Archive for the ‘事例解説’ Category
【事例解説】マッサージ店の店員に痴漢し現行犯逮捕(前編)
マッサージ店の店員に痴漢した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の会社に勤めるAさんは、飲み会帰りにマッサージ店を利用した際、女性店員Vさんの胸や臀部を触るなどの痴漢行為を行いました。
その後、店側の通報によって駆け付けた警察によってAさんは現行犯逮捕されることになりました。
警察からAさんを逮捕した旨連絡を受けたAさんの父は、事件の詳細を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです)
【痴漢には何罪が成立するのか】
痴漢行為は、被害者の尊厳を侵害し、社会的な不安を引き起こすため、法的に厳しく取り締まられています。
この取締に関しては、大きく分けて二つの法規が関連します。
1つ目は、迷惑行為防止条例です。この条例は、公共の場での不適切な行為を防ぐ目的で各都道府県ごとに制定されています。痴漢行為もその対象となり、服の上から体に軽く触れた等の比較的軽微な場合は、この条例によって処罰されることが多いです。
この条例によって科される刑罰も都道府県ごとに異なり、例えば、「愛知県迷惑防止防止条例」に違反して痴漢行為をした場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となり(愛知県迷惑防止条例 第15条1項)、常習として繰り返し違反行為をした場合には、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」となります(第15条2項)。
他方、「岐阜県迷惑防止条例」に違反して痴漢行為をした場合は、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(岐阜県迷惑防止条例 第13条1項1号)となり、「常習」として繰り返し違反行為をした場合には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります(第13条8項)。
2つ目は、刑法第176条(出典/e-GOV法令検索)に定められる不同意わいせつ罪の規定です。
衣服やスカートの中に手を入れて直接体を触るなど、軽微とはいえないような痴漢の場合は、迷惑行為防止条例違反ではなく刑法に定められている「不同意わいせつ」で処罰される可能性があります。
刑法176条は刑罰として、「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
上記のように迷惑行為防止条例違反よりも不同意わいせつのほうが法定刑が重く、どちらで捜査されて事件が進行していくかは、被疑者にとって重要といえます。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含む豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
なるべく早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
【事例解説】痴漢事件で看護師の男が逮捕(後編)
痴漢事件で看護師の男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
大阪市内の病院に看護師として勤務するAさんは、通勤中の満員電車で、女性Vさんに「この人痴漢です」と訴えられ、周囲の人に取り押さえられ電車から降ろされました。Aさんとしては身に覚えがなかったため、痴漢の事実を否定し、その場を離れようとしましたが、引き続き取り押さえられ、その後、現場に駆け付けた警察によってAさんは現行犯逮捕されることになりました。
(フィクションです)
【不同意わいせつ罪で逮捕された場合の弁護活動】
今回の事例において、まずは、まず早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
またこれらの身柄解放活動の後は、2通りの弁護活動が考えられます。
①痴漢の事実を認める場合
痴漢の事実を認める場合は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指します。
②痴漢の事実を認めない場合
痴漢の事実を認めない場合は、弁護士との打ち合わせを通じて、最大限の防御活動を展開します。
具体的には、自白調書を作られないように取り調べへのアドバイスを行い、さらに嫌疑不十分での不起訴獲得を目指します。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、証拠調べや証人への反対尋問等を行い、無罪判決の獲得を目指します。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含む豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
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【事例解説】痴漢事件で看護師の男が逮捕(前編)
痴漢事件で看護師の男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
大阪市内の病院に看護師として勤務するAさんは、通勤中の満員電車で、女性Vさんに「この人痴漢です」と訴えられ、周囲の人に取り押さえられ電車から降ろされました。Aさんとしては身に覚えがなかったため、痴漢の事実を否定し、その場を離れようとしましたが、引き続き取り押さえられ、その後、現場に駆け付けた警察によってAさんは現行犯逮捕されることになりました。
(フィクションです)
【痴漢をした場合は何罪に?】
電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも事件化した場合、不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。
【看護師免許を持つ者に前科が付いてしまうと】
看護師免許等について定める保健師看護師助産師法の第9条1号は、「罰金以上の刑に処せられた者」について、免許を与えないことがあることを定めており、また、同法第14条1項3号では、「罰金以上の刑に処せられた者」について、厚生労働大臣が看護師免許の取消しをすることができる旨を定めています。
これは「することができる」と定められていることから、罰金以上の前科が付いた場合でも、看護師免許の取消しがなされない可能性もあります。
しかし、看護師免許を失う可能性も否定できないため、できる限りの予防策を講ずるべきであるといえます。
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【事例解説】痴漢後に電車から線路に逃走し現行犯逮捕(後編)
痴漢をして線路に逃走した後に不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
東京都在住の会社員のAさんは、通勤時の混雑した電車内で前に立っていた女性のスカート内に手を入れてお尻を触る等の痴漢行為をしました。
次の駅についた際に、女性に手をつかまれて声を上げられたため、Aさんは電車のドアが開いたタイミングで逃走しました。
周囲の乗客の数名にAさんは追いかけられたため、逃げ切るために線路内に逃走しました。
最終的に、Aさんは駅員と警察に取り押さえられ、不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことをニュースで知ったAさんの妻は、弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
業務妨害罪
業務妨害罪に関しては、刑法第233条と234条(出典/e-GOV法令検索)に規定されています。
まず第233条では「偽計業務妨害罪」が、そして第234条では「威力業務妨害罪」が規定されているのですが、「他人の業務を妨害する」という点に関しては「偽計業務妨害罪」も「威力業務妨害罪」も同じです。
それでは、「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」は、何が違うのでしょうか?
