逮捕された被疑者が解放されるタイミングについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

路上痴漢

事例

Aさんは、名古屋市内の繁華街において、酒に酔った勢いで通行人のVさんの臀部を触った疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
留置場の中でAさんは、事件を起こしてしまったことを非常に後悔していますが、家庭や職場のこともあり、一刻も早く社会復帰できればと考えています
Aさんはいつ外へ出られるのでしょうか
(事例はフィクションです。)

捜査段階で外に出られるタイミング

検察官が
勾留請求をしたが、却下された場合
Aさんを釈放した場合
これらの場合には、早期に身柄が解放されることになります
長くても逮捕日から3日程度で外に出られることになると思われます

また、勾留決定はなされたが、勾留が延長されなかった場合は、勾留請求の日から10日目までに釈放されます。
さらに、検察官がAさんを裁判にかけない処分(不起訴処分)を行った場合も、勾留満期日までに外に出ることができます

起訴後に外に出られるタイミング

事例の事件が起訴される場合は、多くの場合、書面のみの審理によって裁判を行う「略式手続」によって処理されることになるでしょう。
(Aさんにおいて、略式手続を行うことにつき異議がないことが前提です。)
この場合は、裁判所から略式命令の告知を受けることにより、釈放されることになります。

証拠能力を争いたい場合など、略式手続に応じるべきでない場合には、公判が開かれ、公開の法廷で裁判を受けることになる可能性が高いでしょう。
Aさんが勾留されたまま起訴された場合には、自動的に起訴後勾留へ移行し、引き続き身体拘束がなされます。
このような場合は、「保釈」を請求し、保釈許可決定がなされれば、外に出ることができます
保釈によって外に出るためには、保釈保証金が必要となります。

最後に

逮捕されてしまった場合であっても、外に出ることができるタイミングが複数あることがおわかりいただけたと思います。
なるべく早く外に出られるようにするためには、身柄解放活動への早期着手が極めて重要です。

身柄解放を実現できる可能性を高めるためには、刑事事件に熟練した弁護士のサポートが役立ちます
痴漢の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動についてアドバイスを受けましょう

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】路上での痴漢の疑いで逮捕(前編)

2025-02-01

今回は、痴漢の疑いで逮捕された被疑者が解放されるタイミングについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

路上痴漢

事例

Aさんは、名古屋市内の繁華街において、酒に酔った勢いで通行人のVさんの臀部を触った疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
留置場の中でAさんは、事件を起こしてしまったことを非常に後悔していますが、家庭や職場のこともあり、一刻も早く社会復帰できればと考えています
Aさんはいつ外へ出られるのでしょうか
(事例はフィクションです。)

愛知県内で痴漢事件を起こした場合

愛知県内の繁華街(路上)において女性の臀部に触れる行為は、愛知県迷惑行為防止条例に違反する可能性が高いと考えられます。

愛知県迷惑行為防止条例
(卑わいな行為の禁止)
第2条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は、人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物の上から触れること
四 前各号に掲げるもののほか、人に対し、卑猥な言動をすること
第15条  第2条の2の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する
2項  常習として前項の違反行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する
とされています。

Aさんはいつ外に出られるのか

Aさんは現行犯逮捕された後、留置されているため、当然ながら自由に外へ出ることはできません
ケースの場合は、逮捕時から48時間以内にAさんの身柄が検察へ送致され、検察官の取調べを受けることになります

検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんについて「勾留請求」をするか、Aさんを釈放するかを判断しなければなりません。

勾留請求がなされた場合は、裁判官が勾留の可否を判断します。
裁判官が勾留の要件を満たしていると判断すれば、10日間勾留されることになります。
また、やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間、勾留が延長されることになります。

早期に相談
なるべく早く外に出られるようにするためには、身柄解放活動への早期着手が極めて重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】受験会場に向かう学生への痴漢で逮捕(前編)

2025-01-18

共通テストの受験生に対しての痴漢行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

会社員のAさんは、自身のSNSにて共通テストを受験する学生をターゲットに痴漢を企てるような文章を投稿していました。
そしてその当日の朝、Aさんは混雑した電車内で、共通テストの受験生であろうvさんを見かけました
Aさんは、受験当日なら受験生に痴漢しても被害届を出されることは無いだろうと考えて、混雑した電車内でVさんに近づき、Vさんの左後ろからスカート越しにVさんのお尻を手で撫でました
Vさんは、ここで被害を訴えたら試験に遅刻してしまうと思い我慢していましたが、突然Vさんの近くに移動したAさんのことを不審に思って様子を観察していたBさんが、Aさんの手を掴んで、『痴漢してますよね』と言って、次の停車駅で電車からAさんを降ろしました。
その後、Aさんは、駅のホームに駆け付けた警察官に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

