福岡県内における痴漢事件の身柄解放活動

2021-10-08

 

今回は、福岡県内を走る旅客バス車内において、痴漢をした疑いで逮捕されてしまった場合の身柄解放活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは通勤のため、福岡県内を走る旅客バスに乗車していた際、目の前に居た女性Vに
劣情を催し、その臀部を触るなどの痴漢行為を行ってしまいました。
前記行為はVに気付かれ、「次のバス停で降りましょう」と促されたのち、腕を掴まれたままVと共にバスを降車しました。
Vは警察を呼び、Aさんは駆け付けた警察官によって●署に連れて行かれ、取調べを受けました。
その後、Aさんは福岡県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~福岡県での痴漢事件~

福岡県内を走る旅客バス車内において、ケースの様な痴漢事件を起こしてしまった場合、福岡県迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性が高いでしょう。

※福岡県迷惑行為防止条例
(卑わいな行為等の禁止)
第六条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
一 他人の身体に直接触れ、又は衣服その他の身に着ける物(以下この条において「衣服等」という。)の上から触れること。

~逮捕後はどうなる?~

逮捕された場合は、犯罪事実の要旨について説明を受け、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。
留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。

送致後は、検察官の取調べを受けます。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、釈放して在宅捜査に移行するか、あるいは起訴するかを判断します。

勾留を請求されると、裁判官が勾留の可否を判断します。
勾留決定が出されると、10日間の身体拘束を受けます。
やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されます。

身体拘束を受けたまま捜査が続いた場合には、勾留の満期日までに、検察官が起訴・不起訴の別を判断します。
すでに在宅捜査に移行している場合であっても、起訴・不起訴の別が判断されますが、事件が検察へ送致されてから決定がなされるまでに数か月要する場合もあります。

~早期の身柄解放活動に着手~

上記の通り、逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において最長23日間の身体拘束を受けることになります。
その間、勤務先に出勤することはできないので、無断欠勤が続いてしまうと、クビになってしまうおそれもあります。
そのため、一刻も早く外に出られる弁護活動が必要となります。

(身柄解放活動の種類)
・「準抗告」
勾留決定の取消し、または変更を求める手続です。
準抗告が認容されれば釈放されるので、今までの生活に戻ることができます。

・「勾留取消請求」
「勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたとき」は、勾留の取消しを請求することができます。
「準抗告」と「勾留取消請求」のいずれが効果的かは、弁護士の助言を受ける必要があるでしょう。

・「勾留理由開示請求」
裁判官に、なぜ被疑者を勾留したのかを明らかにさせる手続です。
この手続自体に、身柄解放の実現に向けた直接的な効果があるわけではありませんが、公開の法廷で意見を裁判官に伝えることにより、勾留の可否を再考させることができるかもしれません。
ただし、公開の法廷で行われるため、自身が勾留されている被疑者であることが公に知られてしまうおそれがあります。
勾留理由開示請求を行うかどうかは弁護士とよく相談しましょう。

・「保釈」
起訴された後は、保釈を請求することができます。
保釈許可決定が出されれば、外に出ることができます。
ただし、被疑者の段階においては保釈を請求することはできません。

また、ケースの事件が初犯であれば、略式手続(書面だけで簡易な裁判を行う手続)によって事件が終了する可能性もあります。
この場合は、Aさんに略式命令謄本が交付されることにより釈放されるので、保釈請求を行う必要はありません。
ケースにおいて保釈請求を行うとすれば、全面的に公訴事実を争うなどの理由で略式手続を拒否し、正式裁判が長引くことが見込まれる場合などに限られてくるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.