Archive for the ‘未分類’ Category
千葉県で男性に痴漢
千葉県で男性に痴漢
~ケース~
Aさんは、千葉県千葉市所在の駅ホームにおいて、電車を待っている際に目の前の男性Vの臀部を触りました。
Vはたまたま何かが触れただけかと思っていましたが、後ろを見ると明らかにAさんが自身の臀部に手を伸ばして触っているのを認めたので、痴漢ではないかと考え駅員を呼びました。
Aさんは駅員と共にかけつけた鉄道警察隊により、任意同行として千葉県千葉中央警察署へ連行されてしまいました。(フィクションです)
~男性に対する痴漢行為の処罰~
Aさんには、千葉県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(いわゆる千葉県迷惑防止条例)違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
千葉県迷惑防止条例第3条2項は、
①何人も、
②女子に対し、
③公共の場所又は公共の乗物において、
④女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような、
⑤卑わいな言動をしてはならない
としています。
上記の行為が男子に対して行われた場合も同様です。(同条同項後段参照)
上記の行為を行い、有罪が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
各都道府県においてそれぞれ迷惑防止条例が制定されており、自治体によって法定刑、犯罪の成立要件、条文の文言にバラつきがありますが、上記のような規定は、すべての自治体の迷惑防止条例に存在します。
以前は、客体を女性に限定し、男子に対する痴漢行為を処罰しない迷惑防止条例を制定していた自治体もありましたが、現在はすべての自治体において、男子に対する痴漢行為も処罰されるようになっています。
~今後の捜査の見通し~
Aさんは今後どうなるのでしょうか。
おそらく、警察署へ任意同行として連行された後、取調べを受け、駅へ行った目的、Vに触れた動機、余罪などについて尋ねられるでしょう。
警察署に連れて行かれたAさんとしては、逮捕されるかどうかが大いに心配であると思います。
Aさんの行った行為が犯罪である以上、逮捕される可能性はゼロとはいえません。
取調べが終わった後、逮捕されてしまう可能性もあります。
反対に、取調べが終わった後、家に帰ることができる場合もあります。
その場合は、在宅で捜査が進行し、警察の呼び出しに応じて出頭し、取調べを受けることになります。
警察での捜査が熟すると、事件が検察に送検されます。
この場合は、検察庁から呼び出しを受けるので、警察段階と同じように、検察庁へ出頭します。
検察官もAさんの事件について取調べを行い、捜査の最終段階において、Aさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを判断します。
日本の刑事訴訟法は、検察官が裁判で被疑者の有罪を立証できる場合であっても、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、不起訴処分をすることができると定めています(刑事訴訟法第248条)。
これを「起訴便宜主義」といいます。
~弁護士に示談交渉を依頼~
刑事事件においては、被害者と示談を成立させることが非常に重要です。
示談とは、事件の当事者間において行われる、事件解決に向けた合意をいいます。
通常、加害者から被害者へ、相当の金銭を支払うことによって行われます。
示談が成立すると、検察官において、犯罪後の有利な状況として考慮されることが期待できます。
示談交渉が功を奏し、不起訴処分を獲得することができれば、裁判にかけられることがないので、前科が付かずにすみます。
また、後日、被害者から慰謝料などの損害賠償請求を受けるリスクを無くすこともできます。
被害者と示談を成立させることには大きなメリットがあります。
弁護士から、示談交渉の見込み、示談の効果についてアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、痴漢事件の解決実績も豊富です。
痴漢事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
痴漢と再逮捕
痴漢と再逮捕
埼玉県本庄市に住む大学生のAさんは、市内の駅に向かう電車の中で女性Vさんに痴漢をしたことで周囲の人に取り押さえられ、駅で待ち伏せていた埼玉県本庄警察署の警察官に埼玉県迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されてしまいました。その後、Aさんは本庄警察署の留置施設に収容され、警察官、検察官の弁解録取を受けた後、検察官によって勾留請求の手続きを取られてしまいましたが、請求を受けた裁判官が「勾留の必要性なし」との理由により請求を却下したことから釈放されました。Aさんは、その際、警察官から「呼び出しの際は、正当理由がある場合のほかは出頭する」などと記載された誓約書にサインをしました。ところが、Aさんは、その後の警察からの繰り返しの呼び出しにも応じませんでした。そこで、Aさんは、再び同一事実、同一罪名で逮捕されてしまいました。Aさんの妻は一度目の逮捕のときに依頼した弁護士に再び接見を依頼しました。
(フィクションです。)
~ 逮捕 ~
逮捕とは、罪を犯したと疑われている人(被疑者)を比較的短時間拘束することをいいます。
