【事例解説】痴漢で逮捕されて釈放 事件は終わり?
痴漢で逮捕された後で釈放されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、通勤のために利用していたバスの中で、近くにいた女性Vさんの胸を服の上から、手の甲で軽く撫でるという痴漢行為をしました。
Aさんは定期的にそのような痴漢行為をVさんに繰り返していました。
ある日、いつものようにVさんに痴漢しようとしていたところ、突然警察に捕まって逮捕されてしまいました。
Aさんは警察に逮捕された後、検察庁に行き、検察官に勾留請求されましたが、裁判官によって勾留請求が却下されて釈放されました。
Aさんは警察から自宅に帰ることができましたが、事件がこれで終了したのか不安になり、弁護士に今後について相談することにしました。
(この事例はフィクションです)
痴漢で逮捕されたけれども釈放されたら?
Aさんのように、服の上から被害者の胸を手の甲で軽く撫でるという痴漢行為は各都道府県が規定する迷惑防止条例違反か刑法の不同意わいせつ罪が成立する可能性のある行為です。
例えば、宮城県で痴漢行為をしてしまった場合、宮城県迷惑行為防止条例3条の1第1項1号に違反して、同条例17条1項1号によって、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。
不同意わいせつが成立する場合は、6か月以上10年以下の懲役(改正後は「拘禁刑」)が科される可能性があります。
ところで、事例のAさんは痴漢をして逮捕された後に、釈放されています。
警察に逮捕されると多くの場合、逮捕後48時間以内に警察から検察に送致されることになります。
そこで検察官から勾留請求がなされると、裁判官が勾留質問を開いて勾留するかどうかを決定します。
逮捕されてから弁護士に依頼することなくそのままでいると、勾留が決まってしまう場合が多いのですが、逮捕の理由となった犯罪が軽微なものである場合や、逮捕された方が罪を認めていたり、逮捕された方がしっかりとした職業に就いていて家族の監督が期待できるような状況であるというような場合では、勾留がなされずに釈放されることもあります。
ただし、釈放されたとしても、それで捜査が終了して事件が解決したというわけではありません。
今後は在宅捜査という形で捜査が継続されて、起訴するかどうかの判断がなされることになります。
痴漢事件で警察の捜査を受けられている方は
痴漢事件で逮捕後にすぐに釈放されたという場合に、今後どうなるのかということについて不安に思われている方は、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。