電車内痴漢で射精して器物損壊罪

2019-02-08

電車内痴漢で射精して器物損壊罪

Aさんは、東京都調布市内を走行する電車に乗っていた際、好みの容姿の女性Vさんが近くに立っているのを見つけました。
そこで、AさんはVさんに対して痴漢をしようと思い、Vさんの尻に性器を押しつけ始めました。
Vさんはすぐに痴漢だと気づきましたが、恐怖のあまり声を上げることができず、やがてAさんはVさんのスカートに向けて射精しました。
その様子を乗客の一人に目撃され、Aさんは最寄り駅で降車させられた後、器物損壊罪の疑いで警視庁調布警察署逮捕されました。
(フィクションです。)

【電車内痴漢について】

一般的に「痴漢」と呼ばれる行為は、その多くが各都道府県の迷惑防止条例違反に当たります。
罰則は都道府県により違いが見られ、東京都の場合は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
ちなみに、痴漢の常習性が認められると判断されれば、罰則は1年以下の懲役また100万円以下の罰金となり重く処罰されることがあります。
また、悪質な痴漢であれば強制わいせつ罪に当たる可能性もあり、その場合には6か月以上10年以下の懲役という重い刑が科される可能性も出てきます。

痴漢の発生場所は様々ですが、特に多いのは電車内だと考えられます。
警視庁の統計資料によると、平成29年における東京都迷惑防止条例違反(痴漢)の約51%、強制わいせつ罪の約15%が電車内で行われています。
電車内痴漢が多い理由としては、混雑により犯行が発覚しづらい、密着しても不思議でないため偶然を装える、通勤・通学中を狙える、といったことが挙げられるようです。

一方で、痴漢が発生してもおかしくない状況であることから、いわゆる痴漢冤罪に巻き込まれやすいことも懸念されています。
ただ、痴漢被害を訴える方の声ももっともなので、この点に関しては何かと難しい問題があります。
いずれにせよ、もし痴漢の疑いを掛けられたら、弁護士に早期釈放を依頼するなどして少しでも不利益を抑えることが重要になるでしょう。

【器物損壊罪を疑われた理由】

上記事例では、AさんがVさんのスカートに性器を押しつけて射精に至ったことで、器物損壊罪の疑いが掛けられています。
この場合被害品はスカートですが、スカートを破るなど物理的に損壊した場合にしか器物損壊罪が成立しないのではないかと思いがちです。
ですが、結論から言うと、上記事例のようなケースでも器物損壊罪が成立する余地はあります。

器物損壊罪における「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為を指すとされています。
スカートに射精された場合、たとえ洗濯などにより汚れが落ちるとしても、汚れが落ちたことを理由に直ちに「損壊」が否定されるわけではありません。
加えて、そのスカートの使用者としては、嫌悪感からそのスカートを使用したくないと思うことも十分ありえるところです。
こうした事情から、仮にスカートの損害がのちに回復できるように思えても、「損壊」に当たる可能性はあるということになります。

上記事例では、スカートに射精した行為を捉えて器物損壊罪の疑いで逮捕されています。
ただ、その後の捜査や検察官の裁量次第では、陰部を押しつけるという痴漢についても罪に問われるおそれがあります。
もしそうなった場合、いずれか片方しか成立しない場合に比べて当然ながら処分は重くなることが予想されます。
その分弁護士に依頼することによる恩恵も大きくなる可能性が高いので、お困りであればぜひ弁護士の力を借りてみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、痴漢事件に強い刑事事件専門の弁護士が、示談や情状弁護などの充実した弁護活動を行います。
ご家族などが痴漢をして逮捕されたら刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料
警視庁調布警察署までの初回接見費用:37,300円

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