警察に逮捕されると、通常、警察の留置場に収容されます。
その後、警察官の「弁解録取」という手続き(被疑者から事件について話を聴く手続き)を受け、釈放か否か判断されます。釈放されない場合は、逮捕から48時間以内に、検察官のもとへ事件と被疑者を送致する「送検」という手続が取られます。
送検を受けた検察官からも、警察官と同様、「弁解録取」という手続きを受け、釈放か否か判断されます。釈放されない場合は、勾留請求手続きが取られたと考えてよいでしょう。この手続きは、送検のときから24時間以内になされます。
勾留請求されると、今度は裁判官の「勾留質問」という手続き(これも事件について話を聴く手続き)を受けます。その上で、検察官の勾留請求を許可するか却下するか判断されます。却下された場合は、検察官の不服申し立てが認められない限り釈放されます。今回のAさんもこの段階で釈放されているようです。
~ 釈放後の再逮捕に注意 ~
再逮捕とは、同一事実につき、時を異にして再び逮捕することをいいます。
再逮捕は原則的として認められていません。
なぜなら、これを認めてしまうと、法が定めた厳格な身柄拘束期間の制限(たとえば、警察官は逮捕から48時間以内に送検しなければならないなどの決まりごと)が機能しなくなり、人権保障が危うくなるからです。
なお、再逮捕とは、あくまで
同一事実
に関する逮捕のことをいい、
別事実
の逮捕は、再逮捕とはいいません。よく、マスコミなどで「再逮捕」という言葉を使われますが、多くはすでに
逮捕された方が「別事実」で逮捕されたこと
を意味しているのであって、本来の再逮捕の意味とは異なることに注意が必要です。
同一事実かどうかは、前の逮捕事実と再逮捕された事実の
罪名はもちろん、犯行時期・場所、被害者、犯行態様、保護法益等
を比較して判断されます。
今回、Aさんは同一日時・場所、同一被害対する痴漢の事実で逮捕されており、本来の意味での再逮捕であって、原則として許されないことになります。
~ 再逮捕にも例外がある? ~
しかし、再逮捕を原則として禁止する趣旨は、身柄拘束の不当な蒸し返しを禁ずる点にあり、それに該当しない場合には再度の身柄拘束を認めても差し支えないと考えられています。
そして、不当な蒸し返しか否かは、
・逃亡・罪証隠滅のおそれが再発生するなど、先の逮捕終了後の事情変更により再逮捕すべき合理的必要性が生じたこと
・犯罪の軽重や嫌疑の程度その他諸般の事情から、被疑者の利益を考慮してもなお再逮捕がやむを得ないと言える程度の再逮捕の高度の必要性が生じたこと
が必要とされています。
再逮捕された場合は、本当にその要件を満たしているのかどうか厳密にチェックする必要がありますから、再逮捕でお困りの際は弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件などをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
痴漢事件と不起訴
痴漢事件と不起訴
兵庫県尼崎市に住むAさんは、満員の通勤電車に乗って職場へ向かう途中、前に立っていた女性Vさんの太ももなどを触りました。すると、Aさんは、Vさんから大声を上げられ、「この人痴漢です」と言われたことから周囲にいた男性に次の降車駅で降ろされてしまいました。そして、Aさんは駆け付けた鉄道警察隊の警察官に兵庫県迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。Aさんは不起訴処分獲得に向けて私選の刑事弁護人を選任しました。
~ 痴漢行為 ~
痴漢行為は、各都道府県自治体が定める迷惑行為防止条例(名称は各都道府県により異なる)によって禁止され、罰則も設けられています。
概ね、どの条例でも、痴漢行為を
人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法
で、
公共の場所、あるいは公共の乗物
において、
衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れる行為
を痴漢行為として禁止しているようです。
ただし、一言で痴漢といっても、行為態様などによっては強制わいせつ罪(刑法176条)に問われる可能性もあることから注意が必要です。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪では、「暴行又は脅迫」が必要とされていますが、「暴行」それ自体がわいせつな行為であっても同罪は成立すると解されています。
たとえば、
いきなり、女性の背後から胸を揉む
などの行為です。
こうのように、一見、条例違反と区別のつかない行為が強制わいせつ罪に当たる可能性がありますから注意が必要です。
一般的には、痴漢行為の内容が性器に直接触れるなど悪質であれば、条例違反ではなく強制わいせつ罪となる可能性が高くなります。
~ 不起訴とは ~
不起訴とは、検察官が下す終局処分(その事件について起訴・不起訴を終局的に決める処分)の一種で、その意味は文字通り、起訴されないということです。
不起訴は、検察官が下す終局処分の一種ですから、不起訴処分にできる権限を持つのは警察官でもなければ、裁判官でもなく、
検察官
です。検察官の元には、警察や検察の捜査で収集した証拠が全て届けられます。その証拠の中には、被疑者(犯人)にとって不利な証拠もあれば、有利な証拠も含まれています。したがって、検察官は、それらの証拠を総合的に判断して、事件を起訴するか、不起訴にするか判断できる立場にあるのです。
