【事例解説】電車で隣の人から痴漢犯人と疑われた痴漢冤罪事件

2023-10-10

電車で隣で寝ていた人から痴漢犯人に疑われたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんが会社帰りに電車に乗って座席に座っていたところ、Aさんの右側に座っていた女性のVさんが居眠りを始めて、Aさんの右肩に寄りかかってきました。
Vさんを起こすために不用意に身体に触れると痴漢に間違われかねないと思ったAさんは、自分が降りる駅に到着するまで、そのままの状態で我慢していました。
しばらくして、Vさんが目を覚ましたところ、何故か寝ている最中にAさんに頭や身体を触られたと思い、「痴漢してましたよね」と大きな声を上げました。
Aさんは否定しましたが、次の停車駅でVさんと一緒に降りることになり、Vさんが駅員に事情を伝えたところ、駅員が警察に通報しました。
Aさんは、駆け付けた警察官に事情を説明しましたが、とりあえず事情を聞きたいからと警察署まで連れて行かれることになり、調書を作成しました。
帰り際に、警察からまた連絡すると言われたAさんは、今後の対応について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

電車内での痴漢行為はどのような罪に問われる可能性がある?

電車という公共の乗り物の中で、相手の身体を触るといった痴漢行為を行った場合、各都道府県が定める迷惑行為防止条例に違反する可能性があります。
例えば、東京都を走行する電車内で痴漢行為を行った場合は、東京都迷惑行為防止条例5条1項1号に違反して、同条例8条1項2号によって、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、より悪質な痴漢行為を行った場合は、迷惑行為防止条例違反ではなく、刑法176条に規定されている不同意わいせつ罪や刑法177条に規定されている不同意性交等罪に問われる場合も考えられます。
例えば、電車で寝ている女性の胸を鷲掴みにしたという痴漢行為の場合には、不同意わいせつ罪に当たる可能性が高いですし、混雑した電車内で女性の膣の中に指を入れたという痴漢行為の場合には不同意性交等罪に当たる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪の法定刑は、迷惑行為防止条例違反の場合よりも重い6月以上10年以下の懲役刑となっていて、不同意性交等罪の法定刑は、さらに重く5年以上の有期拘禁刑となっています。

やってもいない痴漢の疑いで警察の捜査を受けられている方は

ところで事例のAさんは、電車内で居眠りをし始めたVさんの方から寄りかかられてきただけで、Aさんの方からVさんの身体に触れるような痴漢行為を一切していないにも関わらず、警察で痴漢の疑いで捜査を受けています。
このようにやってもいない痴漢の疑いで警察の捜査を受けている場合は、とにかく痴漢行為はやっていないと否定し続けることが重要になると考えられますが、警察官から疑われている中で、痴漢を否定し続けることは容易なことではありません。
取り調べのプロである警察官はあの手この手で、痴漢を認めるかのような供述を引き出そうとしてくる可能性もありますので、やってもいない痴漢の疑いで警察の捜査を受けられているという方は、痴漢冤罪を避けるためにも、弁護士によるサポートを受けられることを強くお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
やってもいない痴漢の疑いをかけられてお困りの方や、痴漢冤罪を避けたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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