駅で痴漢をして線路を逃走

2022-01-28

駅で痴漢をして線路を逃走

構内や電車内等で痴漢などの性犯罪を行い、身元特定や逮捕を免れるために線路逃走するケースに生じる法的問題について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

埼玉県在住の会社員Aさんは、会社通勤途中のJR上尾駅のホームにて、近くに立っていた女性会社員Vさんの身体を触る等の痴漢行為を行いました。
近くにいた別の女性がAさんの痴漢行為を指摘して鉄道警察を呼ぼうとしたため、痴漢行為によって逮捕されることを恐れたAさんは、線路へ降りて線路上を逃走しました。
その後、埼玉県警上尾警察署は、監視カメラと目撃者の情報からAさんの身元を解明し、Aさんは埼玉県迷惑行為防止条例違反痴漢)の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)

【駅での性犯罪後、線路へ逃走】

上記刑事事件例は、平成30年4月、JR新宿駅の電車内で会社員の女性を盗撮したとして駅員から事情を聴かれていた男性が、埼京線のホームから線路上に立ち入り、複数の線路を横断して敷地外に逃走したとして、東京都迷惑防止条例違反盗撮)の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。

また、令和元年8月、埼玉県さいたま市南区のJR南浦和駅で、線路内に何者かが立ち入りそのまま逃走したとして、非常ボタンが押されたところ、その原因としては、埼玉県在住の30歳代女性が駆けつけた警察官に対し、「線路に逃げた人に体を触られた」と痴漢被害を訴えたため、埼玉県警が埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで詳しい状況を調べています。

このように、電車内での痴漢盗撮等の性犯罪後、逮捕を免れるために線路上を逃走する背景には、一部では、電車内での性犯罪の発覚を免れる手引きやマニュアルを記載する闇サイト的存在があり、あえて線路上を逃走することで、電車の運行システムを混乱させたり、安全確認の手間を増やすことによって、犯人の特定を遅らせることができるからだ、という説もあるようです。

警察関係者の意見によれば、「線路なら追跡されにくいと考えていると思われるが、確かに追う側も事故に遭う危険性があり、容易には飛び降りることはできない」と話しており、過去5年ほどの電車内構内で発生した痴漢性犯罪で被疑者が線路逃走した事案について、警察官が現場に到着する前に被疑者が逃走に成功するケースがあり、被疑者の特定に至らなかったこともあるようです。

もちろん、警察関係者も「線路から敷地外に出られる付近の防犯カメラを洗い、検挙に全力を尽くす」と表明しており、性犯罪後に線路上を逃走して刑事事件化した場合、威力業務妨害罪鉄道営業法違反新幹線特例法違反の罪が成立する場合があり、併合罪として重く罰せられる可能性が高いでしょう。

それだけでなく、故意の線路立入により鉄道事業者に損害を与えた場合には、鉄道会社から高額の民事上の損害賠償請求を受けることもあり得るでしょう。

このような場合、性犯罪の被害者に対する示談以外に、鉄道会社に対する対応が必要な場合も考えられ、様々な刑事事件示談に経験豊富な弁護士に依頼することが望ましいでしょう。

電車内性犯罪をして、その後線路逃走して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談、または初回接見サービスをご検討ください。

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