~ 不起訴の理由にも種類がある ~
検察官が不起訴と判断するに至った理由の「題名」のことを裁定主文といいます。よく目にするのが、「起訴猶予」と「嫌疑不十分」です。
起訴猶予とは、検察官が、証拠から犯罪であることは明らかであるが、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況から起訴する必要がないと判断したときに裁定するものです。
刑事訴訟法248条
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。
嫌疑不十分とは、検察官が起訴するに足りる証拠が集まっていないと判断したときに裁定するものです。
~ 理由によって弁護活動が異なる ~
どんな不起訴理由を獲得するか、によって痴漢の弁護活動は異なってきます。
起訴猶予獲得を目指す場合は、被害者との示談交渉がメインとなります。
嫌疑不十分獲得を目指す場合は、被疑者が痴漢行為を否認している場合が多いと思われます。したがって、接見を頻繁に行って、取調官の誘導に乗らないよう、取調べに関するアドバイスをさせていただいたり、被疑者の言い分をお聴きし、意見書などを検察官に提出するなどします。
~ 不起訴処分を受けたら? ~
不起訴処分を受けたら、刑事裁判にかけられることはなく、裁判所に出廷する必要はありません。したがって、懲役、罰金の刑罰を受けることもなく、前科が付くこともありません(前歴は残ります)。
身柄を拘束されている場合は、釈放される可能性が高いでしょう(ただし、不起訴処分を受けたことが釈放の条件ではありません)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
下半身を押しつけ痴漢に
痴漢事件の弁護活動
【事件】
会社員のAさんは、福岡県北九州市を走行する電車内で、女性Vさん(当時19歳)の身体にスカートの上から陰部を押し付けるという痴漢行為をしました。
Vさんが声を上げたことで、Aさんは近くにいた男性数名に取り押さえられ,通報を受けて駆けつけた福岡県折尾警察署の警察官に引き渡されました。
現在Aさんは福岡県迷惑防止条例違反の疑いで取調べを受けています。
(フィクションです)
【迷惑防止条例違反の罪と強制わいせつ罪】
いわゆる痴漢行為によって成立する犯罪は,ほとんどが各都道府県の定める迷惑防止条例違反の罪か強制わいせつ罪(刑法第176条)のいずれかです。
福岡県迷惑防止条例では,第6条において「何人も,公共の場所又は公共の乗物において,正当な理由がないのに,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない」とし,その第1号に「他人の身体に直接触れ,又は衣服の上から触れること」を掲げています。
法定刑は、通常の場合6月以下の懲役または50万円以下の罰金で,常習の場合ですと1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
他方,強制わいせつ罪を定める条文は「13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする」となっています。
強制わいせつ罪におけるわいせつな行為とは,被害者の意思に反して身体的内密領域を侵害し,そのことによって被害者の性的羞恥心を害し,かつ一般人でも性的羞恥心を害されるであろうとされる行為のことをいいます。
具体的には,陰部・乳房・尻・太もも等をもてあそぶ行為,裸にして写真を撮る行為,無理矢理キスしようとする行為などが挙げられます。
加えて,被害者に行為者自身の性器等に触れさせる行為もわいせつな行為に含まれます。
実際には個別具体的な事情に基づき判断されるので、ここに挙げた行為以外も場合によってはわいせつな行為に当たる余地があります。
なお,被害者が13歳以上であった場合,わいせつな行為をする手段として暴行・脅迫がなければ強制わいせつ罪は成立しません。
ここでの暴行・脅迫は,被害者の反抗を著しく困難にする程度に強いものでなければならないとされています。
ただ,痴漢被害にあっていることを周囲に知られたくなかったり,より悪質な行為をされないかという恐怖心などから反抗できない心理状態が比較的容易に形成されることも事実です。
したがって,その当時の状況等を総合的に考慮した結果,客観的な強度がそれほど強いとはいえない暴行・脅迫であっても反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫であるとされる場合もあります。
痴漢行為においては,衣服の上から被害者の陰部や尻,太もも,胸を触ったり揉んだりした場合は迷惑防止条例違反として扱われる場合が多いです。
一方で下着の中に手を入れるなどして直接陰部を触った場合は強制わいせつ罪になる場合が多くなります。
これらはあくまでそういった場合が多いということに過ぎず,衣服の上から触った場合でもその態様などがかなり悪質性の高いものであれば強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。
また,「触れ」ることが迷惑防止条例違反の要件になりますので,胸や尻などを撫でまわしたり揉んだりしていなくても,被害者が羞恥心や不安を覚える方法で身体に触れていれば,痴漢として処罰される余地があります。