それは、業務妨害をする方法(手段)です。
偽計業務妨害罪が、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて業務を妨害するのに対して、威力業務妨害罪は、威力を用いて業務を妨害することによって成立します。
威力業務妨害罪
それでは「威力業務妨害罪」についてよく見ていきましょう。
刑法第234条には「威力を用いて人の業務を妨害(以下省略)」と威力業務妨害罪について規定されています。
ここでいう「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる一切の勢力です。
代表的なのは暴行や脅迫行為でしょうが、物を壊したり、隠したりする行為や、大勢で詰めかける行為、騒ぎを起こす行為なども威力業務妨害罪でいうところの威力に当たり、今回のように線路内に立ち入るという行為も、威力業務妨害罪でいうところの「威力」に該当します。
威力業務妨害罪の罰則
威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
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【事例解説】痴漢後に電車から線路に逃走し現行犯逮捕(前編)
痴漢をして線路に逃走した後に不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
東京都在住の会社員のAさんは、通勤時の混雑した電車内で前に立っていた女性のスカート内に手を入れてお尻を触る等の痴漢行為をしました。
次の駅についた際に、女性に手をつかまれて声を上げられたため、Aさんは電車のドアが開いたタイミングで逃走しました。
周囲の乗客の数名にAさんは追いかけられたため、逃げ切るために線路内に逃走しました。
最終的に、Aさんは駅員と警察に取り押さえられ、不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことをニュースで知ったAさんの妻は、弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
痴漢は何罪が成立する?
今回の事例は、通勤時に電車内でAさんが女性のスカート内に手を入れてお尻を直接触るという痴漢行為をしたというケースですが、このような痴漢行為は各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反または、不同意わいせつ罪になる可能性があると考えられます。
まず、迷惑行為防止条例違反とは、各都道府県が制定する迷惑行為防止条例に違反する罪で、東京都の迷惑防止条例(正式名称:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)では、正当な理由なく、人を著しく羞恥させたり、不安を覚えさせるような態様で、「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れる」というような痴漢行為が処罰されます。
次に、不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
今回の事件は被害者のスカート内に手を入れてお尻を直接触るという痴漢行為であり、軽微な痴漢とは言えないため、不同意わいせつが成立する可能性が高いでしょう。
(次回は、威力業務妨害について解説します。)
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【事例解説】飲食店の女性への痴漢行為で逮捕
飲食店の女性への痴漢行為で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県在住のAさんは、仕事終わりに同僚数名と、ホステスに行くことになりました。
店に着き、お酒を飲み進めたところ、すっかり気が大きくなってしまったAさんは、ホステスの女性従業員Vさんに執拗にボディータッチをするようになりました。
最初は、Vさんも軽くあしらう程度でしたが、だんだんとエスカレートするAさんをみて、Vさんは強く嫌がりました。Aさんの同僚もAさんを静止しようとしましたが、Aさんの行為は止まらなかったため、Vさんは隙を見て警察に通報しました。そこで、Aさんは警察署に連行されることになりました。
(フィクションです)
【酒に酔った状態での痴漢行為が何罪に問われるか】
お酒を飲みすぎた状態で理性を失い痴漢行為をしてしまうと、刑事事件に発展し前科が付いてしまう可能性もあり、一度の過ちで人生を棒に振りまねません。
今回の事例は、そのように飲み会で飲みすぎたAさんが店員のVさんのお尻を服の上から軽く手で触るという痴漢行為をしたというケースですが、このような痴漢行為は各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反または、不同意わいせつ罪になる可能性があると考えられます。
まず、迷惑行為防止条例違反とは、各都道府県が制定する迷惑行為防止条例に違反する罪で、愛知県迷惑行為防止条例2条の2は卑わいな行為の禁止を定めています。またこれに違反した場合の刑罰として、同15条1項により「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」が定められています。
次に、不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
このうち、いずれの罪で事件化するかは、認定される事実によって異なりますが、いずれの罪も刑罰として懲役が予定されているため、いち早く弁護士に依頼して、今後の対応を考えることをおすすめします。
【痴漢で前科が付くことを回避するには】
今回の事例において、Aさんは逮捕された訳ではありませんが、後日逮捕される可能性もあるため、早期段階において弁護士を事件に介入させることをお勧めします。
