痴漢事件を起こし後日取調べ

2019-12-30

痴漢事件を起こし後日取調べ

痴漢事件で後日取調べが行われるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

Aさんは、北海道札幌市を走る電車内において、かねてから目をつけていた女性Vに対し、ナンパのつもりで痴漢をしようと思い、Vの衣服の上から臀部を撫でるなどしました。
Vは怖かったので、声をあげたり、振り払うなどして抵抗しませんでした。
AさんはVの態度から好感触であると考え、Vのカバンに連絡先を書いたメモをこっそり入れました。
後日、Aさんの携帯電話に札幌中央警察署から連絡があり、出頭するよう求められました。(フィクションです)

~北海道で痴漢をすると何罪が成立するか?~

北海道迷惑行為防止条例違反の罪、又は強制わいせつ罪が成立する可能性が高いと思われます。
両者の違いは、犯行態様が「わいせつ」に至ったかどうかにより判断されます。
若干分かりにくいですが、衣服の上から臀部を撫でるに留まった場合は、一般的に条例違反の罪に留まる可能性が高いと思われます。
反対に、下着の中に手を入れ、直接胸や陰部を弄んだ場合には、強制わいせつ罪が成立する可能性の方が高いと思われます。

北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号アは、

①公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、
②著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、
③衣服等の上から、又は直接身体に触れること

を禁止しています。
上記の行為を行い、有罪判決が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

北海道札幌市内を走行する電車は、北海道迷惑行為防止条例における「公共の乗物」に該当します。
そうすると、Aさんは、公共の乗物において、Vの衣服の上から臀部に触れたことになります。
このような行為は、Vを著しく羞恥させ、又はVにおいて不安を覚えさせるものと考えられるため、Aさんに北海道迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性は極めて高いと思われます。

~Aさんの痴漢行為が後日に刑事事件化した理由~

Vのカバンにメモを入れたため、警察としてもAさんが犯人であると断定しやすかったものと思われます。
Aさんとしては、Vの態度から自分の行動が拒まれなかったと考え、Vのカバンにメモを入れたのかもしれません。
しかし、全くVにその気がなく、後で警察に痴漢の被害を申告され、メモも提出されてしまっています。
犯行から月日が経過していても、こうした犯罪の痕跡がきっかけとなって検挙されることがありうる点は注意が必要です。

~Aさんは出頭するべきか?~

ケースにおいて捜査機関が行う捜査手法として、いくつかのパターンが考えられます。
一つは、ケースのように、Aさんに任意の出頭を促し、出頭後、取調べをするというものです。
もっとも、出頭後に逮捕される可能性は否定できません。
もし逮捕されずに家に帰ることができれば、逃亡したり、Vと接触するなどしない限り、在宅で事件が進行する可能性が高いと思われます。

もう一つは、任意の出頭を求めずに、最初から逮捕状の発付を受け、Aさんの自宅まで逮捕しに行く、というものです。
逮捕されてしまうと、Aさん自身で誰とも連絡を取ることができなくなります。
当然ですが、会社や学校に行くこともできません。

そもそも、被疑者の逮捕は、被疑者の逃亡、被疑者による罪証隠滅を防ぐために行われます。
出頭の求めに対し、出頭しないという選択肢をとるとどうなるでしょうか。
一般的に、逃亡・罪証隠滅のおそれがあると判断される可能性が高まることになります。
要するに、逮捕されるリスクが高まる、ということになります。
したがって、ケースのAさんは出頭した方が、逮捕されるリスクを高めずに済む、ということになります。
どうしても出頭できない場合は、警察にその旨を伝え、日程調整をする方が良いでしょう。

~まずは出頭前に弁護士と相談~

まずは出頭前に弁護士と相談し、今後進行する刑事手続の内容、取調べの対応方法、逮捕される可能性を低減させる方法(示談を成立させるなど)など、事件解決のためのアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料で、刑事事件専門の弁護士のアドバイスを受けることができます。
痴漢事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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