そのため、最初は偶然他人の身体に手などが当たった場合でも、敢えて手を離さなければ痴漢として検挙されてしまうことも考えられます。
以上のことから,今回の場合ではAさんの行為は少なくとも迷惑防止条例違反に当たる可能性が極めて高いです。
【示談をして不起訴処分や執行猶予に】
痴漢事件では,特に女性が被害者となる場合は一般に処罰感情が強く,また、被疑者の逃走の可能性も高いと考えられていることから、現行犯逮捕されることも多い犯罪です。
もし痴漢による迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪の被疑者となってしまった場合は,早急に被害者に謝罪を申し入れ示談を成立させることで不起訴処分や執行猶予を得られる可能性を高めることができます。
ただし,性犯罪では被害者が加害者との面会・交流を拒否するケースが非常に多く,また事件の性質上デリケートな部分も多いため,性犯罪に強い弁護士に事件を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に所属する弁護士は、痴漢を含む性犯罪事件を数多く経験しており,その中には早期釈放や不起訴処分を獲得につながった事件も多くあります。
痴漢行為があったとして迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪の被疑者となってしまった方,折尾警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
痴漢で逮捕、釈放されたら
痴漢で逮捕、釈放されたら
東京都日野市に住む会社員のAさん(45歳)は、通勤電車内で痴漢をしたとして、警視庁日野警察署の警察官に東京都迷惑行為防止条例違反で逮捕されました。実は、Aさんは、以前から同じ電車内で痴漢を繰り返しており、警察官から目をつけられていました。Aさんは取調べで痴漢をしたことを素直に認め、Aさんの妻が身柄引受人となったことなどから、その日に釈放されました。
AさんとAさんの妻は、釈放されたことに安堵していたところ、今度は東京地方検察庁から出頭するよう呼び出しを受けてしまいました。AさんとAさんの妻は、今後どうしていけばよいか不安になり、痴漢事件の経験豊富な弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)
~ 痴漢ってどんな行為?罰則は? ~
痴漢罪という罪の名前はありませんし、「痴漢」の定義が置かれている法律、条例もありません。
しかし、全国各都道府県では、名称こそ多少異なるものの、条例で痴漢行為を禁じる規定を設けています。たとえば、東京都迷惑行為防止条例(以下、条例)を例にとりますと、条例5条1項1号には次の規定が設けられています。
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に身体に触れること
これがいわゆる痴漢行為を禁じる規定です。ですから、これからすると痴漢とは、
公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に身体に触れる行為
ということになります。
罰則は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」と規定されています(条例8条1項2号)。ただし、常習性が認められる場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と規定されています(条例8条8項)。全国的にほぼ同様の罰則となっています。
~ 釈放されたからと言って安心はできない ~
痴漢が見つかった場合、逮捕されることもあれば逮捕されないこともあります。
また、仮に逮捕された場合でも、逮捕から勾留に至るまで(およそ2~3日)に捜査機関の判断や裁判官の決定により釈放されることがあります。
ただし、釈放されたからといって捜査が終了したり、刑事処分(起訴、不起訴)が決まったわけではありません。
~ 逮捕→(勾留前)釈放後の流れ ~
警察の捜査も未了である場合が多いと思われます。
したがって、釈放後も警察による呼び出しを受け、取調べや実況見分への立ち会いを求められるでしょう。
そして、警察での捜査が終了した段階で、今度は検察庁から呼び出しを受けます。検察庁では取調べを受けることがメインとなるでしょう。この間、警察からの呼び出しを受けることもあります。つまり、刑事処分が決まるまでは、警察、検察から呼び出しを受ける可能性があることは覚悟しておいてください。
~ 釈放されると国選弁護人がつかない ~
釈放された場合のもう一つの注意点として、国選弁護人は選任されないということです。
つまり、逮捕され、勾留(10日間の身柄拘束)されれば国選弁護人が選任されるのですが、釈放された場合はご自身で私選の弁護人を選任しないかぎり弁護人は選任されないのです。
釈放されたからといって、捜査機関の捜査の手が緩められるわけではありません。
また、処分が身柄を拘束されたときよりも軽くなることもありません。
つまり、釈放され、弁護人を選任しないまま捜査機関の捜査を受けるだけになってしまうと、捜査機関の不当・違法な取り調べを受けるおそれも高くなりますし、本来、不起訴処分を獲得できた事案でも起訴され、懲役刑や罰金刑を科されてしまうおそれも出てきます。
