【事例解説】痴漢事件で看護師の男が逮捕(前編)

2024-08-05

痴漢事件で看護師の男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

【事例】

大阪市内の病院に看護師として勤務するAさんは、通勤中の満員電車で、女性Vさんに「この人痴漢です」と訴えられ、周囲の人に取り押さえられ電車から降ろされました。Aさんとしては身に覚えがなかったため、痴漢の事実を否定し、その場を離れようとしましたが、引き続き取り押さえられ、その後、現場に駆け付けた警察によってAさんは現行犯逮捕されることになりました。
(フィクションです)

【痴漢をした場合は何罪に?】

電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも事件化した場合、不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。

【看護師免許を持つ者に前科が付いてしまうと】

看護師免許等について定める保健師看護師助産師法の第9条1号は、「罰金以上の刑に処せられた者」について、免許を与えないことがあることを定めており、また、同法第14条1項3号では、「罰金以上の刑に処せられた者」について、厚生労働大臣が看護師免許の取消しをすることができる旨を定めています。
これは「することができる」と定められていることから、罰金以上の前科が付いた場合でも、看護師免許の取消しがなされない可能性もあります。
しかし、看護師免許を失う可能性も否定できないため、できる限りの予防策を講ずるべきであるといえます。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含む豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
なるべく早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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