駅構内で女性のスカート内を覗き逮捕
今回は、ステッキの先に取り付けた小型の鏡を用いて、女性のスカート内を覗きみてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、大阪府内の駅構内上り階段において、ステッキの先に取り付けた小型の鏡を用い、前を歩いていた女性のスカート内を覗きみてしまいました。
不審人物としてAさんをマークしていた大阪府鉄道警察隊が、階段を上りきったところで職務質問をしたところ、ステッキに取り付けられた鏡を認めました。
Aさんが女性のスカート内を覗きみたことを認めたので、Aさんは大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪~
Aさんに成立しうる犯罪がどのようなものかを知るためには、「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」第6条1項を参照する必要があります。
大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
二 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
三 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。
Aさんには、上記2号に違反する罪が成立するものと思われます。
すなわち、Aさんは、公共の場所である駅構内上り階段において、スカートで覆われている内側の女性の身体、又は下着を、ステッキの先に取り付けた鏡を用いて見ています。
さらに、上記行為を被害女性が知ったならば、これを著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせることになるでしょう。
上記事実関係によれば、Aさんに大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反の罪が成立する可能性は高いと思われます。
本罪には、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が予定されています(大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第17条1項2号)。
~ケースの事件を示談で解決~
示談とは、加害者と被害者の方の間で話し合い、主に金銭的な賠償をすることによって、迅速に刑事事件を解決することです。
示談にも様々な種類があり、①単に被害者に生じさせた損害を賠償するに留まるもの、②被害者に宥恕条項(「被疑者に寛大な処分を求める」など)を入れてもらえるものなど、様々です。
当然ながら、後者の方が有利です。
特に、ケースの事件が初犯であれば、不起訴処分を獲得できる可能性が十分あります。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、前科がつきません。
ケースの場合においては、最も有利な事件解決といえるでしょう。
ただし示談交渉には、信頼できる弁護士を選任することが重要です。
信頼できるか否かは、弁護士の力量、弁護士自身の事件解決に向けた意欲、そして、Aさんと弁護士との相性を考慮して判断しなければなりません。
まずは弁護士による接見を通じてアドバイスを受け、最も適切な弁護活動のプランを検討する必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。