こうした場合は、私選の弁護人を選任することも検討しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間体制で、無料法律相談・初回接見の予約を受け付けております。
痴漢事件で早期釈放
痴漢事件で早期釈放
埼玉県狭山市に住むAさんは、市内を走る通勤電車内で、前に立っていた女性の尻や太ももなどに自身の股間を当てる痴漢行為をしました。そうしたところ、Aさんは、電車を降りホームに降り立ったところで、犯行の一部終始を見ていた目撃者の男性から声をかけられ現行犯逮捕されてしまいました。その後、Aさんの身柄は埼玉県狭山警察署の警察官に引き渡されました。
(フィクションです)
~ 痴漢行為とは何か ~
痴漢行為の定義について明確な定義はありませんし、痴漢罪という名称の法令もありません。しかし、全国各都道府県では、名称こそ多少異なるものの、条例で痴漢行為を禁じる規定を設けています。たとえば、埼玉県迷惑行為防止条例(以下、条例)を例にとりますと、条例2条4項には
4 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
という規定が設けられています。つまり、簡略化していえば、
① 公共の場所又は公共の乗物において
② 他人に身体に触れ、又は衣服の上から触れること
が痴漢行為だということになります。ただし、これに類する行為は、必ずしも「公共の場所」あるいは「公共の乗物」で行われる、とは限りません。そうした場合は、条例違反には当たりませんが、刑法176条の
強制わいせつ罪
に問われる可能性はありますから注意が必要です。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
~ 条例の罰則 ~
条例の罰則は
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
とされています。ただし、常習性が認められる場合は
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
とされています。都道府県によっては、懲役の期間と罰金の額がそれぞれ埼玉県の2倍になっていることもあるため注意が必要です。
~ 逮捕後と早期釈放 ~
逮捕後の流れは以下の通りです。
①逮捕→②警察署の留置施設へ収容→③警察官の弁解録取→④送検→⑤検察官の弁解録取→⑥勾留請求→⑦裁判官の勾留質問→⑧勾留決定
警察官に逮捕されると、警察署内にある留置施設(留置場)へ収容されます(①、②)。
その後、警察署で「弁解録取」という手続きが取られます(③)。警察官から弁解を聴かれた上で、釈放か否か判断されます。ここで釈放されない場合は、逮捕(①)から48時間以内に検察官の元に送致する手続き(送検)を取られます(④)。
検察官の元でも「弁解録取」という手続きを取られます(⑤)。検察官から弁解を聴かれた上で、釈放か否か判断されます。ここで釈放されない場合は、勾留請求されます(⑥)。勾留請求は、検察官の元に送致されてから24時間以内になされます。
勾留請求されると、今後は、裁判官による「勾留質問」という手続きを取られます(⑦)。裁判官から話を聴かれた上で、釈放か否か判断されます。釈放されない場合は、勾留決定が出されたと考えていいでしょう(⑧)。勾留決定が出た場合は「勾留状」という裁判官名義の令状が発布され、勾留状に基づき指定の留置場等へ収容されます。
通常、弁護士が逮捕後に接見のご依頼を受けてから逮捕された方と接見するのは、早くても③から④の段階となるのではないかと思われます(なお、弁護人以外のご家族などは、⑧に至るまで逮捕された方と接見することができません)。したがって、この段階で弁護活動のご契約をいただければ、検察官や裁判官に対して早期釈放を促すことが可能です。
勾留されれば10日間(延長により最長20日間)という身柄拘束が待っていますから(ただし、不服申し立てにより早期釈放は可能)、勾留前の早期釈放をお望みの場合は、はやめに弁護士へご依頼ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。
大阪府大阪市東成区の痴漢事件
大阪府大阪市東成区の痴漢事件
~ケース~
Aさんは、大阪府大阪市東成区内を走る地下鉄の車内で、女性の臀部を着衣越しに触ってしまいました。
その様子を見ていた他の乗客に「お前痴漢しただろう」と腕を掴まれ、駅員室に連れて行かれました。
まもなく駆け付けた鉄道警察隊により、大阪府東成警察署へ連れて行かれ、取調べを受けています。(フィクションです)
~Aさんによる痴漢行為は何罪?~
大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下、「大阪府迷惑防止条例」)違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
ケースの場合においては、第6条1項1号の適用の可否が問題となります。
これによれば、
①人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
②公共の場所又は公共の乗物において、
③衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること
が禁止されていることになります。
これに違反し、有罪が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(常習であれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金)に処せられます(第17条1項2号、2項)。
