宮城県仙台市の痴漢事件で逮捕

2019-11-05

宮城県仙台市の痴漢事件で逮捕

宮城県仙台市痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

会社員のAさんは、宮城県仙台市を走行する電車内において、目の前にいた女性Vの臀部を着衣越しに触ったところ、付近の人物に犯行を目撃され、警察に通報されてしまいました。
次の停車駅でAさんは電車を下ろされ、痴漢として宮城県迷惑防止条例違反の疑いで鉄道警察隊に現行犯逮捕されてしまいました。
現在、宮城県仙台中央警察署に引致され、取調べを受けています。(フィクションです)

~宮城県迷惑行為防止条例を解説~

以下に、宮城県迷惑行為防止条例第3条の2第1号を引用します。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
一 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。

「公共の場所」とは、「道路、公園、広場、駅、興行場、飲食店その他の公共の場所」をいい、「公共の乗物」とは、「汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物」をいいます(宮城県迷惑行為防止条例第3条1項)。
ケースの電車内は明らかに「公共の乗物」に該当し、電車内でVの臀部を衣服の上から触ったAさんに宮城県迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性は高いと思われます。

~Aさんは逮捕後どうなるか?~

警察署で取調べを受けた後、留置の必要があると認められるときは、逮捕時から48時間以内に検察庁へ身柄が送致されます。
検察庁では、検察官から取調べを受けることになります。
検察官は取調べを行ったのち、逮捕時から72時間以内、Aさんの身柄を受け取ったときから24時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいは起訴するかを決めます。
勾留の請求があった場合、裁判官が勾留の要件(逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれの有無など)について審査を行い、勾留の要件を満たしていると判断すれば、勾留決定を出します。
勾留の期間は原則として10日間ですが、やむを得ない事由があると認められるときは、さらに最長10日間の限度で、勾留延長を行うことができます。
そして、検察官は、勾留の満期日までに、Aさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決めることになります。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

以上によれば、Aさんは逮捕後、最長23日間身柄を拘束される可能性がある、ということになります。
勤務先や学校を23日間も無断欠勤すると、解雇される可能性が高いと思われます。
そのためにも、身柄解放活動を弁護士に依頼し、早期に社会に復帰できるよう活動してもらうことをおすすめします。
逮捕された後も、勾留されなければそのまま会社に出勤できるので、勤務先からの評価に対する悪影響は最小限度で済みます。
勾留される前に弁護士に依頼すれば、検察官や裁判官に対し、勾留の要件を満たさないこと(しっかりとした身元引受人がいるから逃亡のおそれがないなど)を主張し、勾留請求、勾留決定をしないよう働きかけることもできます。
刑事手続きの初期では、勾留をさせない活動が重要となります。
勾留されてしまった場合は、「準抗告」などの、勾留決定に対する不服申し立ての制度を利用します。

~不起訴処分の獲得を目指し、被害者と示談する~

検察官は捜査の最終段階において、Aさんを裁判にかけるかどうか、すなわち起訴か不起訴かを決めなければなりません。
その判断に際しては、Aさんの性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、仮にAさんの有罪を立証できる場合であっても不起訴にすることができます(刑事訴訟法第248条)。
被害者との示談が成立していると、「犯罪後の情況」の一要素として有利に考慮されることが期待できます。
さらに、勾留されている場合でも、示談が成立した場合には、釈放される可能性が高まります。
刑事事件において被害者と示談を成立させることには、多くのメリットがあるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースのような痴漢事件の解決実績も豊富です。
ご家族が痴漢事件を起こしお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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