路上痴漢で逮捕された場合には刑事事件に強い弁護士

2020-10-03

路上痴漢で逮捕されてしまった事案を題材に、強制わいせつ事件などにおける弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

千葉県館山市に住むAは、夜間人通りの少ない路上において、すれ違いざまにV女(24歳)の胸を衣服の上から力を込めて鷲掴みにし、V女が怯んだ隙にそのまま逃走した。
千葉県館山警察署の警察官は、Aを強制わいせつの疑いで逮捕した。
Aの家族は、痴漢事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~路上における痴漢行為~

本件でAは、いわゆる路上痴漢行為を行っています。
本行為には、どのような犯罪が成立しうるのか以下検討してみましょう。

まず問題になるのが、刑法176条の強制わいせつ罪が成立するか否かです。
刑法176条は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」場合に本罪が成立すると定めています。
AのV女(24歳)の胸を鷲掴みにする行為が、「わいせつな行為」に当たることは比較的明らかでしょう。
したがって、ここで焦点となるのは、Aがわいせつ行為の手段(あるいは一体の行為)として「暴行又は脅迫」をしたといえるかどうかです。
本罪の「暴行」又は「脅迫」は、実務においては、被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度のものであると解されています。
つまり、強制性交等罪(旧強姦罪)のような、被害者の反抗を著しく困難にする程の強度なものである必要はありません。
本件でのAの行為は、V女の胸を触るにとどまらず力任せに鷲掴みにするものであり、被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りるものとして「暴行」の要件を満たすと考えられます。

仮に、刑法176条の強制わいせつ罪が成立しない場合でも、本件行為が各都道県が制定するいわゆる迷惑防止条例違反に該当する行為であることには注意が必要です。
もっとも、強制わいせつ罪が「6月以上10年以下の懲役」を定めているのに対して、迷惑防止条例は痴漢行為を「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」と定めていることが多く、法定刑に大きな差があります。
このように成立する犯罪によって科され得る刑罰も異なってくることから、仮に強制わいせつ罪で逮捕されていたとしても、本当に本罪が成立するかどうかについては慎重な吟味が必要になります。

~痴漢事件における示談活動等~

強制わいせつ罪が成立するかどうかは刑事法の専門的な知識が不可欠であるため、専門知識を持つ弁護士に相談することが重要です。
しかし、強制わいせつ罪・迷惑防止条例違反のいずれが成立するにしても、刑罰を避け不起訴となるためには被害者との示談を成立させることが肝要です。
したがって、起訴前の捜査段階において、被害者と示談を成立させるための弁護活動が極めて重要になります。
なお、上記のとおり、強制わいせつ罪においては迷惑防止条例違反と異なって罰金刑が定められていません。
示談が成立しない場合には、略取起訴などの簡易な手続きを利用できず通常の刑事裁判を甘受せざるを得ない立場に立たされてしまう危険性が高いことを心得ておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ迷惑防止条例違反などの痴漢事件を含む刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強制わいせつ事件を含め痴漢事件の弁護活動経験が豊富な弁護士が、いつでもご相談をお待ちしております。
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