上記事例のAさんは、電車という「公共の乗物」において、女性の臀部を着衣越しに触っています。
そして、こうした痴漢行為により、被害者である女性は少なくとも「著しく羞恥」したと考えられます。
そうすると、Aさんに大阪府迷惑防止条例違反の罪が成立する可能性は高いでしょう。
~逮捕後の流れ~
警察署での取調べを受けたあと、留置の必要があると認められるときは、逮捕時から48時間以内に検察庁に身柄が送致されます。
検察庁では、検察官から警察署と同様に取調べを受け、検察官が身柄を受け取ったときから24時間以内に、かつ、Aさんの逮捕から72時間以内に、①勾留の請求、②釈放、③起訴(裁判)のいずれかを決めます。
勾留請求は裁判官に対して行うものであり、裁判官が勾留の妥当性を認めて勾留を決定すると、勾留により10日間拘束が続くことになります。
さらに、やむを得ない事由があると認められるときは、さらに最長10日間勾留が延長されます。
検察官は勾留の満期日までにAさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放します。
以上から、逮捕されると、捜査段階で最長23日間もの間身体拘束を受けることになります。
~釈放に向けた活動~
身体拘束が長引くと、Aさんの社会生活に様々な悪影響が及ぶことが懸念されます。
当然ながら早期の身柄解放を実現すべきですが、具体的に弁護士が行う身柄解放活動とはどのようなものでしょうか。
以下は身柄解放に至る事情の例です。
(勾留をさせない活動)
検察官や裁判官に対し、勾留の要件を満たさないことを主張し、勾留請求、勾留決定をしないよう働きかけることが考えられます。
(被害者との示談)
迅速に示談交渉を行い、被害者と示談を成立させることが考えられます。
示談が成立すれば、当事者間で事件が解決したものとして、勾留されない、あるいは勾留中に釈放される可能性が高まります。
場合によっては、示談が成立したことを検察官や裁判官に伝え、釈放のための職権発動を促します。
~痴漢で起訴されたら~
Aさんが過去に痴漢などの性犯罪で捜査や裁判を受けたことがなく、ケースの件のみが起訴された場合には、罰金刑に処せられる可能性が高いと思われます。
その場合、被疑者の同意を得たうえで、略式手続という簡易・迅速な手続によって刑を下すのが通常です(刑事訴訟法461条参照)。
略式手続が開始されると、検察官のみの証拠により、書類審査の上、略式命令が出されます。
この場合は法廷という公の場で裁判が行われませんし、罰金や科料を納付すればすぐに釈放されますので、略式手続を選択することも選択肢の一つといえます。
ただし、基本的に事実認定は検察官の証拠に従うことから、犯罪事実の認定や自身に有利な事情の存否を争う機会はありません。
ほぼ確実に有罪判決を受けることになりますので、無罪を争う場合に略式手続を選択するのは適切ではないでしょう。
上記の点から、略式手続を選択すべきか、公判を選択すべきかは極めて重要な事項となります。
弁護士とよく相談した上で選択することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢事件を起こしお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
「卑わいな言動」で逮捕
「卑わいな言動」で逮捕
A(男性)は,兵庫県芦屋市内の居酒屋において1人で飲んでいたところ,酔っ払ったAは,隣のカウンター席に座っていたV(女性)の胸部をいきなり服の上からまさぐった。
このとき、Aは性的な目的で行為に及んだわけではなく、飽くまでもVをからかって楽しむつもりだった。
兵庫県芦屋警察署の警察官は,Aを兵庫県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕した。
Aの家族は,痴漢事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。
~痴漢に適用される「迷惑行為防止条例」の規定の差異~
兵庫県公衆に著しく迷惑を掛ける暴力的不良行為等の防止に関する条例(一部抜粋)
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
各都道府県が制定する迷惑行為防止条例は,それぞれの地方自治体における議会での議論状況などに関連して,やや文言や適用範囲に差があるものの,「卑わいな言動」といういわば包括的(抽象的)な規定を置き,痴漢行為等を広く処罰しようとしている点では共通しています。
もっとも,例えば兵庫県や千葉県の迷惑行為防止条例のように,服の上から身体を触るなどの痴漢行為を直接規定せず,この「卑わいな言動」という包括的規定のみを定める条例も存在します。
本件Aの行為も,この「卑わい言動」にあたる痴漢行為として,迷惑行為防止条例違反の容疑で逮捕されてしまっています。
さらに迷惑行為防止条例の規定には,「卑わいな言動」という文言の他に,多くは「不安をおぼさせる」という方法による限定を加えています。
「不安をおぼえさせる」とは,身体に対する危険を感じさせ,あるいは心理的圧迫を与えることをいうとされています。
本件では,Vは見ず知らずのAからいきなり胸をまさぐられており,心理的圧迫を受けていることに疑いはないでしょう。