もしも逮捕に至った場合、まずは早期の身体解放を目指します。逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこで、これを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また、その後は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指し、職を追われるリスクを少しでも軽減できるように努めます。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意わいせつ事件を含む刑事事件に強い法律事務所です。
経験豊富な弁護士が弁護活動を行うことで、早期に身体拘束から解放されたり、示談による不起訴処分を獲得したりすることができる可能性が高まります。
ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
【事例解説】専門学生がコンサート会場で痴漢して逮捕
専門学生が、人気歌手のコンサート会場で痴漢して逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
埼玉県の美容専門学校の美容師コースに所属しているAさんは、人気歌手のコンサートに行った際に、隣にいる女性Vの胸をどさくさに紛れて3回触ってしまいました。
コンサートが終わり、会場の外に出ようとしたAさんは、Vさんに「胸、触りましたよね?この人痴漢です!」と呼び止められ、駆けつけた警察官に逮捕されてしまいました。
夜になってもAさんが家に戻らないことを心配したAさんの両親が、最寄りの警察署に相談しに行ったところ、Aさんは加害者として逮捕されていると告げられました。
詳細を警察から教えてもらえなかったAさんのご両親は、ネットでどうすれば良いか情報収集した結果、できるだけ早く弁護士に相談すべきであると知り、刑事事件に強い弁護士に初回接見の依頼をしました。
(フィクションです)
【痴漢は何罪?】
専門学校に通うAさんは、人気歌手のコンサート会場で、近くにいた女性の胸をどさくさに紛れて数回触ってしまったようです。
このような痴漢行為は、刑法176条の不同意わいせつ罪(出典/e-GOV法令検索)に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、同意しない意思の形成等をするいとまがないなどの事由のために、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為」に及ぶ犯罪であり、法定刑は、6ヶ月以上10年以下となっています。
被害者の女性は、コンサートを楽しんでいたところを、いきなりAさんから胸を触られたようですから、臀部を触られることについて同意するか否かの判断をするいとまがなかったと言えそうです。
したがって、本件では、不同意わいせつ罪が成立する可能性があります。
【もし家族が逮捕されたらすべきこと】
本件では、Aさんのご両親は、刑事事件を専門とする弁護士に初回接見の依頼をしたようです。
接見とは、弁護士が、逮捕等によって刑事施設に身柄が拘束されている被疑者または被告人と面会することです。
初回接見により、Aさんは弁護士から取り調べに対するアドバイスを得ることができます。
逮捕中には、捜査機関から取り調べをうけ、その内容が供述調書としてまとめられ、裁判の証拠となります。
仮に、不利な供述調書が作成された場合、裁判でそれを覆すことは非常に困難ですから、そのような供述調書が作成されないように、取り調べに対してどのように対応するかを考えておく必要があります。
もっとも、どのような供述をすればよいかの判断を、法律の専門家でもない人が行うことは困難ですから、初回接見を利用することで弁護士からアドバイスをもらうことが得策です。
また、法律に詳しく一般の人にとって、家族が逮捕された場合に、今度どうなってしまうのか、何かできることはないのかなどわからないことだらけかと思います。
初回接見によって、依頼者の奥さんとAさんは、事件の内容を踏まえて今度の見通しを知ることができますから、これからどうなるか分からないという漠然とした不安を和らげることができます。
そこで、家族が逮捕されてしまったことがわかった場合には、すぐにAさんのご両親のように、弁護士に初回接見に行ってもらうことをおすすめします。
【不同意わいせつで逮捕された場合の弁護活動】
不同意わいせつ罪は被害者のいる犯罪ですから、被害者との間で示談を成立させることができるかどうかが重要となります。
早期に示談を成立させることができた場合には、不起訴処分を得られる可能性があります。
仮に、不起訴処分が得られなかったとしても、被害者との間で示談が成立していれば、執行猶予付き判決が得られたり、量刑の判断で有利に働く可能性があります。
示談交渉は自分でできると思われるかもしれません。
しかし、加害者自ら示談交渉をしようとして被害者との接触を試みても拒絶される可能性が高いです。
そのような場合であっても、弁護士相手であれば被害者が交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意わいせつ事件を含む刑事事件に強い法律事務所です。
経験豊富な弁護士が弁護活動を行うことで、早期に身体拘束から解放されたり、示談による不起訴処分を獲得したりすることができる可能性が高まります。
ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
【事例解説】高校生が電車内の痴漢でトラブルに①
高校生が電車内の痴漢でトラブルになった事例について2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の高校に通うAさんは通学中の電車内で、別の高校に通う女子高校生Bさんに「痴漢しましたよね」と腕をつかまれ、その後に停車した駅で降ろされました。
全く身に覚えのないAさんは、やっていないことを主張してその場から去ろうとしましたが、駅員室に連れていかれ、そのまま警察に引き渡されることになりました。
(フィクションです)
【痴漢をした場合は何罪に?】