【受験生に対する痴漢被害を防止するために警察が警戒を強めています】

令和7年1月18日、19日は大学入学共通テストが全国各地で開催されます。
共通テスト当日は、大勢の受験性が電車に乗って移動することが予想されますが、近年、SNSなどで受験当日に受験生に対して痴漢行為をしても、これから大事な受験に向かう受験生は痴漢の被害を訴え出ないだろうと考えて「共通テスト当日は痴漢のチャンス」などの言葉を用いて、受験生に対する痴漢行為を呼びかけるような投稿が目立つようになってきています。

各地の警察や鉄道会社は、こうした状況を受けて、受験当日の痴漢被害を防止するために警戒を強めています。
たとえば、東京都では、1月15日から2月28日までの期間を「痴漢撲滅キャンペーン」として、期間中、警察と各鉄道会社が協力して電車内での警戒を強化するとしています。

【痴漢には何罪が成立するのか】

痴漢行為は、被害者の尊厳を侵害し、社会的な不安を引き起こすため、法的に厳しく取り締まられています。
この取締に関しては、大きく分けて二つの法規が関連します。
1つ目は、迷惑行為防止条例です。この条例は、公共の場での不適切な行為を防ぐ目的で各都道府県ごとに制定されています。痴漢行為もその対象となり、服の上から体に軽く触れた等の比較的軽微な場合は、この条例によって処罰されることが多いです。
2つ目は、刑法第176条に定められる不同意わいせつ罪の規定です。
衣服やスカートの中に手を入れて直接体を触るなど、軽微とはいえないような痴漢の場合は、迷惑行為防止条例違反ではなく刑法に定められている「不同意わいせつ」で処罰される可能性があります。
刑法176条は刑罰として、「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
上記のように迷惑行為防止条例違反よりも不同意わいせつのほうが法定刑が重く、どちらで捜査されて事件が進行していくかは、被疑者にとって重要といえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
痴漢事件でご家族が逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお電話ください。
初回接見サービスのご依頼は、フリーダイヤル(0120-631-881)で24時間電話受付中です。

【刑事手続解説】3度目の痴漢事件を起こし逮捕(後編)

2024-12-26

今回は、3度目に起こしてしまった痴漢事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

痴漢

事例

Aさんは名古屋市内の電車に乗車中、目の前の女性Vの臀部を着衣越しに触った疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんには2つ、痴漢の前科があります。
1つ目は起訴猶予処分2つ目は罰金刑を受けて解決しています。
警察署では、「犯行時のスリルが忘れられなかった」などと供述しています。
Aさんの親は、Aさんの逮捕を知り、今回も何とかしたいと考えています。
どうすればよいのでしょうか。
(事例はフィクションです。)

起訴、不起訴を決める

検察官は勾留の満期日までにAさんを裁判にかけるか否かを決めなければなりません
勾留された状態で起訴された場合は、自動的に起訴後勾留に移行します。

特に処分を決めずにAさんを釈放し、在宅事件に移行する場合もあります

逮捕・勾留された事件であっても、在宅事件であっても、最終的に起訴・不起訴処分がなされることに変わりはありません

起訴後について

3回目の痴漢事件となれば、起訴猶予処分の獲得は難しいかもしれません
さらに、Aさんには同種前科で罰金刑を受けていることから、懲役刑の実刑判決を受ける可能性もありえます
早期に弁護活動を開始し、執行猶予付き判決の獲得に向けて行動する必要があります

被害者との示談

被害者と示談ができれば、有罪判決を受ける場合においても有利な処分が期待できます

精神科などで治療を受ける

Aさんが度々痴漢を繰り返す原因には、医学や心理学などによって説明されるべき、根深いものがあるように思われます
精神科などで治療を受けることにより、再犯防止に努めていることを裁判官にアピールすることができます。
ただし、勾留された状態でこのような専門的治療を受けることはできないでしょう。
したがって、身柄解放を事前に実現することが重要です。
弁護士に、釈放・保釈に向けた活動を依頼しましょう

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