したがって,Aの行為は「卑わいな言動」という文言にかかる「不安をおぼえさせる」という要件を満たすものと考えられます。
~「卑わいな言動」と性的意図の有無~
平成29年11月29日、最高裁判所において、強制わいせつ罪(刑法176条)に関する重要な判決が出されました。
上記大法廷判決は,強制わいせつ罪の成立に関して行為者の性的意図の要否を問題とするものです。
同判決は, 「強制わいせつ罪の成立要件の解釈をするに当たっては,被害者の受けた性的な被害の有無やその内容,程度にこそ目を向けるべきであって,行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は,その正当性を支える実質的な根拠を見いだすことが一層難し」いとし,従来の判例(最判昭和45年1月29日)を明示的に変更し,強制わいせつ罪の成立にあたっては性的意図の存在は必ずしも必要ないと判示しました。
他方、迷惑行為防止条例における「卑わいな言動」の意味については、かつて北海道において問題となったことがあります。
その最高裁判例によると、「卑わいな言動」とは、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語または動作を指すとされています。
この定義に行為者の性的意図は直接関わっていないことから、「卑わいな言動」についても行為者の性的意図は犯罪の成否に基本関係ないと考えられます。
そうすると、上記事例のAさんも迷惑行為防止条例違反に当たる可能性があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,迷惑行為防止条例違反を含む痴漢事件などの刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
近年では,条例違反による痴漢事件など比較的軽微な事件については,勾留(原則10日間の身体拘束処分)請求まではされなかったり,勾留請求却下されたりすることが統計上も有意に増えているといわれています。
痴漢事件で逮捕された方のご家族は,弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお早目にお電話ください。
初回法律相談:無料
痴漢冤罪で逮捕
痴漢冤罪で逮捕
~ケース~
Aさんは、北海道札幌市内を走る電車に乗車中、突然女性に腕を掴まれ「痴漢したでしょう。駅員のところに行きましょう」と言われ、話せばわかってもらえると思い、女性と一緒に駅員室に行きました。
ところが、駅員はAさんの弁解を全く聞こうとせず、「そういうのは警察で話してほしい」と言われ、取り合ってもらえません。
まもなく駆け付けた鉄道警察隊に札幌方面中央警察署へ連れて行かれ、痴漢の疑いで逮捕されたうえで取調べを受けました。
警察官からは2~3日泊ってもらうことになると言われ、困っています。(フィクションです)
~痴漢の嫌疑をかけられた場合に適用が検討される罪名を紹介~
主に①北海道迷惑行為防止条例違反の罪、②強制わいせつ罪の成否が検討されることになると思います。
(北海道迷惑行為防止条例違反の罪)
以下に、北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号アを引用します。
第2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
ア 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
電車は「公共の乗物」に該当します。
法定刑は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっております(同条例第11条1項)。
常習性が認められる場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(同条例第11条2項)。
(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする犯罪です。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした場合も同様です。
法定刑は、北海道迷惑行為防止条例違反の罪と比べて重く、6月以上10年以下の懲役となっております(刑法第176条)。
強制わいせつ罪は、北海道迷惑行為防止条例のように、「公共の場所又は公共の乗物にいる者」といった場所の制限がありませんので、電車内であっても、あるいは密室であっても、上記の行為を行えば強制わいせつ罪が成立します。
北海道迷惑行為防止条例違反の罪に留まるか、強制わいせつ罪が成立するかの線引きは、主に痴漢が「わいせつな行為」に至ったか否かで決まります。
具体的には、単に被害者の臀部などを着衣越しに触っただけであれば北海道迷惑行為防止条例違反の罪に留まる可能性が高いでしょう。
他方、下着の中に手を入れ、直接臀部を弄んだりした場合には、「わいせつな行為」に至ったものと判断され、強制わいせつ罪の成否が検討される可能性が高いです。
また、この場合、わいせつ行為自体が「暴行」と考えられます。
~痴漢冤罪が生まれる理由~
もちろん、Aさんが女性を触っていないのであれば、Aさんに北海道迷惑行為防止条例違反の罪や強制わいせつ罪が成立することはありません。
もっとも、電車内など人が密集している場所では、人の動きで偶然触ってしまったり、被害者の勘違いなどの理由によって、痴漢をしたと疑われてしまうことがあります。