電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも事件化した場合、不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。
【少年事件】
今回の事例のAさんのように、14歳以上20歳未満の罪を犯した少年のことを犯罪少年といいます。
この犯罪少年の場合、通常の刑事手続とは異なった手続で処分されることに注意が必要です。
通常の刑事手続の場合、まず検挙され、警察による捜査を受けます。そして警察の捜査が終了すると原則として検察官に送致されることになります。
検察官送致後は、検察官が事件について捜査をし、起訴不起訴の当否を判断し、起訴された場合は正式裁判になります。
他方、犯罪少年の場合、警察による捜査、検察官による捜査の後、さらに家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された場合、家庭裁判所の調査官が事件を調査し、少年審判を開始するか否かの判断を行い、少年審判に付されることになった場合、そこで、保護処分等(少年院送致、保護観察処分など)の少年への処遇が決定することになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
痴漢の疑いで捜査を受けている方、ご家族が逮捕されてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】医師が電車内で痴漢をしたとして逮捕(後編)
医師が電車内で痴漢をしたとして逮捕された事例について前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の病院に医師として勤務するAさんは通勤途中の電車内で、10代の女性に「痴漢をしましたよね」と腕をつかまれ電車を降ろされました。
しかし、Aさんには痴漢をした覚えはなかったため、痴漢はしていないと否定してその場から逃走しました。
後日防犯カメラの映像からAさんが特定され、後日逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されて困惑したAさんの妻は、状況を知るために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
【今後の具体的な対応】
今回の事例は、事件化しない可能性もありますが、後日警察に逮捕される可能性も高く、不安が強い場合は、弁護士に対応を依頼することをおすすめします。
事件化された際にはまず早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
またこれらの身柄解放活動の後は、依頼者の意向に応じて2通りの弁護活動の展開が考えられます。
①痴漢の事実を認める場合
痴漢の事実を認める場合は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指します。
②痴漢の事実を認めない場合
痴漢の事実を認めない場合は、弁護士との打ち合わせを通じて、最大限の防御活動を展開します。
具体的には、自白調書を作られないように取り調べへのアドバイスを行い、さらに嫌疑不十分での不起訴獲得を目指します。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、証拠調べや証人への反対尋問等を行い、無罪判決の獲得を目指します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで捜査を受けている方、逮捕されてしまってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
無料法律相談のご予約、初回接見の依頼は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。
【事例解説】会社の取締役が通勤中の電車内で痴漢
会社の取締役が通勤中の電車内で痴漢を行った事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
愛知県内の会社で取締役として勤務するAさんは帰宅途中の列車内で、30代の女性に痴漢をしたことで逮捕されました。
Aさんの妻であるBさんは、Aさんの帰りが遅く、電話も繋がらないことを心配して、警察にAさんの捜索を依頼しました。
そうしたところ、Aさんが警察に逮捕されていることを知ることができましたが、それ以上、Aさんが現在どのような状況なのか、今後どうなるのかといったことまでは警察からは教えてもらえませんでした。
そこで、Bさんは弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)
【痴漢行為は何罪にあたる?】
電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。
【会社役員に前科が付くと】
取締役等の会社役員に前科が付いてしまうと、会社法の定める欠格事由に該当し、職を追われる可能性があります。
会社法331条1項4号は、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)」について、取締役になることができないと定めています。
そのため、今回の事例でAさんが実刑判決になり、禁固以上の刑が科された場合には、代表取締役の職を辞さなければなりません。
【痴漢で前科が付くことを回避するには】
今回の事例において、まずは早期の身体解放を目指します。逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこで、これを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また、その後は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、執行猶予判決の獲得を目指し、職を追われるリスクを少しでも軽減できるように努めます。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。