また、被害者は確かに誰かに触られたが、真犯人ではない人を犯人であると誤解してしまうことも考えられます。
痴漢冤罪が生じる理由として、上記のような誤解から、刑事事件の被疑者になってしまうことが挙げられます。
~取調べではどうなるか?~
警察官は電車に乗った理由、経緯、女性を触った事実の有無などについて尋ねてくるでしょう。
ここで認識どおりに供述すればよいと思いますが、「女性を触った事実」については「たまたま触れてしまったということはないか」、「少しは触れてみようという考えがあったんじゃないのか」というように、ジリジリと故意に触れたという供述を引き出す取調べを行われることが珍しくありません。
触れた覚えもないのであれば、きっぱりと触れた覚えがないと回答すべきでしょう。
弁解をきいてもらえそうもないのであれば、黙秘するという手もあります。
取調べで供述した内容は、調書としてまとめられ、のちに裁判でAさんの有罪を立証するための証拠として用いられることがあります。
調書は警察官が読み上げるか、あるいはAさん自身が読むことによって、供述した通りに調書が作成されているか確認できる機会があります。
このときに署名を求められますが、供述したとおりに作成されていなければ、署名を拒否すべきでしょう。
~まずは弁護士に相談~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、ケースのような痴漢事件の解決実績も豊富です。
最近では、痴漢冤罪事件において、勾留できる相当な嫌疑がないものとして、勾留されずに済むケースもみられるようになっています。
接見にやって来た弁護士から、取調べ対応につき助言を受け、取調べに臨むことをおすすめします。
ご家族が痴漢事件で逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
車掌による痴漢
車掌による痴漢
事例:A(電車の車掌)は,自らの勤務中に,京都府京都市南区を走行する電車内にいたVの下半身を触った疑いをもたれている。
Vが,被害を訴えた結果,京都府南警察署の警察官は、Aを痴漢(迷惑行為防止条例違反)の疑いで逮捕した。
逮捕の知らせを聞いたAの家族は,痴漢事件を多く担当した経験のある刑事事件専門の弁護士に相談することにした。(本件は2019年7月24日の読売新聞の記事を基にしたフィクションです。)。
~車掌による痴漢という特殊な事例~
一般に電車内の痴漢というと,乗客による痴漢事件を思い起こすのが通常ではないでしょうか(多くは乗客である男性が加害者,女性が被害者です)。
もっとも,痴漢を行うのは乗客のみとは限りません。
例えば本件のように,本来であれば痴漢を見張ったり防止したりする役目を負うはずの人間が,その立場を利用して,痴漢行為に及ぶことがありえます。
痴漢行為に適用される法律や条例に関しては,強制わいせつ罪(刑法176条)やいわゆる迷惑行為防止条例などがあります。
後者(迷惑行為防止条例)に関しては,都道府県の条例の規定によって適用範囲にやや違いがあるものの,電車内の痴漢行為であれば適用対象となることは,どの都道府県でも変わらないと考えて構いません。
当然ながら,車掌であっても電車内で痴漢行為をすれば刑法や特別刑法(いわゆる刑法典以外に定められた刑罰法規)の対象になることになります。
~弁護士による早期の接見の重要性~
まず,本件のように逮捕されてしまった場合,もっとも重要なのがいち早く弁護士による支援をうけることです。
痴漢事件には,世間を騒がすようないわゆる冤罪事件として,被害者によるでっち上げ(あるいは勘違い)も存在するのが現実です。
そうである以上,被疑者として逮捕されてしまった人間の言い分も十分に聞く必要があります(そもそも,どんな人にもまず「疑わしきは罰せず」という無罪推定の原則が働くことを忘れてはならないでしょう。)。
この時点で,被疑者が犯行を認める意向なのかそうではないのか等含め,弁護士はまずその主張を虚心坦懐に聞く必要があります。
捜査側は罪を犯したことを前提に被疑者の取調べを行う傾向が極めて強く,無罪である可能性については十分な検討が行われているとはいいがたい状況があります。
また,本年(2019年)の6月から施行された,改正刑事訴訟法301条の2以下により,捜査機関の取調べの録音・録画が義務付けられることになりました。
しかし,この義務を負うのは一定の重大事件に限られており,痴漢事件はこの対象ではありません。
したがって,弁護士の立ち合い等が認められていない現在の日本の司法制度の取調べにおいては,特に捜査の初期段階では被疑者の言い分に十分に耳を傾けられない可能性が依然として残っているのです。
その意味でも,弁護士による接見(面会)を通じた,逮捕された被疑者への聞取りは弁護活動の始点として,極めて重要だということができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,迷惑行為防止条例違反や強制わいせつといった痴漢事件を含む性犯罪をはじめとした刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢事件で逮捕された方のご家族は,年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにお電話ください。
24時間体制で電話担当のスタッフが,弁護士による無料法律相談や接見(面会)など,相談者様のニーズに合わせたサービスをご説明差し上げます。